ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~ 作:月下の案内人
「ホウレンおめえ、その姿は……!」
「ああ、俺もなれたみたいだ…超サイヤ人に。」
「すげえぞ!オラたちも超サイヤ人になんのはすげえ苦労したのになー!」
「今のだけでだいぶ力を使っちまったけどな。でもここからは俺も一緒に闘う。」
「ああ頼む!でもあんま無茶すんじゃねぇぞ?」
「わかってるよ。……パラガス。あんたも手伝ってくれないか?」
「……ホウレンといったか。なぜ貴様はそこまでする?オレたちを救うことに貴様になんの意味があるというのだ。」
「……だってよ。あんたの話を聞く限りだと、悪いのは全部死んじまった王様のせいなんだろ?じゃああんたら親子は被害者じゃねえか。確かにあんたのやってきたことは悪いことばっかかもしんねえけどさ、あんたにも子供を思う気持ちってのがある。それならもう少しマシな生き方もできるんじゃねえかって思っただけだよ。」
「……理解できんな。そんな小さな理由で命を張ってまでオレを救うなど。」
「俺もバカみたいだって思うよ。でも体が勝手に動いたんだ、仕方ねえだろ?あんたの命は俺が助けた。だからあんたは俺を手伝え。」
「フッフッフ…!なんとも馬鹿なやつだ、いいだろう!貴様に救われた命だ、どうせ殺されるなら最後まで抗ってやろうじゃないか…!」
パラガスはそう言うとゆっくり立ち上がりホウレンの手助けをする覚悟を決めたのだった。
「よろしく頼むぜ、パラガス。……悟空、俺はブロリーとも仲間になりたいんだ。協力してくれないか?」
「そいつはすげえ大変だと思うぞ?ハッキリ言って勝てっかどうかもわかんねえ、それでもいいんか?」
「ああ。それでもだ。」
「……わかった。オラはできる限り協力する。みんなはどうだ?」
「ボクも協力します。少しでも強い人が味方ならセルとの闘いでも助けになってくれるかもしれませんし。」
悟空に続き悟飯も協力をしてくれると決めたがトランクスとピッコロは難しい顔をしていた。
「…正直、オレはあまり賛成できません。あいつは宇宙をめちゃくちゃに出来る凶悪な戦士です。もしまた敵になってしまうようなことがあればそれこそ最悪の敵になるでしょう。」
「オレもだ。そもそもあんな力をもったバケモノが簡単に仲間になるとは到底思えん。万が一のことになったら貴様、責任が取れるのか?」
「それは…。」
「そういうなよピッコロ。それにおめえだってもともとオラたちの敵だったじゃねえか」
「チッ、そいつを言われるとオレも言い返す言葉がないな……。」
「トランクス。おめえが言ってることもわかっけどそれでもオラはホウレンの言うことを信じてみてえんだ。おめえもホウレンを信じてやってくれ。」
「トランクス、頼む。俺だけじゃなくパラガスたちのことを信用してやってくれ!」
二人に詰め寄られたトランクスは軽くため息をついて悟空たちを見た。
「わかりましたよ。お手上げです。こうなったら何としてでもこちらの仲間になってもらいましょう。地球に戻り、セルを倒すためにもね。」
「サンキュートランクス!それにピッコロも!これであとはブロリーを仲間にして地球に帰れば全部終わりだ、頑張ろうぜ!」
「へっ、簡単に言ってくれるぜ。……そろそろやつも戻ってくるだろう。」
その時遠くで大きな爆発が起こり爆風と土煙が押し寄せる。その爆発の中心にはブロリーがいた。さすがのブロリーも自分自身の攻撃はダメージがあったようであちこち小さな傷が出来ていた。
そしてホウレンたちがいる場所を睨むと一気に加速してこちらにやってくる。
「戻ってきやがったか…!貴様ら、行くぞ!気を抜くなよ!」
ピッコロの言葉を合図に全員でブロリーに向かって特攻する。
「クズどもが、さっきはやってくれたな!!」
「おあいこだってーの!むしろこっちのほうが体力持ってかれてんだよ!」
「フン、まあいい!そんなことよりも…親父。そっちにいるということは、このオレの敵に回るということでいいんだな……?」
「いや違う、オレはおまえの説得に協力しているだけだ。敵に回るつもりなどない。」
「説得だと…?フハハハ!今更なにをほざくかと思えば、このオレを操っていた貴様がオレを説得などできると思うか!?どのみち殺すつもりだったのだ…ここで殺してやるぞ!」
「くっ……!」
「ブロリー!パラガスだってやりたくてやったわけじゃねーんだ、少しくらい話を聞いてくれ!」
「黙れ!オレがどんな気持ちで親父に支配されていたか貴様にわかるわけがない!赤ん坊のころから二人で共に生きてきた親父に裏切られたオレの怒りがわかってなるものか!!」
ブロリーは感情を昂らせてホウレンたちに向かって再び巨大な気弾を撃った。ホウレンたちはそれをかわすがブロリーはそのままたくさんの気弾を撃ち続けた。
「話し合いなど必要ない!オレは…オレ一人の力だけですべてを破壊しつくすだけだ!」
ホウレンたちは飛び交う気弾をかわしながら別の方向に散った。それを見たブロリーは気弾の連射をやめ、最初の狙いをホウレンに定めた。
「まずは貴様からだ…!ここで死ぬがいい!」
「冗談じゃねえ、こんなところで死んでたまるか!俺はおまえのことを仲間にするって決めたんだ!」
ホウレンはブロリーの顔面を全力で殴りつけるがダメージが入った様子もなく顔に拳が当たったままブロリーは話し始めた。
「オレを仲間にだと…?ハッハッハ!それが説得の内容か?だったら尚更無駄なことだ!仲間など、弱いやつらがつくるものだ。オレには必要ない!」
ブロリーはホウレンの頭を鷲掴みにしてそのまま地面に叩きつけた。
「ぐうっ…!!」
「ホウレン!」
「フハハハハハ!!」
地面に叩きつけたホウレンをブロリーは頭を掴んだままホウレンを持ち上げ、建物に投げつけた。
投げつけられたホウレンは建物の中に転がり壁にぶつかってその場に膝をつく。
「げほっげほっ…!なんてパワーだよ……!……ッ!!」
「消えろ!」
ホウレンが顔を上げるとブロリーはエネルギー波を放ち建物ごとホウレンを吹き飛ばした。
高笑いするブロリーを悟空と悟飯が左右で挟み込むようにたち構えをとった。
「「か~め~は~め~波ぁああ!!」」
そして互いにかめはめ波を撃ち合ってブロリーはそのまま左右からくるかめはめ波に飲み込まれた。だがブロリーは二つのかめはめ波をどちらも片手で抑え込み悟空たちに跳ね返した。
「!?あぶねえ、悟飯避けろ!!」
悟空と悟飯は何とかそれをかわした。今度は上空からピッコロとトランクスがブロリーに殴り掛かりそのまま激しく殴り続けるもブロリーは余裕を見せつけるように両手を組みながらその攻撃をかわし、逆に二人を殴りつけ大きく吹き飛ばした。
「ブロリー!おまえの怒りは分かった!だからオレの話を聞いてくれ!」
「うるさい、消えてろ親父!」
「ぐあっ!!」
今度はパラガスが正面からブロリーに説得を試みる、だがブロリーはまるで聞く気がなく、パラガスを殴り飛ばした。
一方その頃ベジータは……。
「……下級戦士が闘っているのに…ぐぅううう!オレは…オレはサイヤ人の王子ベジータだー!!」
ついに闘う意志を取り戻し超サイヤ人となって戦場に飛び立った。
「この気は……!」
「トランクス、もたもたしてるんじゃないぞ!」
「父さん!!」
「サイヤ人の王子ベジータが相手だ!」
「フン、おまえだけは簡単には死なさんぞ!」
ベジータはブロリーを激しく乱打を与えてさらに追撃として気弾を数発放った。しかしブロリーはこれもダメージにならず、ベジータにラリアットを食らわせそのまま建物をいくつも破壊しながらベジータを吹き飛ばした。
「くそったれぇ!ビッグバンアタック!」
ベジータは吹き飛ばされながらも体制を立て直し、ブロリー目掛けて技を放った。
だがブロリーはそれを避けようともせずベジータに向かって歩き出す。そしてそのままビッグバンアタックが直撃し大爆発を起こした。
「なんなんだ今のは?」
煙の中からブロリーがゆっくり歩いて出てくる。ベジータの技ですらダメージが入らなかったようだ。
「チィッ!だらららららぁああ!!」
ベジータはとにかくたくさんの気弾を連射した。激しい攻撃に辺りに強い爆風が巻き起こる。
しかしブロリーはその攻撃の中でもまるで堪えず、むしろベジータに向かってゆっくり近づいてきた。
そしてそのままベジータに急接近して顔を掴み地面に叩きつける。ベジータはそのまま地面に大きなクレーターをつくり動かなくなった。
「終わったな、しょせんクズはクズなのだ。」
「ブロリー!今度は俺たちの相手をしてもらうぜ!」
そこに立っていたのは先ほど吹き飛ばされたホウレンとパラガスだった。どちらも傷だらけだが二人の目はまだブロリーを仲間にすることを諦めていなかった。
「まだ生きていたのか……。死にぞこないどもめ!」
「ブロリー…。おまえを操ってきたことはすべてオレが悪かった。オレにはあれしか方法が浮かばなかったんだ。だがおまえはオレの息子だ!オレはおまえを大切に思っている、これだけはわかってくれ!」
「ふざけるな…!どうせそれもオレを欺くための嘘なんだろう!もう親父の言うことに騙されんぞ!」
「嘘ではない!オレはおまえにただ謝りたいだけなんだ!信じてくれ、ブロリー!」
「うるさい…うるさい…!これ以上オレにその言葉を向けるな!オレの心をこれ以上かき乱すんじゃない!!」
「……ブロリー、おまえやっぱりパラガスの息子だぜ。不器用なところがそっくりだ。」
「なんだと……!」
「いい加減、認めろよ。おまえはさ、ただ悲しかっただけなんだろ?信じてた親父に裏切られたことがさ。だからそうやって今度は一人になろうとしてる。もう誰にも裏切られないように。」
「黙れ!知ったようなことをぬかすな!」
「ああ知らねえよ。俺はおまえのことを何も知らねえ、だからこれから知っていきたいと思ってる。言ったはずだぜ?オレはおまえを仲間にしたいんだ。だからおまえを一人になんか絶対にしてやんねえ。ここでおまえを説得してみんなで地球に帰るんだ!」
「なんなんだ…!貴様は一体、なにが目的でオレを仲間にしようとする!どうせ貴様もオレの力を利用しようとしているだけだ!それを何が仲間だ、笑わせるな!」
「利用なんて考えてねえよ!やっぱりおまえは不器用だ、そうやって利用されることを恐れているだけの臆病者だ!」
「オレが臆病だと!?ふざけるな!貴様らのような雑魚にそんなこと言われる筋合いはない!」
「ああそうだ、俺はおまえに比べりゃただの雑魚だよ!そしてこれが俺からの最後の交渉だ。その雑魚である俺がもしおまえに勝てたら、おまえは俺たちと一緒にこい!」
まさかのホウレンの交渉に周りにいた全員が驚きの表情を見せる。いくら超サイヤ人に変身したとはいえホウレンの実力はこの中でも最低クラスなのだ。あまりにも分が悪い内容に全員が止めにかかる。
「ホウレン!いくらなんでもそりゃ無理だ!おめえはまだ超サイヤ人の力も完全に使いこなせてるわけじゃねえんだぞ!」
「そうですよ!それにそんなことしたらホウレンさんも死んじゃいますよ!?」
「貴様には無理だ!せめて悟空に任せたほうがいい!」
「……。」
皆の制止の言葉を無視してホウレンはブロリーの反応を待った。するとブロリーは急に高笑いし始めた。
「フハハハハハ!!貴様如きがオレを倒すだと?面白い…いいだろう!そんな不可能なことをもし貴様がやってのけたら、オレは貴様の仲間にでもなんでもなってやろう!だが出来なければ貴様らは全員ここで死ぬ、つまり貴様らが死ぬことはもはや決まったも同然なのだ!」
「言ったな……?もう取り消せないかんな!覚悟しろよ!」
ホウレンはブロリーから目を離し、悟空たちのほうを見つめた。
「悟空、そしてみんな。悪いけど、俺に力を分けてくれないか?みんなの力で勝ちたいんだ。」
「ホウレン…おめえ、本気なんか?」
「ああ、本気だ。頼む。」
ホウレンの考えはみんなの力を自分に集めてその力でブロリーを倒すというものだった。だがあまりにも無謀な作戦に思わず悟空も息を飲む。
「わかった、ぜってえに勝てよ!ホウレン!」
「おう!」
「みんな!ホウレンに力を分けてやってくれ!みんなの力でブロリーを倒すぞ!」
「チッ、仕方ない。ホウレン!貴様が言い出したことだ!ちゃんと責任とりやがれ!」
「ボクの力も全部渡します!使ってください!」
「オレの力も…どうか、ご無事で!」
悟空の号令に従いベジータを除く全員がホウレンに気を集める。
「ベジータ!おめえも頼む!ホウレンに気を与えてくれ!」
「ふ、ふざけるな!誰が貴様のような下級戦士に!」
「ベジータ!頼む、俺を信じて力を貸してくれ!」
「くっ…ぐぐ…!…今回だけだからな!!」
ようやく観念したベジータはホウレンに残るすべての気を託した。
そしてすべての気が集まったホウレンは凄まじい力を手にしたのだった。
「ありがとよ、ベジータ!ブロリー、待たせたな。さあ、決着と行こうぜ!!」
「ハッハハハハ!雑魚のパワーをいくら集めたとてこのオレを超えることはできぬ!」
「どうだろうな、そいつはこれからのお楽しみってやつだ!」
その時さらに少しの気がホウレンに入ってきた。
「……パラガス。」
「……オレの気も使ってくれ、オレ程度の力では意味などないかもしれんがな。」
「いいや、十分だよ。サンキューな。さあブロリー!これで終わりにするぞ!!」
「いいだろう!だがここで終わるのは貴様らだ!」
ホウレンとブロリーはその場から飛び立ち開けた荒野に降りたった。お互いに全力でぶつかるためである。睨み合いが続くなかついに二人は動きを見せた。
「ハアアアアア!!」
「デリャアアアア!!」
同時に動きだした二人の拳は強い衝撃を放ちぶつかり合った。
二人は何度も何度も同じぶつかり合いを繰り返し、そのたびに辺りの岩が砕け散り、地面はどんどん陥没していく。二人のぶつかり合いはさらに加速していった。
「うりゃららららら!でりゃあ!」
「うぉおおおおお!だああ!」
拳の打ち合いを続ける二人だったがついにお互いの左頬に拳が入った。だがどちらもすぐに体制を立て直しさらに殴り合いを再開する。
遠巻きに見ていた悟空たちもあまりに激しい攻防に息を飲み込んだ。
「ブロリー!オレはおまえを絶対に倒してやるぞ!!」
「やれるものならやってみろ!!」
どんどんぶつかり合いは苛烈になっていった。お互いにガードできていた攻撃も徐々にできなくなってきて最早ただの殴り合いとなっていた。常識を超えた威力の拳での殴り合いは両者の体力を急激に奪っていく。
「くたばるがいいい!!」
ブロリーはホウレンの拳を寸でのところでかわし即座にホウレンを全力で殴り飛ばした。
体制が崩れたホウレンを追撃して両足で踏みつけるがホウレンは直前で体制を立て直しそれをかわし、そのままブロリーの左頬に全力の蹴りを食らわせて距離をとる。
「ぜぇ…ぜぇ…!あぶねえ……!」
「ハァ…ハァ…!くたばりぞこないめ……!これで終わらせてやる!」
ブロリーは大きく距離をとって岩山の上に立つと、右手に気を込め始めた。
「とっておきだ……!」
するとブロリーの右手からいままでで最大の気弾が現れた。圧倒的な威圧感に押しつぶされそうになるホウレンだったが、歯を食いしばりホウレンもまた両手を前に出し、ありったけの気を集めた。
「決着をつけようぜ、ブロリー!これが俺たち全員の力だぁあああ!!」
ホウレンはみんなから集めたすべての気を両手から解き放った。解き放たれたエネルギー波はブロリーの特大の気弾とぶつかりあい激しい轟音を上げた。
「「ウォオオオオオオ!!」」
まったくの互角に思えたぶつかり合いだったが徐々にホウレンのエネルギー波がブロリーの気弾を押し始める。
「ば、バカな!!」
「いけえええええええ!!」
ホウレンは最後の力を振り絞って両手に力を籠める。そしてついにブロリーの気弾を貫いた。
「ぐああああああ!!こ、このオレがー!!?」
ブロリーはホウレンの放ったエネルギー波に飲み込まれる。そしてボロボロになったブロリーは変身が解け岩山からゆっくりと落ちて行った。ついにホウレンはブロリーに勝利したのだ。
「やった…やったぞ!!俺たちの勝ちだー!!」
喜びに満たされたホウレンの元にボロボロのみんなが集まり称賛の言葉を浴びせる。
「ホウレン!やったなー!!」
「最後はひやひやしたぞ。だがよくやった!」
「すごい闘いでしたよ!お疲れさまでした!」
「みんなの力のおかげだ、本当にありがとう!」
「ホウレン!」
「パラガス。どうかしたのか?」
「時間がない、早く宇宙船に乗り込まねばグモリー彗星の衝突に間に合わなくなってしまうぞ!」
「な、なに!?やべえ、早くブロリーを連れて行くぞ!ってあれ……?」
ホウレンは急にその場に倒れこんでしまった。驚いた悟空たちはホウレンに駆け寄る。
「どうしたホウレン!大丈夫か?」
「あ、あはは。なんか力使い果たしちまったみたいだ…動けねえ。」
「いい!?し、しかたねえオラが担いでいく!みんな急げ―!」
悟空たちはピッコロが乗ってきた宇宙船に全速力で向かった。そしてパラガスは一人ブロリーの元へ向かった。
「ブロリー。意識はあるか……?」
「……親父か。オレに…とどめを…刺しに来たのか?」
「違う。ホウレンと約束したはずだ。あいつが勝ったらおまえはあいつらの仲間になるとな。」
「……まだ、そんなことを言っているのか…。……親父、オレは…負けたんだな……。」
「そうだ。おまえは負けた。いいや、俺たち親子の完敗だ。こうして二人とも命を失っていないのだからな。」
「……。」
「さあ行くぞブロリー。地球へおまえも一緒にくるんだ。」
パラガスは倒れているブロリーを担いで悟空たちの後を追った。そしてブロリーは深い眠りにつくのだった。
その後ホウレンたちは宇宙船に奴隷となった人たちも乗せて地球へと飛び立った。
それから数時間後、宇宙船は地球へと降りたった。
「戻ってきたな。地球に。」
「オラ腹減っちまった!早く帰ってチチに飯作ってもらうぞぉ!」
それぞれが宇宙船から降りて、体を伸ばしているとブロリーがパラガスの肩を借りてホウレンと悟空の元へ歩いてきた。
「ホウレン、おまえには礼を言わねばならんな。オレとブロリーを救ってくれたこと感謝する。」
「カカロット…そしてホウレン…!オレは今回は負けた、だが次はこうはいかんぞ!傷が癒え、更に力を上げて、おまえたちはオレがこの手で殺す!それがオレの新たな目的だ…!」
「なんだよ…仲間になるって約束だろ?観念してくれよ。」
「チィッ…!そんな約束知らん!」
「おい!子供かてめーは!」
「ブロリー。オラは今度こそおめえを自分の力で倒して見せる。絶対にだ!」
「……フン。オレは簡単には倒せんぞ……。」
「ああ!それでこそやりげぇがあるってもんさ!」
「では、オレたちはもう行く。また会うことがあるだろう。さらばだ。」
パラガスはそういうとブロリーを抱えたままどこかへ飛んで行ってしまった。
「……行っちまったな。」
「……またすぐに会えるさ。」
「そうだな…。悟飯、肩貸してくれ。」
「はい、どうぞ。」
ホウレンは悟飯の肩を借りてピッコロたちの元へ向かった。
「みんな、今回はオレの無茶を聞いてくれてありがとな!」
「今回だけだ。次はないぞ?」
「まったくだ。あの化け物を仲間にするなど、オレは聞いてないぞ!」
「ああ、そういやベジータには伝えてなかったっけ?」
「まあいい!カカロットだけじゃない、オレもやつを超えて見せるぞ…絶対にな!いくぞトランクス。」
「はい、父さん。では皆さん、また。」
ベジータとトランクスはカプセルコーポレーションに帰っていった。
「オレはこの宇宙人どもをなんとかせねばな……。」
「ピッコロさんごめんなさい。任せてもいいですか?」
「仕方あるまい。放っておくわけにもいかんからな。おまえらもさっさと帰ってゆっくり休め。」
「はい!」
「ピッコロ、頼んだぞ!じゃあ悟飯、ホウレン。帰るか!」
「ああ帰ろう!」
こうして新惑星ベジータでも壮絶な闘いは幕を下ろした。だがこれから先まだセルゲームが控えている。ホウレンたちは無事にセルを倒すことが出来るのであろうか……。