BLEACH 結界争闘篇   作:アルフレット

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あまり話が進んでない気が…
どうしても黒崎家と天を絡ませたかったので
少々無理やり天を黒崎家に連れて来てしまいました
では、今回も楽しんでいただけると幸いです

アルフレット


第六話

そんなこんなで時間が過ぎていった浦原商店を出ると、

もう外は暗くなっていた

みんなは何か話しているようだったが、頭に入ってこなかった

先ほどの襲撃のことで頭がいっぱいだった

 

「ねぇ天ちゃん?天ちゃんってば!」

(あの感じ間違いなく…でもどうしてあの人が

 ありえない…だってあの人は…)

 

頭をよぎるのはそんなことばかりだった

 

「おい‼︎天!」

 

ハッと視線を上げるとそこには一護さんの顔があった

心配そうに私の顔を見ている

 

「何?」

「『何?』じゃねぇよ

 いくら呼んだって返事しなかっただろ」

「呼んでたの?ごめん

 考え事してた」

 

一護さんはやれやれといった風に首を軽く振っていた

周りのみんなも心配そうに見ていた

 

「私はこっちだからまた明日ね〜」

「僕もこっちだ」

「俺はこっちだ

 …また明日」

「おう!気をつけてな」

 

ここからはみんな違う道を帰るらしい

井上さんが私の顔を覗き込んで笑顔で言う

 

「天ちゃんもまた明日ね〜!」

「…また明日」

 

私は気圧されながらも井上さんに返事をした

みんながそれぞれの帰路につく

私は一護さんとそんな三人の背中を眺めていた

 

「さて、俺たちも帰るか」

「うん」

 

三人の背中が遠ざかると私達も一護さんの家へと歩き出した

黒崎家に着くまで全く話さなかったが、不思議と心地よかった

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

(浦原商店を出てからずっとこんな感じだな

 仮面集団のことを気にしてんのか?)

 

そっと横にいる天を盗み見る

まだこいつのことは全然知らないが、様子が違うことくらいはわかる

 

(それだけじゃないような気もするけどな…)

 

思い出されるのは俺が井上にケガを治してもらっている時のことだ

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

あいつらが消えのを確認したあとすぐに天のところに戻った

浦原さんたちも腰を下ろしていてさっきの相手のことを考えていた

しかし天の様子に気づいたのか、

すぐに何もなかったような雰囲気を醸し出していた

俺が戻ると井上はすぐに双天帰盾を使ってケガの治療をしてくれた

消えそうな声が聞こえてきた方を見ると、

天を見ると真っ青な顔をしていた

 

「一護さん…ごめんなさい

 私のせいで」

「お前のせいじゃねぇよ、気にすんな

 それよりお前は大丈夫か?」

「…大丈夫」

 

天は大丈夫と答えたが、どう見ても大丈夫そうではない

青い顔をしながら心ここに在らずといった様子だ

俺にケガをさせてしまったことの罪悪感だけでないような

そんな姿に違和感を覚えながらも深く聞くことはできなかった

 

「一護さんって死神だったんだ」

「死神代行(・・)だ」

「一緒」

 

天がそういえばという感じで言った

代行の部分を強調し、違ぇよと思いながらも

天の顔を見ると何も言えなくなる

天は苦虫を潰したような顔をしていた

 

(俺が死神だと何かまずいのか…?)

 

気になったまま会話は終わった

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

仮面集団と話しているときは顔色を全然変えなかったのに

俺が戻ってくるときには青い顔をしていた

 

(襲撃直後よりはだいぶ落ち着いているみたいだけどな…

 俺が戦っている間に何かあったのか?)

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

しばらく歩くと一護さん家に着いた

《クロサキ医院》…病院を経営しているようだ

 

「今さらだけどいいの?」

「ほんとに今さらだな

 大丈夫だ

 ただいま」

 

そう言って一護さんは玄関を開けて入っていく

入るのが少しためらわれて立ち止まってしまう

そんな私を不思議そうに見て一護さんが入るように促す

 

「お邪魔します…」

「おう。そんなに緊張すんな」

 

おそるおそる玄関に入る

すると奥から賑やかな声が聞こえてくる

 

「お兄ちゃん帰ってきたみたい!」

「やっと一兄帰ってきたんだ」

「何‼︎一護が帰ってきたのか⁉︎」

 

靴を脱いで、廊下を歩きリビングのドアを開けた時、誰かが突っ込んできた

驚いてとっさに一護さんの背中に隠れた

それを一護さんが適当にあしらうと、明るい女の子の声が聞こえてきた

 

「ちょっとお父さん何やってるの?

 お兄ちゃんおかえり

 そちらの人が?」

「一兄遅い‼︎」

 

一護さんの背中から少しだけ顔を出す

視線が一護さんのお父さんから私に向く

 

「あぁ。電話で話した通り、しばらくこいつをうちに泊めたいんだけど

 いいよな?」

「私はいいよ」

「うん別にいいけど」

 

一護さんのお父さんは痛みでそれどころじゃないようだったけど

コクコク頷いて、全員が了承してくれた

 

「ほら」

 

一護さんが私に自己紹介するように促す

私は軽く頷いて、一護さんよりも半歩ほど前に出て頭を下げる

 

「院殿天…です

 よろしくお願いします…」

「天さん!遊子です!こちらこそよろしくお願いします‼︎

 ほら夏梨ちゃんも」

「私は夏梨。こちらこそよろしく」

 

遊子ちゃんは私の手を握って、笑顔で名前を教えてくれた

夏梨ちゃんは椅子に座りながら、

一護さんが返討ちにしたお父さんは突然ムクっと起き上がって

笑顔で私に近づいてきた

 

「俺は一護の父親で一心だ

 天ちゃん‼︎君は今日から私のむすーーーーッガ!」

 

勢い良く来て私に抱きつこうとした一心さんに驚いて

とっさに一護さんの背に隠れる

すると一護さんが今度は顔にパンチを入れた

 

「何してんだよこのエロ親父!天がビビってるだろ!」

 

一護さんそんな言葉も聞こえていないようで、

一心さんは痛みに顔を抑えて転げ回っている

そんな一心さんを無視して一護さんはテーブルに着く

遊子ちゃんも夏梨ちゃんも完全にスルーしていた

私はどうしていいかわからず、その場に立ち尽くす

 

「何やってんだよ

 こっちに来い」

「でも…」

「そこのひげダルマは気にしなくていいよ」

 

一護さんと夏梨ちゃんにそう言われテーブルに近づく

すると一護さんは椅子を引いて座るように促した

 

「じゃあ、あれは放っておいてご飯にしよ」

「あぁ、腹減ったしな」

「はい、これ天さんの分です」

「…ありがとう」

 

私の前にもカレーが置かれて、みんなが手を合わせる

 

「「「いただきます!」」」

「…いただきます」

 

ワンテンポ遅れて手を合わせてご飯を食べる

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

天も手を合わせて無言ではあるが、食べ進めている

遊子のカレーが気に入ったみたいだ

 

「天ちゃん、うちに泊まるのはいいんだが、

 家の人にはちゃんと言ってあるのか?」

「言ってないけど大丈夫…家には誰もいないから」

「えっ」

 

いつの間にか座っていた親父が天に聞くが、

天の答えにやばいと焦ったみたいで俺に耳打ちしてきた

 

「俺、聞いちゃいけないこと聞いちゃったか?」

「さぁな」

 

鬱陶しかったから適当にあしらう

すると余計に焦ったのかソワソワしだした

そんな親父には目もくれず夏梨が天に聞いた

 

「そういえば…一兄と天さんってどういう関係?」

「こいつの兄さんに世話になったことがあったんだ」

 

事前に打ち合わせていたように答えると天も小さく頷いた

夏梨は面白くなさそうに再びカレーを食べ始めた

勝手に彼女とか思ってやがったな…

親父は俺が言ったことになぜか安心したようだった

 

「そうなのか。

 なら天ちゃんのお兄さんに一護が世話になったと礼を言わないとな」

「その必要はないというか言えない

 兄さんはこの間死んだから…」

 

再び親父がやってしまったという顔をする

遊子や夏梨までまずいという顔になる

天が無表情のせいで余計に流れる空気が重くなる

そんなことはお構いなしに天は食べていた

三人は俺をジッと見てくる

その視線はどうにかしろと言っていた

 

「天、お前、好きなものはないのか?」

「好きなもの?」

「そうそう明日は天さんの好きなものにしよう‼︎」

「そうだな!歓迎会をかねてな‼︎」

「そうだね。天さんの好きなものは何?」

 

さっきの重い空気はどこかへ行ったようだ

天は隣で真剣に考えているみたいだった

しばらく考えたあと、口を開いた

 

「好きなものは特にない

 もし、食べたいものを作ってくれるなら

 遊子ちゃんの料理が食べたい」

「…え…?」

「遊子ちゃんが作った料理が食べたい」

 

予想外の答えに俺を含めてポカンとしてしまう

その反応が理解できないのか天は首をかしげている

 

「えっそんなのでいいの?

 天さんが食べたいものはないの?」

「…ない

 誰かが作ってくれる料理が食べたい

 イヤなら私が作る」

 

遊子は焦ったように両手を振り、作るといっていた

そんなこんなで時間が過ぎていった

 




今回もお読みいただきありがとうございます
次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後の29日を予定しています。

アルフレット

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