やはり俺の青春ラブコメは間違っていたのだろう   作:未果南

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インフルかかって遅れました(言い訳)


川崎くんは報われるかもしれない〜一色side〜

『すいません、いろは先輩相談にのって欲しいことがあるんですけど今お時間大丈夫ですか?』

小町ちゃんからそんなメールが届いたのはお昼頃、特にすることもなく暇だなーなんて考えていたときで、最近相談にのってもらってばかりな私としては断る理由もなく。小町ちゃんに電話をかけてみた

「もしもし小町ちゃん?」

「いろは先輩、すいませんせっかくお休みのところ」

「ううん、全然気にしないで。やること無くて暇してたところだし。」

 

やっぱりしっかりしている。

本当に先輩の妹か疑わしくなる時が多々ある。

でも2人は兄弟として仲良くやっている。兄弟ってそんなものなのかな、私にはわかんないけど

 

「そのですね、私が大志くんと同じ大学に行ったって話しましたっけ?」

「なんだか聞いたことがあるような気はするかなー」

「まぁ、同じ大学と言っても学部違うのであんまり交流はなかったんですよ。それに、その」

「あー、川崎くん玉砕したんだっけ?」

「はい…、言いづらいことに告白されてそれをお断りしたというのもありまして、私としては気まずかったわけですよ」

 

こればっかりは仕方の無いことである。私としては川崎くんも可愛い後輩なので2人に上手くいってくれたら嬉しかったが小町ちゃんの意思ってものがある。

 

「アレ?でも小町ちゃんと大志くん割と普通に友達関係

じゃなかった?」

「はい、これからも友達として宜しくお願いしますと言われたので、高校の時は友達付き合いはあったんですよ」

 

そうそう。告白したことで多少は意識されたはずだから諦めずに頑張れって慰めた覚えがあるよ私。

 

「経緯はいろいろと省くんですけど…、つい最近になってちょっとした事情から大志くんと2人で行動することが増えまして。」

 

おや、川崎くんが諦めていないのならなかなかいい環境だ。

 

「それで、一時行動したうえでわかったんですけど…、大志くんって……して」

「え?ごめん聞き取れなかったよ。もう1回言ってくれない?」

小町ちゃんがあまりにも小さな声で話すので聞き取れなかった。

 

「そのですね、あの、大志くんって割とカッコイイなって思ってしまって…」

 

小町ちゃんの声はやっぱりまだ小さかったけど、そこには照れるような響きがあった。

 

「え、川崎くんのことをカッコイイって言った?」

 

私の慰め間違ってなかった?

 

「そ、その。さりげなく気遣ってくれたり…とか、大学入ってちょっとオシャレになってるし…。」

「ほうほう、それでそれで!?」

「その、それでですね。最初は1度お断りしておいて、告白するって絶対おかしいよねって諦めるというか悩むというか…。そもそもこの感情が友達以外への好意なのかどうなのかって頭グルグルして…」

 

小町ちゃんの混乱具合が手に取るようにわかる。というか初心だね…、可愛いすぎる。

そうか小町ちゃん今まで告白されることはあっても自分が人をどうこうみたいに思ったことがないんだ…。

高校の時の私みたいにステータス目当てというか恋に恋するみたいなこともなかったみたいだし…。

経験がないのか…。

わー、わー、川崎くんは素直なイメージだし、小町ちゃんも純粋初心とかこの2人組ヤバい!

「小町ちゃんの思考の中心に川崎くんがいるなら、それは恋と言っても過言じゃないと私は思うんだ。実際、私がこうだって言っても私は小町ちゃんじゃないから本当の所はわからない。小町ちゃんがよく悩んで、それで好きだって結論に落ち着いたらたっぷり相談に乗るよ」

 

小町ちゃんのその感情は間違いなく恋だとは思う。思うけど、恋かどうかなんて当人にしかわからない。どこが好きなのかわからない時だってある。それでもやっぱり恋というのは特別なものだと思うから。小町ちゃんには是非自分で頑張ってもらいたい。

 

…これ20歳過ぎた社会人の考えにしては甘すぎないかな?

まぁ、私は私ということで。

 

「それと、好きだと思ったなら昔断ったなんて忘れなさい。私なんか何度先輩を振ったかわかんないよ。」

「いろは先輩…。ありがとうございます…!でもまだ続きがありまして」

「続き?」

「その、今日というかついさっきなんですけど…。告白されました。」

「え!?誰に!?もしかして…」

「は、はい。大志くんです…」

 

うわー!川崎くんまだ、小町ちゃんのこと好きだったんだね!純愛だよコレ!はー、川崎くんもう一度告白したんだ…、強いなぁ。

あれ?じゃあ小町ちゃんは何を迷ってるのだろうか?

好きかどうかという1点だけ?

 

「それで…、そんなに親しいわけではないんですけど、大志くんのことを好きな女子がいるらしくてですね、それがまぁボス的なポジションの人なわけですよ」

 

「う、うわー…。それはキツいね」

「はい…、まだ自分の気持ちも正確に分かってないのに遠回しに釘をさしてきたり…」

…何故だろう。身に覚えがある。それもつい最近、春頃くらいに。

「それで、今日告白された訳ですから…」

「ああ、それは困るね」

「ちょっと色々混乱して間違えてお兄ちゃんに相談するくらいですからね…」

 

あ、先輩に電話したのは間違えてなんだ…

 

「ついこないだ誕生日に電話したせいでいろは先輩より上の方にいたんですよね…」

 

「あー、私に小町から電話もメールもないんだみたいなこと言ってきてたよ…」

「え?私日付変わってすぐ連絡しちゃったんですけど…」

「え?」

じゃあ先輩はどうして私に小町ちゃんから連絡がないなんて言ったんだろうか…?

まぁ、今は先輩より小町ちゃんのことだ

 

その後私は長いこと小町ちゃんの相談とも愚痴とも取れない話しを聞いていた。

 

 

 

 

 

 




小町とくっつくのは大志であって欲しいなって。

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