BLEACH 結界争闘篇   作:アルフレット

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久し振りの薫視点登場です
筆が普段の2倍ぐらい早く進みました‼
それでは今回も最後までお読みいただけると幸いです

アルフレット



第二十八話

俺たちは院殿天を連れ帰るためにまた浦原喜助の家に来ていた

 

「誰もいないんじゃねぇか…これ」

「たしかに…人気、全くありませんね」

 

界人はめんどくさそうに言う

今回から加わった葵は残念そうに言う

本当に予想外だ

あの界人の攻撃で無傷とは考えられず、まだ寝ているだろうと踏んでここに来たのにもぬけの殻だ

 

「だが、誰もいないとなると…もしかしたら院殿天がどこかに行ったのかもしれないな

 とりあえず探すぞ」

「そうだね…霊圧もバラバラだから薫の言う通りかも

 でもどうやって探す?」

 

黒崎一護の居場所ならすぐにわかる

院殿天の居場所となると骨が折れそうだ

 

「そうだな…

 とりあえず黒崎一護やその他の院殿天についていたやつを念のために一緒にいないか見るか…

 いなければおそらく人目につかないところにいるはずだ」

「人目につかないところってどこだよ?」

 

自分で考えろと思うが今ここでそれを言うと先に進まないような気がするから黙っておく

 

「例えば山、森…とか」

「たしかにそうですね

 ケガをしているはずですからそんなに遠くに行ってないのでは?」

「葵は界人と違って優秀だね

 いっそのこと葵と界人を入れ替えようか、薫?」

「そうだな、たしかに界人より葵の方が任務がはかどりそうだ」

 

葵の方がしっかりしているし、戦闘バカの界人より使いやすい

戦闘力で見れば界人の方が上だが、葵でも十分足りる

 

「何でだよ⁉」

「自分の胸に手を当ててみろ

 すぐに答えがわかるだろうよ」

 

界人の相手をするのがめんどくさくなって適当にあしらう

 

「じゃあ、院殿天の捜索、始めるぞ

 二人一組で探す

 組み合わせは俺と葵、伊織と界人な

 伊織、界人が暴走しないように頼むぞ」

「何で僕が…わかったよ」

 

界人のことを押し付ける

伊織は嫌そうな顔をしながらも引き受けてくれた

 

「よし、じゃあ半刻後にここに集合

 見つけた場合は弾を上げろ」

「「「了解」」」

 

とりあえずの指示を出す

一つ、言い忘れに気付く

 

「それと、界人!合流するまで戦闘禁止な」

「わーったよ」

 

いつも通り本当にわかっているのかは微妙だがそれを突き詰めているわけにはいかない

何としても黒崎一護たちより先に見つけなければ

 

「よし、院殿天の捜索開始だ」

 

俺の号令で二手に分かれて探す

 

「あのう…いつもこんな感じなんですか?」

「何が?」

 

別れてからしばらく経った時、葵が訊いてきた

 

「ゆるいというか…緊張感がないというか…」

「あぁ…そうだな

 いつもこんな感じだ」

 

どうやら俺たちの任務に対する姿勢に疑問を持ったようだ

他の奴らはどうか知らないが昔から一緒にいることが多かったせいか任務に対する緊張感が欠けている自覚はある

それでもこの雰囲気に助けられたこともたくさんある

 

「それより昨日、お前が来たのには驚いたぞ」

「そうですね…まだあまり外で仕事はしてませんから」

 

何か長から連絡があるときはカラスであることが多い

それでも昨日はカラスではなく葵が来た

 

「まあ…昨日は本当に大変だったな」

 

昨日のことを思い出す

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

葵が四楓院夜一と戦闘中に来て伊織や界人を連れて村に戻る

村に帰るといたるところで煙がくすぶっていた

 

「何だよこれ…」

「これはまずいね」

「長‼長‼どこにいるんですか?」

 

まずは事情を知るために長を探す

呼びながら村の中を歩き回る

すると見覚えのあるものが見えた

 

「虚⁉何でここに⁉」

「とりあえず倒すぞ」

 

虚を倒していく

少し奥に行ったところには俺たちとは別の班が戦闘にあたっていた

全ての虚を倒し終えて一息ついていると奥から声が聞こえる

そこに向かう長と村の皆がいた

 

「長‼これは何事ですか⁉」

「おぉ、薫に伊織に界人か

 わからん…急に虚を入れておいたものが壊れてこの有様だ

 村はこんなことになってしまったが誰一人として失わずに済んだのは不幸中の幸いだろうか…」

 

とりあえずけが人だけで済んだらしい

あれだけの虚が逃げ出しておいて死人が出なかったのは奇跡だろう

 

「とりあえずご無事で何よりです」

「うむ、よく戻ってきてくれた

 それと葵、薫たちを呼び戻してくれてありがとう」

「い、いえ‼当たり前のことをしたまでです」

 

長に礼を言われてこうも慌てる奴はあまりいないだろう

実際、葵は褒められるだけの働きはした

俺たちが帰ってこなかったらどうなっていたかわからない

 

「何か褒美を…」

「あの…本当にそのようなものは…」

 

どこまでも恐縮しまくってる

そんな姿を見ているといじめたくなる

 

「へぇ…お前は長からのご褒美はもらえないのか?

 いいご身分になったな」

 

俺の悪乗りに界人たちものってくる

 

「長からのものを断るってことはお前は長より偉くなったんだな

 知らなかったぜ」

「こら界人、なんという口のきき方

 申し訳ありません、葵様、無礼をお許しください」

 

慌てふためいている様子は見ていてとても楽しい

この場にいる誰もが俺たちの悪ふざけを止める気がないようだ

みんな楽しそうに眺めている

 

「やめてください、皆さん‼

 長も笑ってないで止めてください‼

 本当にご褒美なんていりませんから

 で、ではその代わりにひとつ、お願いを訊いていただけませんか」

「すまない…お願いとは何だい?」

「村の外に出て仕事がしたいんです」

 

どこまでいっても真面目な奴だ

 

「あぁ…それは別に構わないがそんなことでいいのか?」

「はい‼お願いします‼」

「なら俺の班に加われよ

 いいですよね、長?」

 

必死で頭を下げている葵を見ながら言う

長も笑顔で何回も大きく首を縦に振っている

 

「いいとも‼」

「えっ…いいんですか?」

「俺たちは別にいいんだよ

 お前はイヤか?」

 

葵は首が取れそうなくらい横に振っている

そして、葵は正式に俺の班に入ることになった

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

横に並ぶ後輩はとてもいい奴だ

少し真面目すぎるが戦闘狂(バカ)がいるこの班にはピッタリだろう

 

「ん?」

「どうしたんだ?」

 

葵は立ち止まり、指をさしながら言う

 

「あれじゃないですか、院殿天」

「そうだな…急いで弾を上げるぞ」

 

たしかにそこには階段を上っている院殿天の姿があった

葵に連絡用の弾を打ち上げてもらい、界人たちを呼ぶ

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

懐かしい気配を感じて振り返ると仮面をつけた男が四人いた

薫さんたちだ

もう一人増えているが誰かわからない

思わず立ちつくしてしまう

 

「こんなところにいたのか

 ん?何だよあれ?」

「あれは…なるほどな

 間に合ったようだな」

 

界人さん以外の三人は私が何する気だったのかわかったようだ

この状況を見れば一目瞭然だろうから驚きはない

界人さんがわからなかったこと以外は

 

「どういうことだよ?」

「後で話してやるよ

 さぁ、俺たちと来てもらおうか」

(やっとここまで来たのに…もう少しだったのに…

 こうなれば力ずくでも)

 

もともとすぐに閉じるように開けた断界の入り口はもう閉じかけていた

数メートル先にある閉じかけている断界の入り口に向かって走る

しかし、四人のうちの一人が立ち塞がった

伊織さんだ

 

「っ‼」

「行かせないよ」

「捕まえた」

 

伊織さんに気を取られているすきに界人さんに手をつかまれた

逃れようと必死で抵抗する

力が緩むことはない

苦し紛れに浦原さんからもらっていた小型爆弾を地面にたたきつける

大きな爆発音と地面で爆発したことによって土埃がたつ

そして界人さんが怯んだすきに逃げる

 

「逃げないでくれるかな」

 

しかし、またすぐに次は伊織さんに手をつかまれた

そして鳩尾を殴られ、意識が深い闇に飲まれていった

 




今回もお読みいただきありがとうございます
次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後の11月7日を予定しております。

アルフレット

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