BLEACH 結界争闘篇   作:アルフレット

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特訓回です
前回同様、大目にみてください
それでは今回も最後までお読みいただけると幸いです

アルフレット


第十九話

夜一さんの後に続いて歩く

すると地下に続く梯子がかかった穴についた

その穴を覗き込むとかなり広い部屋と言うか運動場のようなものがあった

 

「この梯子で降りるの?」

「まぁ…そうじゃが

 少し、じっとしとれ」

「えっ⁉」

 

いきなり夜一さんに抱えれた

 

「しっかりつかまっとくんじゃぞ」

「っ‼」

 

そのまま夜一さんは穴のなかに落ちていった

思わず目を瞑り、夜一さんにしがみつく

 

「ほれ、着いたぞ」

 

夜一さんに言われて目を開けると

そこにはゴツゴツした岩場が広がっていた

夜一さんに下ろしてもらい、自分の足でたつ

 

「天サン、起きたんスね

 今、休憩中ですから黒崎サンと話しても大丈夫っスよ」

「…無理」

 

浦原さんにそう言われて一護さんたちの方を見ると

織姫さんは心配そうに皆を見ていたが、他の三人は疲れ果てていてとても話せる状態には見えなかった

とりあえず一護さんの顔を覗きこんでみる

顔は汗だくで息も上がっている

肩をそっとつついてみる

 

「ん?天か…どうしたんだ?」

「大丈夫?」

「大丈夫に見えるかい⁉これが…‼」

 

見えない…

石田さんは一護さんよりも辛そうだった

茶渡さんは汗だくだが二人よりも平気そうに見える

 

「茶渡さんも辛い?」

「…問題ない」

 

茶渡さんは静かに大丈夫だと答えてくれた

 

「辛いならやめた方がいい

 私なんか放っとけばこんなことしなくて済む」

「別にやりたくないわけじゃねぇよ

 好きでやってんだ」

 

好き好んで辛い思いをする必要なんてない

一護さんは浦原さんに続きをしようぜと言って特訓の続きが始まった

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

もうかれこれどれくらいしただろう

最初よりは見切れるようになったがかなり辛くなってきた

すると突然人形の動きが止まった

 

「止まったみたいっスね

 では少し休憩しましょうか」

 

そんな浦原さんの声が聞こえたと同時に倒れこんだ

周りを見るとチャドは座り込み肩で息をしていた

石田は…死んでいた

目を閉じて、息を整えようと意識する

 

「ほれ、着いたぞ」

「天サン、起きたんスね

 今、休憩中ですから黒崎サンたちと話しても大丈夫っスよ」

「…無理」

 

天が降りてきたようだが、起きる気になれない

そのままじっとしていると肩をつつかれた

目を開けると天の顔が見えた

 

「ん?天か…どうしたんだ?」

「大丈夫?」

「大丈夫に見えるかい⁉これが…‼」

 

石田の怒ったような声が聞こえる

天は大丈夫だと思えなかったのか何も言わずに視線をチャドに向けてチャドに辛いかと訊いていたがチャドがこれくらいで音を上げるわけもなく大丈夫だと答えていた

 

「辛いならやめた方がいい

 私なんか放っとけばこんなことしなくて済む」

「別にやりたくないわけじゃねぇよ

 好きでやってんだ」

 

こいつはまだこんなことを言うのか…

これ以上話しても今の俺では意味がない

 

(こいつに色々文句を言うのは強くなってからだ)

 

そう思い、浦原さんに声をかける

 

「続きしようぜ」

「ちょっと待て黒崎

 いくら何でも…」

「ならお前は休んどけよ」

 

グチる石田を適当にあしらって浦原さんに人形を動かしてもらい、特訓を再開する

チャドも動かしてもらい特訓を再開した

石田も何か言いながらも再開した

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

私は少し離れたところから夜一さんと織姫さんとその特訓の様子を見る

 

「どうじゃ?さすがのお主でもこの特訓はきつかろう?」

 

一護さんはひたすら早い攻撃をよけ、反撃する特訓

茶渡さんは素早い敵に攻撃を当てる特訓

石田さんは浦原さん相手に実戦をしていた

一護さんと茶渡さんの相手をしている人形みたいなものは浦原さんの発明品だろうか

 

「たぶん一護さんと茶渡さんのは私でも簡単にできる

 でも、浦原さんとの実戦はきつい」

「天ちゃんそんなに強いの!?」

 

織姫さんが驚いたように声を上げる

 

「強くない…相性の問題」

 

一護さんや茶渡さんが特訓しているくらいの速さなら見切れる

攻撃をかわすこともできるし、当てることもできる

速度重視の相手は私にとって得意な相手だ

 

「まぁ…そうじゃな

 その戦い方は皐月譲りか」

「だと思う

 戦い方の師匠は母さんだから」

 

母さんが生きていた時は母さんから戦い方を学んだから同じような戦い方になってしまった

母さんがいなくなってしまってからは力重視の兄さんとしていたから厳密にいうとあの時とは戦い方少し変わった

 

「皐月と遊んだときは楽しかったのぅ…」

「夜一さんと母さんは似てる…戦い方が」

 

夜一さんも速度重視だったはずだ

昔、母さんが言っていたような気がする

 

「ねぇ…いつまで続くの?」

「さぁの気が済むまでか、動けなくなるまでじゃろう」

 

織姫さんも苦笑している

 

「ねぇ…天ちゃんは戦わないの?」

「戦わないんじゃなくて戦えない」

 

織姫さんは首をかしげる

意味がわからないらしい

 

「今、私がここで義骸を脱げばたぶん仮面集団にこの場所がばれる

 だから義骸を脱げない」

 

織姫さんは少しわかったのか曖昧にうなずいていた

その様子を見てから再び一護さんたちの特訓に目を向ける

かなり辛そうで動きも鈍ってきていた

私と織姫さんと夜一さんは次の休憩で皆に渡すための飲み物を取りに上がった

 

再び人形みたいなものが止まるまで数十分かかった

その間、一護さんたちは戦いっぱなしだった

 

「かなりの荒行…」

「浦原さんの修行はいつもこんな感じだよ…」

 

織姫さんが苦笑しながら答えてくれる

倒れ込んでいる一護さんたちのもとに飲み物を持って行く

 

「大丈夫?」

「ん?あぁ…大丈夫だ」

 

一護さんの顔を覗き込みながら訊くと息を切らしながら答えてくれた

浦原さん以外は肩で息をしていて汗だくだった

 

「はい」

「ん?ありがとな」

 

一護さんたちに飲み物を渡す

浦原さんは息すら切らさずにそこに立っていた

 

「浦原さんは…平気そう…」

「ハイ!まだまだいけますよ」

 

本当に元気そう

 

「じゃあ、飲み物いらない」

「どうしてっスか⁉」

 

少し浦原さんに夜一さんに教わった通り嫌がらせをしてみる

夜一さんは楽しそうにニヤニヤしていた

 

「だって顔にいらないって書いてある」

「書いてませんからアタシにもくださいよ」

 

さすがにこれ以上いじわるをするのはかわいそうに思えて渋々飲み物を渡す

皆が飲み物を飲む様子を少し離れたところから眺める

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

特訓を再開したのはいいが正直もうきつい

始めよりは見えるようになったが疲労のせいか体が動かなくなってきた

それでも体に鞭打って動かす

 

(まだ…まだだ…‼)

 

そしてようやく人形が止まり地面に倒れ込む

チャドのも止まったようで岩にもたれるように座り込んでいた

目を閉じて呼吸を整える

すると天が顔を覗き込んできた

 

「大丈夫?」

「ん?あぁ…大丈夫だ」

 

正直、大丈夫ではないが心配させないように大丈夫だと言いておく

すると次は目の前にペットボトルが差し出された

 

「はい」

「ん?ありがとな」

 

天が差し出してくれたペットボトルを開けて飲む

熱がこもっていた体が一気に冷めていく感じがした

周りを見るとチャドたちももらって、飲んでいた

しかし浦原さんには配ろうとしない

 

「浦原さんは…平気そう…」

「ハイ!まだまだいけますよ」

「じゃあ、飲み物いらない」

「どうしてっスか⁉」

 

どうやら浦原さんに嫌がらせをしてるみたいだ

後ろで夜一さんが楽しそうにニヤニヤしている

おそらく夜一さんの入れ知恵だろう

 

「だって顔にいらないって書いてある」

「書いてませんからアタシにもくださいよ」

 

もう十分楽しんだのか浦原さんにも飲み物を渡していた

そんな天の姿を見るのは初めてで新鮮だった

そんな姿を見て和む

 

「それでは、今日の特訓はここまでにしましょうか」

 

浦原さんの一言で今日の特訓が終わった




今回もお読みいただきありがとうございます
勉強部屋での特訓でペットボトル飲料が出てくるとは思えませんが、そこは突っ込まないでください
作者も理解しております。

次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後の28日を予定しております。

アルフレット

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