何が次はすぐ出せると思いますだよ…。
今回の話はそもそも書きたくねぇなって話でした。じゃあ書くなよって話なんですけど。
一応長引いた分書き溜めしたので…。チョコチョコ直して1週間後くらいにあげます。
本当にすみませんでした。
ある日
その日の空はとても晴れていたらしい。
俺の中では勝手に雨が降っている様なイメージなのだが。
あの日、決定的なまでに俺達が間違いを認めてしまったしまったあの日。
それまで無様に縋り続けた『本物』が壊れてしまったあの日。
いっそ壊れるなら跡形もなく粉々に砕け散ってくれれば良かったのに。まだ修復可能なようで、継ぎ接ぎ合わせれば元通りになるんじゃないかと淡い期待を抱かせるように壊れた『本物』を俺はみっともなく縋って。その結果『本物』だったあの関係は途端に偽物に成り下がった。
⭐⭐⭐
家から通える大学に進学した俺は高校生活での経験を活かしてリア充になっているなんてことは勿論なく。
今までと変わることなくぼっちしていた。
そんなわけで大学でぼっちだから、毎週日曜日に暇があるのは当然であって。
そうなったら、今迄の如く3人で会うこともそんなに変な事ではない…と思う。
高校を卒業する際、俺達はある告白をした。
それは文字通り告白で。由比ヶ浜と雪ノ下は俺に…その、告白…をしてきた。
「ヒッキー。私はあの時始めて奉仕部に来た時はただヒッキーに謝ろうと思って来たんだ。それで、躊躇って謝ることも出来ないままにズルズルと奉仕部に入部して。そこで増す増すヒッキーの優しい所を見て。自分でもズルいなぁって思う。謝ることもなく、急にこんな告白…なんて。キモいとかいっつも言ってたし。比企谷八幡君あの日、サブレを助けてくれてありがとう。そしてそのせいで入院までさせちゃってごめんなさい。謝罪の後すぐに反省なんてホントにひどいと思うけど。それでもここしか言いたいこと言えないと思ったから。私はヒッキーが好き。付き合って欲しいと心の底から勘違いとか一時の気の迷いとかじゃなくて本心から思ってる。」
一息に言われたその言葉は、俺の愚かしい勘違いを叩きのめして、
「比企谷君、あなたには謝らなければいけない点がたくさんあるわ。あの日貴方をひいた車は私の家の車なのに。その事を今まで謝りもしないで、そのうえ貴方を罵倒したりして…。でも、その、甘えた言い方になるけれどアレは親しいから言い合える軽口のようなもので…。それにしても酷い物言いだったわね。ごめんなさい。あの日初めて対面した日、あとはいつだったかしらもう忘れてしまうくらいに前だけれど。あなたに友達になろうと言われて嬉しかった。でも私はそれだけでは嫌なの。虫のいい話だとはわかってる。あなたの彼女にはしてもらえないかしら?」
同じように一息に言われたその言葉は俺の望んでいた種類の言葉で。
俺は…
俺が無様にも硬直していると2人は顔を見合わせて笑った。
「反応ないとかすごくヒッキーっぽい。」
「ええ、無様な感じが彼らしいわ。」
「酷い言い草だな」
口の中が妙に乾いている。心臓は早鐘のように脈打っている。
「あら?間違いがあって?ぶざま谷くん?」
「ほんとにさー、こんな美人2人から告白されておいて。ねー?」
「俺は…。上手く言葉にできないけど、お前らのことはその。本物なのかもしれない、と思っている。だから、その余計に言及しづらいというか」
「ここで本物って断言しないのは凄いよ…」
「まぁ、どうせ決めきれないだろうとは話していたのだけどね。」
2人は仲良さげに笑っていた。
「なんだよ、俺がヘタレみたいな言い方して」
「あら、だったら今すぐどちらと付き合うのか教えて頂けるのかしら?」
「うっ、ぐ…」
喉の奥に言葉に詰まる。答えなんて出せない。俺にとって2人は…
「だから決めたの。これから私たちはヒッキーに選んで貰えるようにがんばる。」
「もちろんお互いに仲良くね。…まぁ絶対に負けるつもりはないのだけれど」
「ゆきのんがやる気だ!?で、でも私も負けないし!」
「あ、比企谷くんが両方をフると言うのなら潔く女二人で慰め合うわ」
女二人で慰め合うとかちょっとめくるめく百合の世界が見えるんですけど…。
俺は今しがた告白してくれた女の子2人に対して何を考えているんだ…
「…わるい。優柔不断な男で。」
「そこも含めて好きになったんだよ。ね?ゆきのん」
「え、ええまぁ。そう言えなくもないわね」
2人のそんな様子に少しばかり笑いがこぼれた。
⭐⭐⭐
そんな風にして今の関係が出来上がったわけだ。大学生となった俺は奉仕部のメンバーと少し変わった関係性の中を暮らしていた。
変わってしまったのはあの日。いや、きっともっと前からその前兆はあったのだろう。
愚かな俺が気づけなかっただけで。
「ゆきのん、今日も来ないね…」
その言葉は彼女を心の底から心配していて。
「…そうだな、メールしても返って来ないしな」
「何かあったんじゃないかな。アタシゆきのんのマンションに行ってみる」
「ああ、俺も行った方がいいか?」
「んーん、もしゆきのん風邪とかだったら悪いしアタシだけで行ってくるよ。」
「そうか、由比ヶ浜よろしくな。」
そう言って彼女と分かれて俺は帰宅しようとした。
なぜだか嫌な予感しかしない。
「こんにちは、比企谷くん」
自宅に、帰りついた俺の前には楽しげに手を振る陽乃さんがいた。
「…お久しぶりです。今日はどうされました?」
「またまたー、もう分かってるでしょ?比企谷君なら。」
そうやってニコニコ笑った後、恐ろしくなるほど美しい顔で陽乃さんは言った。
「そうやって気づかない振りしてる比企谷君にはもう飽きちゃったなーお姉さん」
「あ、飽きたなら俺に構わずどこかに行けばいいんじゃないですかね。」
「あら、つれない。でも比企谷君だって、もう気づいてるんじゃない?雪乃ちゃんが最近君と会わなくなった理由。」
「理由知ってるんですね…?」
「知ってるよー、他にも色々。例えば、君たちの関係性とか。」
何故だろう、この人と話していると辛い
「俺疲れてるので今日は失礼しますね。」
「おやおやぁー?雪乃ちゃんのこと聞かなくていいの?」
この人が口を開く度に体がこわばる
「それとも、もう気づいちゃってる?雪乃ちゃんが」
そこで陽乃さんは言葉を区切った。
聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない
「お嫁に行っちゃうってこと」
放たれたその言葉は俺が知ってしまっていたたことで
「お姉さんねぇ、これでも怒ってるの。また例のごとくなにも言わなかった雪乃ちゃんも悪いけど。ダラダラ長引かせた比企谷君に」
「なんで、雪乃ちゃんを選ばなかったの?なんて理不尽なことは言わない。なんでどちらかを選ばなかったの?そしたらもう少し変わっていたかもしれない。雪乃ちゃんはもう少し気持ちの整理が付けられたかもしれない。」
そんなこと言われても…なんて最低な言葉が口から出かける。それを遮るように陽乃さんは言う。
「それに…、これは私の間違った考えかもしれないけど…。比企谷君、雪乃ちゃん選ぶつもりだったでしょ?」
言われた見透かされた明かされてしまった。
「なんでそんなこと…。そんなことないですよ…。」
「ふーん…。もうつまらないや。比企谷君には飽きちゃった。」
底冷えするような声だった。
「雪乃ちゃんの式は明日〇〇教会で行われるよ。来たければ来るといいかもね。友 人代表として」
それだけ言うと陽乃さんは帰って行った。
家に帰るとなにも言わずに自室に引きこもった。
気づいてはいた。葉山のやつが俺に電話してきたからだ。俺は知っていたのだ。雪ノ下が家によって結婚させられそうになったことを。知った上でなにも知らないかのように過ごした。身勝手にも裏切られた気持ちでいっぱいだった。また俺はからかわれたのかと、そんなこと絶対にないと知っているくせに。
布団に顔を埋め暫くぼーっとした後。
俺は由比ヶ浜に電話をかけた。
「もしもし由比ヶ浜か?明日雪ノ下が〇〇教会で式を上げるらしい。そこに一緒に行こう」
「え、ヒッキーなんでそれ知っ」
俺は最後まで聞かずに電話を切った。
自分がしたことの意味も気づかずに。
こんなに時間かけといてこれかよ…と思われても仕方ないレベルです。
一応次と何話かで少しずつ補って行く予定です…。
奉仕部崩壊編とか正直書きたくないんです。今更ながらなんでこんなめんどくさい設定のSS始めたんでしょう自分。
こんな支離滅裂なうえ投稿頻度も遅い酷いSSでよければまた見てください…(震え声)