BLEACH 結界争闘篇   作:アルフレット

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初めてのほのぼの回のつもりです
難しいですね…
今回も楽しんでいただけると幸いです

アルフレット


第十四話

次の日、私の願いが通じたのか快晴だった

作ったお弁当を持って一護さんと待ち合わせ場所に向かう

するともうそこには織姫さんや茶渡さん、石田さんがいた

 

「遅いぞ、黒崎」

「遅いってな…まだ集合時間前だろ‼」

 

早速二人は火花を散らしている

 

「おはよう‼天ちゃん!」

「おはよう」

「…おはよう」

 

私はそんな二人を無視して織姫さんと茶渡さんと挨拶を交わす

 

「あとは…浦原さんたちだけだね」

「浦原さんたちも来るの?」

「うん!昨日の夜連絡したら一緒に行きたいって」

 

少し安心した

一護さんたちとだけじゃ昨日のことがあったから不安だったけど

浦原さんたちが来てくれるなら少しは安心できた

 

「それにしても遅いな

 もう時間だぜ」

「そうだね…どうしたのかな」

 

もうあと数十秒で時間となるとき向こうから飄々とした声が聞こえた

 

「お待たせしました!」

「おせぇよ浦原さん」

 

ようやく浦原さんが来た

でも夜一さんがいない

夜一さんを探してキョロキョロしていると

浦原さんが持っているカバンの中から声がした

 

「天、ここじゃ」

 

カバンの中を覗き込むとそこには黒猫姿の夜一さんがいた

 

「どうじゃ?驚いたじゃろ?」

「どうして猫の姿なの?」

 

疑問に思ったことを聞いてみる

 

「それはのぅ…この姿じゃと交通費がうくからじゃ」

 

なるほど

少しでも節約するために猫の姿で浦原さんのカバンの中に隠れているのか

夜一さんはいたずらっ子のような笑みを浮かべているように見えた

 

「じゃあ、全員揃ったから行こう‼︎」

 

織姫さんの号令で駅へと向かう

私も切符を買おうとした時、浦原さんが

 

「天サンの切符はアタシが買いますから」

「自分の分は自分で買う」

「ここは素直に甘えとくもんじゃぞ」

 

私が浦原さんと話してる間に浦原さんは私の分の切符まで

買ってしまったようで横から切符を差し出される

それを受け取ると満足そうに改札に向かった

そのまま電車に乗り込み、30分ぐらい揺られていると目的地の最寄駅に着いた

その間、夜一さんはカバンの中でモゾモゾ動いていて

ばれないかハラハラしたが、

バレることなく降りることができた

その駅から徒歩で数分、

そこには大きな広場があってたくさんの親子連れやカップルがいた

 

「着いた‼︎」

「ここ?

 人がたくさんいる」

「まぁ、今日は日曜の上にこんだけ天気が良ければ人は多いだろ」

 

こんなに人が多いところにきたのは久しぶりだ

ずっと他人を巻き込まないために人の多いところは避けていた

皆は広場の中に入って行く

私は皆より少し遅れながらついて行き、周りを見回す

人が多すぎてあまり落ち着かない

そう思いながらついていくと先ほどよりも人の数が少ないところへ出た

そこの木の下で皆はレジャーシートを手早く敷く

私は辺りを見回して、人の数が減ったことでさっきよりも落ち着いていた

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

広場に着いた

やはり天気のいい日曜ということもあって大勢の家族連れやカップルがいた

 

(今日は人が多いな)

 

辺りを見回すとキョロキョロしている天が視界に映った

 

(人が多すぎて落ち着かないのか?)

 

不安そうな顔をしてキョロキョロしている

今までひっそりと暮らしてきただろうから無理もないけど…

そんな天のことを気にかけながらも広場の中へと入って行く

 

「どこにレジャーシート広げようかな?」

「そうだな…もう少し人気のないところがいいだろうな」

 

井上がどこがいいか見回しながら聞いてきたから天を見つつ答えると

俺の言いたいことがわかったのかそうだねと頷いた

それからさっきの広場より少し奥の方へ行くと静かでいい場所があったから

そこにレジャーシートを敷くことにした

広げながら天の様子を確認するとさっきよりも落ち着いているようだった

やっぱり人が多いと落ち着かないらしい

シートを広げ終わるとどかっと座った

天はというと木々の間から見える通ってきた大きな広場を見つめていた

その視線はうらやましそうに寂しそうに見えた

 

「天、そんなとこに突っ立ってないでこっちに来んか」

「うん」

 

いつの間にか人の姿に戻っていた夜一さんが

そんな天の様子を無視して声をかけるとすぐに来た

シートの端にちょこんと座っている

 

「そんなところに座ってないでもっとこっちにおいでよ

 ご飯食べよ」

 

井上が呼ぶと靴を脱いでゆっくりとこっちに来た

公園に来たら飯の時間になるように来た

弁当は俺と浦原さんが持ってくることになっていたから

俺は遊子に作ってもらったお弁当を開ける

…いつも遊子が作ってくれる弁当と違う気がする

 

「ん?」

「どうしたの?黒崎くん」

「いつもの遊子が作ってくれる弁当と違う気がするんだよな」

「それは当たり前」

「なんでだよ?…まさか」

「今日のお弁当は私が作った」

 

驚いた

周りを見ても全員が目を見開いている

こいつでもそんなことするのか

まさか作ってくれると思わなかった

 

「何?」

「い、いや何なんでもねぇよ?」

「?」

 

こいつ…首をかしげてやがる

そんなに俺たちが驚くことが不思議なのか

それとも本当に俺たちが驚いている訳がわからないのか

もうどっちでもよくなってきた

シートの上に天が作った弁当を広げる

色とりどりでとても美味しそうだ

浦原さんが持ってきた鉄裁さんが作ったであろうものも美味しそうだった

飲み物担当のチャドが持ってきたジュースが全員に配られて昼飯が始まった

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

久しぶりに誰かのためにお弁当を作った

内心ドキドキしながらそれでも表面上は

気にしていない振りをして皆の感想を待った

 

「美味しい!!」

「よかった…」

 

皆美味しそうに食べてくれる

照れくさく思いながらも私も口に運ぶ

我ながら上手く出来たと思う

 

「でも何で、お前が作ることになったんだよ?

 昨日、俺は遊子に頼んだぜ」

「昨日、遊子ちゃんが聞いてくれた

 

 『お兄ちゃんに明日皆でピクニックに行くから

  お弁当を作ってほしいって言われたんだけど

  何か入れてほしいものある?』

 

 ってだからそれなら私が作るって言った」

 

一護さんは少し驚いていたがそうかとうなずいた

自分で作るといいながらもほとんど、

昨日の夕食の残りをアレンジしたものばかりだから

半分以上遊子ちゃんが作ったも同然だ

それでも美味しそうに食べてくれる様子を見ると嬉しかった

 

昼食を食べ終わると織姫さんが勢いよく立ち上がって

自分の荷物の中からバドミントンセットを取り出して

私の手をつかんで立たさせた

 

「ねぇ、天ちゃん!バドミントンやろ!!」

「え?」

「ほら!早く!!」

 

織姫さんに引っ張られて靴を履く

そしてラケットを持たされ、背中を押される

 

「天ちゃんはそこに立っててね

 バドミントン、やったことある?」

「ないけど知ってる」

「教えなくても大丈夫?」

「大丈夫」

 

これだけ長い間こっちで生活していたからどんなスポーツかはわかる

やるのは初めてだけど何とかなるだろう

 

「じゃあいくよ~」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

天と井上は少し離れたところでバドミントンを始めた

初めてらしい天は最初こそ苦戦していたが、

すぐにコツを掴んだのかラリーが続くようになっていた

そんな様子を俺たちは眺めていた

と言っても石田は木にもたれて本を読んでいた

 

「ねぇ!!二対二でやろうよ!」

 

井上が余っていたラケットを持って走ってくる

 

「あぁいいぜ」

「アタシは遠慮しときます」

「儂もじゃ」

「僕も遠慮しとくよ」

「石田くんはダメ」

「どうして⁉」

 

浦原さんと夜一さんはする気はないらしい

する気がない石田を井上がねじ伏せて

結局俺、天、井上、チャド、石田の五人ですることになった

まずは俺と天対井上と石田だった

 

「勝つぞ」

「やるからには負けたくない」

「負けないよ‼」

「遊びだからと言って手を抜くつもりはない」

 

それぞれ勝つ気満々で始まった

結果は俺と天の勝ちだった

天はなかなか厳しいコースに返したりと今日初めてしたとは思えなかった

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

疲れたから茶渡さんに代わってもらい、一休みする

シートに座ると後ろから寝転がった夜一さんが聞いてきた

 

「楽しいか?」

「楽しい」

「それはよかったです

 皆サン、アナタに楽しんでほしくてこれを計画したんスよ」

 

バドミントンで盛り上がっている四人を見る

嬉しかったのと同時にこれ以上距離が近づいてしまうのが怖かった

 




今回もお読みいただきありがとうございます
次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後の24日を予定しております。

アルフレット

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