BLEACH 結界争闘篇   作:アルフレット

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投稿済みの小説をこの間初めて読みました
投稿する前までは何回も読み直したりするのですが、投稿してしまうと何だか恥ずかしくて読む気になれなかったのですが、この間恥ずかしさを乗り越えて読みました
感想は…驚きましたね…
自分でも忘れていた設定がかなり…
今、少しスランプ気味ではありますがそれなりにストックがあり安心していたところに今回の忘れていた設定が…
書き直しが必要となりました…
これからの話を書き直すつもりですが、投稿済みの方を変える場合もあります
そんなに大きく変えるつもりはないので、もしこれからの話であれ?と思った方はお手数ですがその場面を探し出し、確認してください
よろしくおねがいします

前書きが長くなってしまいましたね
それでは今回も最後までお読みいただけると幸いです

アルフレット


第二十六話

「…ん」

「黒崎くん‼」

 

井上の声にゆっくり目を開ける

するとそこには心配そうな顔をして俺の顔を覗き込む井上の姿があった

体を起こして周りを見るとチャドと石田がいたが、天の姿が見えない

 

「天は⁉無事なのか⁉」

 

全員顔を下に向け、誰も答えない

最悪の結果が頭をよぎる

すると浦原さんと夜一さんが入ってきた

 

「天サンは無事ですよ

 今は別室で寝ています」

 

腰をおろしながら答えてくれる

連れていかれていないことにホッとした

その一方で井上たちの浮かない顔が気になる

 

「何かあったのかよ?」

「天ちゃんがまだ目を覚まさないの」

「は?」

 

まだ目を覚まさない

井上の言葉に一瞬思考が止まる

外を見ればもう暗くなっていてあれからもうかなり経っているようだ

それなのにまだ目を覚まさないということはかなりまずいんじゃないか

 

「ケガしてるのか?」

「ケガはそれほどひどくないんですが

 会いに行きますか」

 

そう言って立ち上がり部屋を出て行くあとを俺たちはついて行き、天が寝ている部屋に行く

部屋に入るとそこには生気のない顔で眠る天の姿があった

いたるところに包帯がまかれていて痛々しい

 

「大丈夫なのかよ?」

「正直、わからん」

「天サン次第でしょうね」

 

沈黙が俺たちを包む

もう一つ気になっていたことを訊く

 

「仮面集団は?」

「撤退していきました」

「そうか…」

 

完全にあいつを護り切ることができなかった

あいつらが撤退しなければきっと天は連れていかれていただろう

そのことが俺の心に重くのしかかる

 

「今日はどうしますか

 このまま家に泊まっても構いませんが」

「そうだな…一人で帰る気にもなれねぇし…」

 

俺だけ家に帰るのは気が引け、浦原さんの言葉に甘えることにする

井上たちはどうするのかと思い見る

 

「なら私も…」

「井上さん、彼女のことは黒崎に任せて僕たちは帰ろう

 あまりたくさん人がいても仕方ないだろ」

「でも…」

「井上たちは帰れよ

 俺が天のそばについとくからよ」

 

井上は残ろうとするがそれを石田が止めたことで俺も止める

それでも渋る井上を説得してチャドと石田と共に帰ることになった

 

「気をつけてな」

「黒崎くん…天ちゃんのことお願いね?」

「おう、任せとけ」

 

心配そうな井上に安心させるように答える

 

「それでは皆サン、気をつけて帰ってください

 おそらくないと思いますが、念のために仮面集団には特に注意してください」

「わかりました」

 

チャドと石田は残りたそうな井上を連れて帰って行った

三人の背中が見えなくなり、俺たちは部屋に戻る

部屋に戻るや否や浦原さんが口を開いた

 

「今日はお疲れでしょうから、もう休んだらどうっスか?」

「いや、大丈夫だ

 俺は天のそばにいる」

「そうっスか…それでは、天さんのことは黒崎さんに任せることにしてアタシたちは別の部屋で休むことにしましょうか」

「そうじゃの」

「では黒崎サン、天サンが目を覚ましたら声をかけてください」

 

そういうと二人は部屋から出て行った

天だ寝ている枕元に座り、天の生気のない寝顔を眺める

 

(護るって言ったのにな)

 

心に浮かんでくるのは後悔の念だけだ

結果的に言えば護ることができたかもしれない

それでも自分の力が足りないせいで天を完全に護り切ることはできなかった

頭を振り、切り替える

 

(今、こんなこと考えても仕方ねぇ

 こいつを護りきるために強くなるだけだ)

 

そう改めて思い、天の寝顔を眺める

 

いつの間にか眠ってしまっていたようだ

ふとんの方を見るとそこには天の姿がなく慌てて顔を上げると窓に座る人影があった

 

「天?」

 

思わず名前を呼ぶとその人影がゆっくりと振り向いた

月明かりがそれを照らし、天の顔がはっきりと見えた

 

「起こした?」

「いや…大丈夫なのか?」

「大丈夫…」

 

何もなかったように訊いてくるのに驚きながら天に尋ねる

大丈夫というがいたるところに包帯がまかれていて大丈夫そうには見えなかった

天にゆっくりと近づく

 

「身体、まだ痛むだろ?」

「少しだけ…一護さんは?」

「俺は平気だ

 井上が治してくれたからな」

 

俺がそう答えると天はホッとしたように呟く

 

「よかった…」

「何がだ?」

「一護さん、生きてる…」

 

こいつは自分がこんな状態になっても自分より他人の心配をするのか

そんな姿に呆れを覚える

家に帰らなくていいのかとそんなことまで心配する

 

俺たち(他人)のことばかり…自分の心配をしろよ)

 

「まだ寝といた方がいいんじゃないのか?」

「大丈夫…」

「そうか…

 俺は浦原さんたちにお前が起きたことを伝えてくる」

 

俺はそう言うと空に背を向け、部屋を出て浦原さんたちがいる部屋に行く

ふすまを開けるとお茶を飲んでいる二人がいた

 

「天が目ぇ覚ましたぞ」

「分かりました」

 

そう言うと二人は立ち上がり、天のいる部屋へと向かう

俺はそのあとを追う

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

目を開ける

 

(ここは…浦原さんの家…?)

 

そこには一週間ほど前に見た天井が見えた

きっと浦原さんと夜一さんが連れて来てくれたのだろう

部屋の中は暗かった

まだ鈍く痛む身体をゆっくり起こす

自分の身体を見るといたるところに包帯が巻かれていた

窓の外に目を向けると空には薄い雲がかかっていた

ふと横をみると一護さんが座りながら寝ていた

ずっとそばにいてくれたようだ

一護さんを起こさないようにゆっくりと布団を抜け、窓に腰掛ける

雲が晴れてきて月が顔を覗かせる

 

「天?」

 

一護さんを起こしてしまったようだ

空に向けていた目を一護さんに向ける

 

「起こした?」

「いや…大丈夫なのか?」

「大丈夫…」

 

月明かりが少し驚いたような一護さんの顔を照らし出していた

ゆっくりと一護さんが近づいてくる

私はその場から動くことなく一護さんがこっちに来るのを待つ

 

「身体、まだ痛むだろ?」

「少しだけ…一護さんは?」

「俺は平気だ

 井上が治してくれたからな」

 

たしかに一護さんの身体に界人さんと戦っていた時にできたはずのケガはない

何事もなかったように立っている

 

「よかった…」

「何がだ?」

「一護さん、生きてる…」

 

あの時、地面に叩きつけられたのを見て怖かった

でも、今目の前にいる一護さんは何事もなかったように立っている

一護さんは呆れながら言う

 

「自分の心配しろよ…

 まぁ悪かったな…心配かけて

 お前も連れて行かれなくてよかったよ」

「ん…」

 

私もたくさん心配をかけたんだろう

もう一度窓の外を見る

その時ハッと気付き、一護さんを見る

 

「帰らなくていいの?」

「ん?大丈夫だ今日は帰らないと伝えてある

 遊子は残念がってたけどな」

「そう…」

 

今日はこのまま浦原さんのところに泊まるらしい

 

「まだ寝といた方がいいんじゃないのか?」

「大丈夫…」

「そうか…

 俺は浦原さんたちにお前が起きたことを伝えてくる」

 

そう言うと一護さんは部屋を出て行った

その背を見送り、また空に目を向ける

 

「薫さんたちは大丈夫かな…」

 

しばらく薫さんたちに思いを馳せながら月を眺める

きっと一護さんが実は仮面集団も私の大切な人たちだということを知ったらあの顔がもっと苦しそうになるんだろう

そうしているとふすまの開く音がした

 

「目が覚めましたか

 無事でよかったっス」

「心配したんじゃぞ‼」

「ごめんなさい…」

 

夜一さんに詰め寄られてとりあえず謝っておく

 

「ケガの治療、しますか?」

「このままでいい」

 

どうせすぐにいなくなるつもりだ

私なんかの治療の労力を費やす必要はない

 

「とりあえず布団に戻ってもらえますか」

「何で?」

「何でもじゃ」

 

夜一さんはそう言うと私の体を抱き上げてふとんに寝かせる

 

「まだケガも治っていませんから寝てください」

「眠くない」

「寝るんじゃ」

 

寝るように言われても今まで長時間寝ていたせいかあまり眠くない

寝たくないと抗議するが夜一さんに叱られる

仕方なく目を閉じると心地よいぬくもりが頭をなでてくれる

するとだんだん眠くなってきて、意識が落ちて行った

 




今回もお読みいただきありがとうございます
一護視点が少し雑になってしまったような気がしますが…
お許しください

次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後の23日を予定しております。

アルフレット

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