番外編ということでちょっと普段と書き方変えてみました。こちらの方が良いという人はコメントお願いします(露骨なコメ稼ぎ)
「今日から新しい仲間が…」
なんだか小学生みたいな紹介をされた、私一色いろはも今日から社会人一年生。高校で生徒会長をして、先生ウケもそこそこ良かった私はそれなりの大学に推薦で進むことができた。あの時は先輩に生徒会長になるのを薦められて本当に良かったと改めて思ったものだ。あの先輩がどこに行ったかは私は知りません。結局私の初めてであろう恋はハッピーエンドもバッドエンドも迎えること無く終わってしまったのです。
……嘘です。凄く悲しくて先輩の入学した大学を目指そうと考えるくらいには未練タラタラでした。
…でも先輩は自分で言っていたように結構優秀だったようで途中から目指し始めた国公立であったにも関わらず1発で合格していて、ほとんど勉強してこなかった私は推薦で大学に行くしか無かった。あの時ほど勉強しなかったことを後悔したことは無い。ま、その甲斐あって大学では勉強頑張って千葉からは離れたものの、このそこそこ大きな会社に入れたのだけれど。余談だが高校卒業後私は誰とも付き合うとかアピールするとかをしたことは無い。偽物では我慢出来なくなってしまった私は先輩に責任を取って貰えることも無くこのまま枯れていくのかもしれない。
「それじゃあ教育係はもう慣れてきただろうし比企谷に…」
え、比企谷?
「…うす」
あれこの声本当に先輩?
「あー、初めまして一色さん?比企谷です。これからよろしくね?」
あ、この腐りきった目とじつはイケメン気味な顔は先輩だ。それにしても折角の後輩との再開にいくらなんでも冷たすぎやしないだろうか。それとも私の事なんかもう忘れてしまったのかな…。
(チラチラ)
あ、これ覚えてる。でもなんで…。ん?先輩周りを見てる。周りには…他の男性社員?あ…この人まだぼっちなんだ…。納得。でも、こんなどこにでもいそうな下心見え見えな男なんかに言い寄られたくないし。先輩に引っ付いていこうかな。高校の時みたいに。
嘘です。本当は私が先輩と一緒にいたいだけです。
私は運命なんて信じない…つもりだった。でも今回ばかりは運命の再会…なんて。ただの偶然だけど。そんな偶然を運命と思いたいくらいには今の私は浮かれていて。
「よろしくお願いします」
まあ、いくら知り合いだったからってこんな公の場では流石に言わないよね
⭐⭐⭐
あの後教育係の先輩に対してしっかり覚えてることと、軽くアピールをした後。普通に仕事していたら男性社員の3人組に話しかけられた。
「一色ちゃん今日歓迎会するつもりなんだけど大丈夫?」
「無理なら別の日変えるんだけど」
「急に言われても困るよねー?ここの会社そういう所あるからさー」
歓迎してくれるのは有難いですけど下心100%じゃ嬉しくないですやるのは確定なんですねそういう所ってどういう所ですか?などなど言いたいことは沢山あったがここは猫を被らないと。
「少し待ってくださいねー?確認しますのでー」
そう言うだけ言って返事を聞かずに先輩のところへ向かう。先輩の机に行くと先輩は眠りこけていた。
…入社初日で、よくわからないけどこれってダメなんじゃない?
「せーんぱいっ、起きてくださーい」
凄く小さな声で何度か呼びかけてみるも一向に起きる気配がない。
「ぅん…本物なんて…」
先輩がボソッと呟いた寝言に体が竦んだ。だって今本物なんてなかったのか…って言ったよね?考えてなかったけど雪ノ下先輩とか結衣先輩とはどうなったんだろう。さっきの感じからすると今は微妙なのかもしれないけど。でも、なにがあったのかな…。
わからないけど取り敢えず起こそう。
先輩の肩に手をかけて揺さぶるとやっと先輩は目覚めた。その後歓迎会のことなど話して会社の外に出る。
これからの社会人生活思ったよりかは楽しいのかもしれない
今回は短めです
もうちょっとだけ一色視点でやるつもりですのでお付き合い頂けたら幸いです