ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~ 作:月下の案内人
ちなみにこの話でついに50話目を迎えました!まだ先は長いな……。
ここは幻想郷の草原。悟空とアルメトが闘った場所に数人の姿があった。
すると空中でスキマが開き、中から紫とホウレンが出てきた。
「ホウレンさん!」
最初に駆け寄ったのは妖夢だった。
「妖夢!冥界の方は大丈夫だったのか!?」
「それが……闘いの最中、突然姿が消えてしまって……。」
「姿が消えた……?そりゃどういう……。」
「そのまんまの意味よ。」
話を割って入ってきたのは霊夢だった。霊夢はボロボロの恰好で早苗に支えられて立っていた。その隣にはこちらもボロボロの恰好のピッコロが立っていた。
「霊夢。早苗にピッコロも……そっちも随分手こずったみてえだな。」
「まあね。でもあんたほどじゃないわ。」
「それで、そのまんまの意味ってのは?」
「実はね。妖夢のとこだけじゃなくて私たち全員の所に大量の敵が現れてたのよ。でもそれが突然消えちゃったってわけ。恐らく術者が死んだからだと思うんだけど……誰だったのかしら?」
霊夢が首を傾げているとそこに悟空と悟飯、トランクス歩いてきた。
「そりゃ多分ベジータが倒したやつだろうな。」
「ベジータが?」
「ああ、おめえたちが探してた女がいたろ?あいつだよ。実はあいつ実力を隠してやがったみてえでな。後ろでこそこそ結界を壊そうとしてたらしいんだけどよ。そこをベジータが倒したんだ。」
さらっと言った悟空の言葉に霊夢は顔を青ざめる。
「ちょ、ちょっと待って?結界を破壊!?そんな危険なことしようとしてたの!?」
「ああ。アルメトが言ってたから間違いねえ。な?紫。」
「そうね。悟空の言うとおりよ。ほんと、あの時は心臓が止まるかと思ったわよ。」
「ははっ、まあ助かったんだからいいじゃねえか!」
悟空はそう言ってけらけらと笑い始める。それを見て霊夢は疲れたようにため息をついた。
「はぁ……まあいいわ。それでホウレン?そのアルメトってやつは倒せたのよね?」
「ああ。ちゃんと倒した。勝った……とは言えねえけどな。」
「……そう。ならいいわ。早く帰りましょ?また傷を治さないと……。」
「待ってくれ。みんなに話があるんだ。」
ホウレンは紫と並んでみんなの顔を見渡した。
「闘いはまだ終わってない。むしろこれからが始まりかもしれないんだ。」
その言葉に霊夢は真剣な顔つきでホウレンを見た。
「どういうこと?」
ホウレンはアルメトが言った協力者について、そして遥かに強いと思われる男の存在をみんなに話した。それに対してみんなの反応は様々だった。深刻に考え込む者もいればこれからの対策について考える者、そして悟空だけがその強い男に対してワクワクが止められないようでいた。
「これから幻想郷はもっと危険な目に合うかもしれないわ。だから私からのお願いがあるの。」
紫は皆に向けて頭を下げた。
「この幻想郷を守るために……これからも貴方たちの力を貸して欲しいの。お願い。」
霊夢は紫の様子に少し驚いた。長い付き合いだが紫が頭を下げるところなど始めて見たからだ。
するとそんな霊夢を置いて次々と仲間たちが返事を返した。
「当たり前だろ。今更、逃げようなんて思わねえよ。」
「そうですよ!ボクも力を貸します!みんなでこの世界を守りましょう!」
最初にホウレンと悟飯が力強く返事を返した。
「オラもだ!そうと決まればもっと修行しねえとな!オラわくわくしてきたぞ!」
「オレも協力します。きっと父さんも手伝ってくれるはずです!」
次に悟空が楽しそうにトランクスが真剣に返事を返した。
「幻想郷の為です!私たちも協力しますよ!ね?ピッコロさん。」
「仕方あるまい。宇宙の統一だか何だか知らんがオレたちが止めてやろうじゃないか。」
更に早苗とピッコロも皆に賛同してくれた。
「霊夢さん?」
妖夢に声をかけられて霊夢はハッと我に帰る。
「私たちも頑張りましょう!ホウレンさんたちにばっかり頼っていられません!」
「……そうね。私は博麗の巫女なんだから、どんなやつが来ても退治してみせるわ!もちろんホウレンたちの力も借りてね。」
皆の返事を聞いて紫は嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう……。これからは力を合わせて頑張っていきましょう!」
「「「おー!」」」
こうして人里より広まった噂は幕を閉じた。アルメトが言った男とはいったい何者なのか。
そしてこれから先、どんな強者が幻想郷へとやってくるのか。
すべては未来でしかわからない。ホウレンたちはいつ来るかわからない脅威に対して改めて気合を入れなおしたのだった。
これにて第三章終了です!次回から第四章を書き始めますのでもしかしたら、いつもよりも投稿が遅くなるかもしれませんがお楽しみに!