ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~   作:月下の案内人

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めちゃくちゃお久しぶりです。
あり得ないくらい遅くなりましたが投稿です。


遊びたがりの強いやつ?謎の大男現る ★

「ホウレンさん、しっかりしてください!ホウレンさん!」

 

 妖夢は必死に気を失ったホウレンに呼びかけるがホウレンはピクリとも動かない。

 

「自ら戦力を減らしてしまうとは愚かなやつだ。と言っても、所詮孫悟空たち以外の雑魚どもでは何人いたところで役には立たんだろうがな?たかがそいつ一人が消えたところで何も変わりはしないだろう。」

 

「っ……ホウレンさんは雑魚なんかじゃありません!それに私たちだって貴方が思ってるよりもずっと闘えます!」

 

「それは失礼した。だがひとつ訂正しておこう。そもそもわたしは貴様らのことなどなんとも思っていない。等しく取るに足らん雑魚でしかないのだ。」

 

「っ!!」

 

 見下すように吐き捨てたセルの言葉に耐え切れず妖夢は立ち上がり刀に手をかけた、そんな妖夢を制止するように悟空がセルと妖夢の間に立った。

 

「ご、悟空さん。」

 

「……妖夢落ち着け。ここでおめえが斬りかかっても何も変わんねえぞ。おめえの気持ちもわかっけど今は堪えろ。」

 

「っ……はい…。」

 

 妖夢は悔しさに下唇を噛み締めながらも刀から手を離し再びホウレンの隣に膝をついた。

 

「セル、とりあえず今はおめえの言葉を信じる。だけどもしも文のことを襲ってみろ、そん時はすぐに駆けつけて今度こそおめえをぶっ倒してやるかんな。」

 

「フッフッフ、そう来なくては面白くない。くれぐれもゲームに負けて死ぬなどというつまらん結果にならんようにするのだな。」

 

 そう言うとセルは悟空たちに背を向けて歩き出した。覚悟を決めた射命丸もまた大きく深呼吸してセルの後を追って歩き出す。

 

「文!無茶すんなよ!」

 

 悟空の言葉に小さく頷いて射命丸はそのままセルと共にどこかへ立ち去ったのだった。

 

 

 それから悟空たちは一度話し合いをするため魔理沙たちも含めて一か所に集まった。

 

「わりい…あんな状況だったってのに私は身動きが取れなかった。最初あいつの動きを止めたときはこっちが有利だったはずなのに……情けねえ……っ」

 

「……それは私も同じよ魔理沙。あれだけ啖呵を切っておきながらあいつに傷ひとつつけられなかった。それどころか咲夜の咄嗟の判断がなければ今頃二人そろって死んでたかもしれないわ。」

 

「もうわかったろ?セルの強さは今までのやつらとは比べ物にならねぇ、あいつはその気になれば幻想郷どころかこの地球だってぶっ壊せちまうってこと、忘れんじゃねえぞ?」

 

「地球を壊せる!?あ……コホン。……確かにセルに挑んで情報を聞き出すのは難しそうね。仕方ない、ディグラとかいうやつの言いなりになるのは癪だけどこの崩天祭とやらをさっさと終わらせてやろうじゃない!」

 

「おお~!お姉さまやる気満々だ~!!」

 

「そう言えば妹様の能力で上空の大岩を破壊したり出来ないんですかね?」

 

「その大岩が見えるところまで近づければ一個づつ壊せると思うよ!」

 

「それは危険だと思います。確か大岩の周りにはたくさんの敵が配置されているはずですから、フランさんが近づけばその敵が一斉にフランさんを狙って襲い掛かってくるでしょう。それに今はまだ太陽が降りてませんから吸血鬼であるレミリアさんとフランさんに激しい戦闘は不可能です。」

 

「むぅ~!でもそれじゃあ私とお姉さまは何も手伝ってあげられないよ!何か私たちにも出来ることってないの!?」

 

 吸血鬼であるレミリアとフランは本来、日の光を浴びると肉体に大きなダメージを負ってしまうこともあり、浴びすぎると死に至る可能性も十分にあった。このまま二人を崩天祭に参加させるにはあまりにリスクが高い。どうしたものかと考え込んでいると空から聞きなれた声が聞こえてきた。

 

「簡単よ。あんなたちはここでそこの情けない顔で眠ってるやつを守ってあげればいいわ。」

 

 一同は声に反応して屋根の上を見上げるとそこには霊夢と悟飯が立っていた。

 

「おめえたち!いままでどこにいたんだ?」

 

 霊夢と悟飯は屋根から軽く飛び悟空たちの前に降りた。

 

「あんだけ騒ぎになったのよ?悟飯にも手伝ってもらって住人を少しでも安全な場所に誘導してたのよ。」

 

「里の皆さんは全員無事です。それよりもお父さん、なんでセルが幻想郷にいるんですか!?そもそもセルはあの時死んだはずじゃ……!?」

 

「ああ、オラもそう思ってた。けどあいつは間違いなくセルだ。しかもあいつ、完全体の姿どころかあん時よりもうんと力上げてんぞ。もしかすっと超サイヤ人2でもギリギリかもな……。」

 

「そ、そんな……!」

 

「セルの話は聞いたな、悟飯?」

 

「はい、一刻も早くディグラってやつを捜さないと!でもセルのことを放っては……!」

 

「セルのことは大丈夫だ。今んとこはだけどな。」

 

「どういうことです?」

 

「説明は後だ。とにかくオラと悟飯は幻想郷を飛び回ってディグラっちゅうやつを捜すぞ!」

 

「私たちもバラバラに捜し回りたいところだけど……魔理沙はどう思う?」

 

「……いや、ディグラってやつはさっきのやつと近い実力だって言ってた。私たちが一人で見つけたとしても、なにも出来ないかもしれない。」

 

 確実に止めるつもりだったはずが一方的にやられてしまったことに魔理沙は悔しそうに眉をひそめている。レミリアや咲夜も同じく表情を曇らせていた。

 

「……そうね。ならせめて二人一組で行きましょう。少なくとも他の誰かが来るまでの時間稼ぎにはなるわ。魔理沙は私と来てくれる?」

 

「わかった。」

 

「ならば私は美鈴さんといっしょですね。よろしくお願いします!」

 

「わかりました!」

 

 魔理沙の言葉に同意した霊夢は魔理沙と、そして妖夢と美鈴が二人で行動することになった。

 

「悟空と悟飯は一人でも大丈夫よね?」

 

「ああ。悟飯と話をしたらオラたちは別々にディグラを探してみる。」

 

「いい?知り合いに会ったら協力してもらいなさい。少しでも目を増やすの。見つけてどうしようもないと思ったらなんでもいいからすぐに合図を出すのよ?誰かが気づければすぐにでも集まれるわ。」

 

「咲夜。貴方は妖怪の山に向かいなさい。守矢の連中と合流してディグラを捜し出すのよ。」

 

 霊夢の言葉にうなずくとレミリアは咲夜に命令を下した。

 

「承りました。ですがここも安全とは限りません。お嬢様たちもどうぞお気をつけて……。」

 

「わかってるわ。少なくともさっきみたいな醜態はさらさないわよ。早く行きなさい。」

 

「はっ!」

 

「それじゃあ行くわよ!」

 

 そして霊夢の号令で各々が各地に飛び出したのだった。

 

「咲夜ー美鈴ー頑張ってねー!!」

 

 遠ざかる咲夜や美鈴に向けてフランは大きく手を振って見送る。

 

「やれやれ、また厄介なことになったわね。」

 

 眠るホウレンを見つめながらレミリアはポツリと呟いた。

 

 

 

 

 それから少し過ぎ幻想郷の空を飛び回る霊夢と魔理沙は更に上空を見上げて見る。

 そこにはセルによく似た化け物がうようよと飛び回っているのが微かに見えた。

 

「あの数……確かに直接大岩とやらを壊すのは相当キツイわね。」

 

「でもあんなにちっこいのに本当にどうしようもないのか?」

 

「さあね。それが出来るならとっくに悟空たちがやってるはずだし、それに問題の大岩が全然見えないのよね……それだけ高い位置に浮いてるのかしら……?」

 

「案外、私たちを焦らせようってだけのブラフだったりしてな。」

 

「はっは!残念。それは本当のことだ。」

 

「「__っ!!?」」

 

 突如耳元で男の声が聴こえた。楽しそうにからかうような声色に二人は即座に反応し、大きく距離を取って声の元を睨みつけた。そこには二メートルはあろう巨体の男が黒衣の布で全身を覆うようにして浮いていた。

 

「どうだ驚いただろう?はっはっはっは!!」

 

「なんだこいつ、いつの間に私たちの後ろに……!?」

 

「まさかとは思うけど、あんたがディグラってわけじゃないわよね?」

 

「さてどうだろうな?だがまあ、オレのことはただのサービスキャラとでも思えばいいさ。」

 

「嘘つけ!そんな図体のサービスキャラがいてたまるか!!」

 

「はっはっはっは!!」

 

 まるで緊張感がない男とは裏腹に、霊夢と魔理沙は額に汗を浮かべて男を睨み続ける。

 二人は気を感じることは出来ない、だが男からは何か得体のしれないものを感じていたからだ。

 

「そう睨むな。この広い幻想郷でノーヒントでのかくれんぼっていうのはあまりに酷だと思ってな?おまえたちににチャンスを上げに来ただけだ。」

 

「はあ?チャンスだあ?そんなもんなくても今目の前にいるあんたを逃がさなければこっちの勝ちだろ。私たちを舐めすぎだぜ!」

 

「ん~~。そういうつもりじゃなかったんだが。まあいい、そんなことよりせっかくの祭りだ!最初のゲームを始めようじゃないか!」

 

 そう言うと男は黒衣を剥ぎ取りその姿を露わにした。明らかに人間の見た目ではない体。

 暗い赤色のゴツゴツとした岩が鎧のようになっており、腰には黒い布を巻いている。

 赤みがかった銀色の髪をした大男だ。  

【挿絵表示】

 

 

「ゲーム?何のことだか知らないけど、観念してもらうわよ!」      神霊『夢想封印』

 

「私たちの前に出てきたこと、後悔させてやるぜ!」      恋符『マスタースパーク』

 

「おっと!」

 

 男は霊夢の夢想封印を軽々と避けきり、押し寄せるマスタースパークを跳び箱を飛ぶように飛び越えて見せた。

 

「くっ!」

 

「くそっ!セルの言った通りか、こいつもとんでもなく強いぞ……!」

 

「そんなに焦るなって!最初のゲームは鬼ごっこでどうだ?おまえたち二人がオレを捕まえることが出来たら、オレの居場所のヒントをひとつ教えてやるぞ!」

 

「オレの居場所って、やっぱりおまえがディグラってやつじゃねえか!?」

 

「何がヒントよ!居場所も何も、あんた目の前にいるじゃないの!バカなんじゃないの!?」

 

「はっはっはっは!!」

 

「ああもう、調子が狂うわね……!なんなのよあんた!」

 

「お察しの通り!オレこそがこの崩天祭の主催者のディグラだ!そしてこの幻想郷を何度も攻めてきた連中の仲間……いや、協力者の一人ってほうが正しいか?よろしく頼むぜ!博麗霊奈!霧雨魔理華!」

 

 開き直ったように男はディグラと名乗った。霊夢と魔理沙は仲間と協力者を言い直したことに引っかかりはしたものの、最後に口にした名前に思わず__

 

「「は?」」

 

 __声を合わせて困惑したのであった。

 


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