擦り傷だらけの心に祝福を   作:霊守人
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人+オラクル+?=

ーーーーー深く眠っていた気がするーーーー


ねぇ何時になったら迎えに来てくれるの?…

待ちどうしいよ……

私の手を握ってくれる日が……

でももうすぐ会えるよヤシキ……

君は近くまで来ているのだから……

私は我慢が出来そうに無い……

早く…速く…ハヤク……ヤシキ…君を……

ーーーーーーーー食べたいーーーーーーーー



side烏川 ヤシキ
「ハァッ……ハァハァ………クッ何だ、今の知らない女?のような声は。凄く恐ろしいけど、何だか……」

(安心している僕が居る。その声が、まるで最初から知っていたように…でも、何故?)

冷たい石畳の床で目を覚ましたヤシキは周りの様子に絶句した。

「そうか、鉄格子に石畳そして手枷、僕は奏を逃がせずに捕まったのか。」

「まぁ、信奉者団教祖の息子としては僕目の上たんこぶなんだろう……。」


僕は確信した。父や母がソノ結末を導いたように。
そして意地汚いアイツ等の事だ既に準備は整っているだろう。

「居るんだろう、そんな僕から見て2番目の柱の影に隠れているなんて、何か疚しい事でもあるのかい?……君にとって最高の朝だろう………ねぇ?ジガン」



「やっぱりお前の勘は鋭いな……なぁヤシキ?」


sideジガン

(チッ気づいてたか……)

ヤシキの事が嫌いなジガンではあるが、彼のことを誰よりも評価しているは信奉者団でもジガン以上は居ないだろう。


「やっぱりお前は能がある。前にも喋ってたと思うが俺の配下にならないか。捨て置くには勿体無いからな。」


「断る、僕達はもう終わったんだよ。ジガンも奏もそして僕自身も、みんな変わってしまったんだから。」


そう僕達は親友だったんだ。



side烏川 ヤシキ
「気付いてたさ、ジガンが奏に恋している事も、奏が僕の事を気になっているのも。」

「ジガンは奏を守る為にわざと悪者を演じているのも、知っているよ。たった3年だけど、どのくらい一緒にいたと思っていたんだい。」

(それを知ったから僕は信奉者団を挑発しているんだから……その意味もそろそろ分かったんだろうけど。やっぱり辛い役目だったね。)

そうヤシキは意図して、捕まる様に仕向けていたのだ。自分が捕まる事でジガンの父である教祖の信用を得るためである。


sideジガン
「ハハッお前は馬鹿だよなぁ…えぇ?ヤシキさんよう……」

ジガンは鉄格子越しに胸ぐらを掴み、ヤシキの顔を睨み付ける。
だが、その顔には覇気が無い。何故ならジガンの頬に水滴が伝っているからである。


「何で分かってるのに……わざとお前は楯突くようにしたんだ。どのみち……ヤシキ……先が無いのが「悪いけどその先は喋って言い事じゃないよ。」でも、でも、ヤシキ……俺、やりきれないぜ。」

そう僕も実は病に侵されている。

その病名は【黒蛛病】と呼ばれている。

side烏川 ヤシキ

「ジガン、外の情報は信奉者団だけが持っているわけじゃないよ。僕も地道に集めていたんだから。」

迂闊に外に出過ぎたのが災いとなったんだろう。でも悔いは無い。

「本当は二人がくっついて外の世界に逃げたい時の算段をしていたんだけど……無駄になっちゃったね。他の人達に使ってあげてね、君ならこの支配を止められるよきっと……。」


sideジガン
「馬鹿野郎!3人でそんな明日を餓鬼のころ目指してたじゃねぇかよ。ヤシキも一緒に決まってんだろなそうだよな、頼むよ……ヤシキ……。」


side烏川ヤシキ
(そうだよな、約束を一番に破ったは僕自身だ。)
「甘ったれるな!お前はこれから自分の手で守れる分だけしか守れないんだ。」

(君に任せれるから、一番奏の事を大切に出来る君だから、任せられるんだ。)

「それに調子に乗ったツケ、今から払いに逝かなくちゃ。あっ、この先のシナリオはジガン、君が関わってなくても好転する様に仕向けておいたから……安心すると良いよ。」

牢屋の外が騒がしくなり始めた。そろそろ時間なのだろう。

sideジガン
「ヤシキ……お前は本当に後悔していないのか、悔いは無いのか……。」

俺は立ち上がりながら聞いてみる。

(怨み言の一つや二つは思っているはずなんだ。悔いが有るなら是が非でも叶えてやらないと気がすまねぇ。)


「うーーん、そうだなやっぱり……」


side烏川 ヤシキ
「奏に全部教えてあげて僕とジガンのシナリオを。そして安心して欲しい。これから明るいんだよって。」


そして看守達が僕を迎えに来た。


「時間だ。着いてこい。」


(覚悟はもう終わった。後は少しだけ、ピエロになってこの人生の掃き溜めにピリオドの一つを打ちに行こうか。)

「さよならジガン。」


そして僕は最後のステージに向かう。見せしめにするつもりのようだが、そう上手くいかないことに痛感しながら。











僕の前には鳥の羽をモチーフにした剣があった。恐らく宝飾品の様なしろものだろう。そしてその向こうには2足歩行するアラガミがワイヤーで繋がれていた。



「オウガテイル……。」


手枷が外されるや看守達は一目散にこのコロシアムの形をした闘技場から退場していく。




そう此処では反乱分子とみなした者を公開処刑するためだけに最近出来た信奉者団の余興場なのだ。



ワイヤーが外され、オウガテイルは興奮した様にヤシキに向かう……だがヤシキは落ち着いたまま辺りを見渡し、ジガンの父である教祖を視界におさめる


「さぁ、終わりにしようこの支配を。たとえ……怪物と呼ばれようと……。」

(もう少しだけ……人でいたかったな。)

「お座りだ、オウガテイル。」

ズシィン……

どよめきが起こる。それもそうだろう、何とオウガテイルがヤシキに向かってお座りの姿勢をとったのだから。


そしてどこからかベルトに装着するタイプのバックルを取りだし腰に翳す。


「信奉者団の皆様、今日はお集まりくださいまして誠に恐縮です。ですが今から私からお贈り致しますショーをどうぞ………楽しんで逝って下さい。」


ヤシキはバックルについてある注射器のようなシリンダーを押し込む。


















ーーーーーーーー 変身。ーーーーーーーー





まるで獣の唸るような声が聞こえると眩い光が溢れる。治まると烏川 ヤシキは中型アラガミのシユウに姿を変えていた。



「さぁ、蹂躙を始めよう。」






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