BLEACH 結界争闘篇   作:アルフレット

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二回目の週2回投稿です
第二弾は薫視点です
今回も最後までお読みいただけると幸いです

アルフレット


第二十九話~薫視点~

連絡用の弾を打ち上げてすぐ伊織と界人が来た

 

「いたのか⁉」

「あぁ…やっぱり葵は優秀だよ」

 

それから数分もしないうちに界人たちがやってきた

サラッと葵はお前ら(特に界人)と違って役に立つアピールをしてみたが不発に終わった

 

「お、いるいる‼でもあいつはどこに行こうとしてるんだ?」

「ここは廃寺みたいだね」

「何でもいい

 とりあえず捕まえるぞ」

 

仮面をつけて、院殿天に近づく

空中に大きな穴が開いていた

院殿天は振り返り、俺たちを見た

さすがの探知能力だ

 

「こんなところにいたのか

 ん?何だよあれ?」

「あれは…なるほどな

 間に合ったようだな」

 

自分を封印するつもりだったのか

でも今は関係ない

 

「どういうことだよ?」

「後で話してやるよ

 さぁ、俺たちと来てもらおうか」

 

よほど俺たちと来たくないらしく断界の入り口に向かって走ろうとする

伊織と界人に目配せをする

 

「っ‼」

「行かせないよ」

「捕まえた」

 

伊織で一瞬怯んだすきに界人が捕まえる

必死に抵抗しているが界人の手は緩むことがなかった

観念しておとなしくなったのかと思いきや

ポケットから小さな球体を取り出して地面に叩きつける

すると大きな音とともに大量の土埃が舞う

 

「逃げないでくれるかな」

 

そのすきに逃げようとしたが伊織に見つかって捕まえられる

そのまま伊織に鳩尾を殴られて気を失った

 

「おいおい…何だよ今の?」

「浦原喜助の発明品だろうな

 それより、伊織、ケガさせるなよ」

「大丈夫だよ。加減はしたから

 この程度では心配ないだろう」

 

たしかに殴るぐらいでケガさせられたら苦労しない

 

「ならいい

 さぁもうここには用はない。さっさと戻るぞ」

「なぁ、さっきのどういうことだよ?

 説明してくれよ」

 

いまだに院殿天が何しようとしていたのか界人はわからないらしい

あとの二人はわかっているようだが

界人を適当にあしらって地を蹴る

 

「自分で考えろ、戦闘バカ」

「何だと⁉おい、葵‼お前は教えてくれるよな?」

「えっ⁉」

 

話を振られると思っていなかったのだろう

困ったように俺と伊織の顔を見る

俺たちは肩をすくめて、好きにしろと伝える

葵は界人に説明し始めた

 

「あの断界はおそらく院殿天が自分を封印しようと開けたものだと思います

 そうすることで黒崎一護たちがこれ以上巻き込まれないようにしようとしたんでしょう

 ですよね?薫さん」

「たぶんそうだろうな

 さすがだな、葵は

 それに比べて界人は…」

 

俺と同じ考えでおそらくその通りのことをしようとしたんだろう

そのことを後輩である葵は気付いたのに先輩の界人が気付かなかったことを嘆く

 

「何だよ⁉戦闘は俺の方が強いからいいだろ⁉」

「戦闘以外は葵の方が上だね

 それってほとんどの部分で葵に負けてるってことだよ、界人」

 

開き直る界人に伊織が一発ぶちかます

界人は反論できずにうなった

 

「もういいだろう長居しすぎたサッサと帰るぞ」

「「了解」」

「何だよ…もう行くのか?今回は戦闘はなしかよ」

 

二人は素直に離脱の指示に従うのに界人だけは文句を言う

 

「俺たちの任務は院殿天を連れていくことであって戦闘が目的じゃない

 いい加減、それを素直に理解して受け入れろ」

 

文句をいう界人に対して文句を言う

そして俺たちは院殿天をわきに抱えて、離脱しようとしたとき後ろから斬撃が飛んできた

俺たちは難なく避け、斬撃が飛んできた方向を見た

界人が嬉しそうに言う

 

「この霊圧…アイツだ…‼」

「どうする?薫」

「仕方ない…さっさと片付けて戻るぞ

 これからも付きまとわれると厄介だからここで終わらせよう」

「「了解」」

「終わららせるのかよ…まぁいいや

 さぁ…今回はより楽しませてくれるよな…‼」

 

どうしてこんなに戦闘が発生するのだろうか

界人は嬉しそうで、根っからの戦闘狂だということを再認識した

 

「界人のやつ…本当にわかっているのかな」

「どうだか…戦闘は俺と伊織、界人でする

 葵、お前は院殿天を頼む」

「わかりました」

 

葵に院殿天を任せて俺たちは戦闘態勢に入った

斬撃の主は案の定、黒崎一護だった

形だけは戦闘態勢に入っているが雰囲気はそれとは全く違うものだった

 

「めんどくさいやつが来たよ…」

「界人さんやる気満々ですね…」

 

葵は引きつった笑みを浮かべながら言う

 

「お前は初めてだったか?任務でのあいつのあの顔を見たのは」

「はい…本当なんですね…」

 

完全に引いている

 

「界人、後輩に引かれてるよ~」

「無駄だろ獲物を見つけたあいつには何も聞こえてねぇよ

 あの戦闘バカにはな」

 

堂々と界人のことを馬鹿にする

すると聞こえていたのかいきなり振り返って大声で言う

 

「聞こえてるよ‼」

「ソレハワルカッタ」

 

めんどくさいので棒読みで返す

そうしている間に黒崎一護は来ていた

 

「そいつを返してもらおうか」

「やっぱり来たか…‼︎」

 

嬉しそうなのは界人だけだ

しばらく界人と黒崎一護がにらみ合う

そんな様子を俺たちはただ眺めていた

すると下から無数の矢と霊子の砲撃が飛んできた

 

「天ちゃん‼黒崎くん…‼」

「おぉ…援軍か」

「また面倒なのが増えた…」

 

俺たちはそれを難なく避けて下を見る

昨日と同じように石田雨竜と茶渡泰虎が攻撃を仕掛けてきた

 

「おい!石田‼あぶねぇだろ!」

「ふん 

 そんなところにいる君の方が悪い」

「何だと!」

 

どうやら相手も俺たちと同じように戦いの最中に言い合いとかするらしい

もっとも界人が関われば敵味方問わずだからあの二人の方がまだましだろう

 

「何だよあいつら?これから戦おうってのに」

「「お前が言うな」」

 

そんな界人が何してんだよと愚痴るから俺と伊織で突っ込む

葵は何言ってんだこいつって顔をしていた

そんな俺たちを知ってか知らずか界人は好戦的な視線を黒崎一護に向けていた

 

「なぁ、俺の相手はまたお前がしてくれるのか?黒崎一護‼」

「あぁ…‼いいぜ、相手してやるよ」

「昨日よりはマシなんだろうな…‼」

 

界人には戦闘を避けるという選択肢はないのか

俺が呆れてため息をつくと伊織は肩をたたいて頷いている

葵は同情の視線を送ってきた

二人は俺の考えに同感らしい

そんなことを思っている間に黒崎一護が卍解して二人の戦闘が開始した

ため息をつきながら眺めていると下から数本の矢が飛んできた

 

「何すんだよ、危ないだろう?」

「そんなことは知らない

 彼女を返してもらおうか」

 

石田雨竜たちも戦う気らしい

 

「黒崎一護の後に…」

「僕らは君たちに用があるんだ」

 

昨日と同じことを言おうと思ったら途中で遮られて昨日と同じことを言われた

 

「やるのか?仕方ないな…相手してやるか」

「頑張りなよ」

「お前もすんだよ

 後輩にかっこいいとこ見せとかないとな

 あいつの印象が強くて俺たちの印象までガタ落ちだ」

 

別に班の印象なんてどうでもいい

ただ伊織を戦闘に巻き込むための文句だ

自分だけ高みの見物はずるい

 

「薫一人でも十分だと思うよ」

「なら、お前ひとりでも十分だよな?

 昨日、あいつらとやり合ったわけだし

 それに昨日は俺、貧乏くじ引いたし」

 

敵を目の前にして互いに戦闘を押し付け合う

それをなぜか石田雨竜たちは黙って見ている

ついに後輩に止めに入られた

 

「もう二人で相手してくださいよ

 そうすれば平等じゃないですか」

「まぁまだマシか

 よし、じゃあ行くぞ

 お前は少し後ろに下がっていろ」

 

葵に言われると素直に従わないといけないような気がして俺たちは従う

葵が後ろの下がったのを確認してから向かい合う

 

「待たせたな

 別に律儀に待つ必要なんてねぇんだぞ」

「うるさい

 井上さん、少し下がってて」

 

女を下がらせていきなり攻撃を仕掛けてきた

石田雨竜の矢で誘導して茶渡泰虎の霊子砲で俺たちをたたく

そんな作戦らしい

でも、それを成功させるためには俺たちが避けなければならない状況を作り出さないといけない

俺たちはただ壁を作りそれで避けもせずに受け止めていた

しかし、茶渡泰虎の一発は協力で壁にひびが入るほどだった

 

「おっとあぶねぇ…これは面倒だな

 一気にかたをつけるか」

「そうだね…このままだと時間かかりそうだし」

 

相手が勝手につぶれてくれるのを期待していたがなかなかタフだ

少し離れたところでは界人がかなり盛り上がっていた

矢を避けながら界人に言う

 

「やっぱり、おまえ、最高だ‼どんどん強くなっていく…‼

 殺すのがもったいない」

「おい‼そろそろ終わらせろよ」

 

このままだといたぶり続けて無駄に長く戦いかねないから水を差す

少し冷めたみたいで作戦成功だ

 

「わーってるよ‼お楽しみの邪魔すんな」

「ハイハイ…こっちももう終わらせるからお前も終わらせろ」

 

文句を言われたがもう大丈夫だろう

 

「というわけで、さっさと終わらせてしまおうか」

「っ‼」

 

今まで防御に専念していたのを止め、攻撃に転じる

一気に近づき、それぞれの懐に入る

 

「なっ‼」

「っ‼」

 

逃げる暇さえ与えず腹を殴りつける

 

「ぐっ‼」

「がはっ‼」

 

十メートルほど先の岩を硬化し、そのまま二人をそれにぶつける

それでも立ち上がろうとする

 

「あれを食らっておいてまだ動けるのか…」

「頑丈だね」

 

俺たちは素直に感心する

しかし、もう戦うことは無理だろう

そのまま背を向けて葵のもとへと戻ろうとしたときチラッと界人の方を確認するとちゃんと終わらせていた

少し葵に近づいたところで院殿天の異変に気付く

 

「葵‼そいつを離せ‼

 お前らあいつから離れろ‼」

 

慌てて葵に声をかける

そのまま全速力で葵のもとに行き、院殿天から離す

 

「現れろ…止水」

 

起きないだろうと思い込んでいた、最も恐れていたことが起きた




今回もお読みいただきありがとうございます
次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後ではなく4日後の13日を予定しております。

アルフレット

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