インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士 作:武御雷参型
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飛行機に乗り込んだ楯無は、大統領を守ろうとする武装集団と対峙する。
「さぁて、誰が先に来るのかしら?」
「全員、後退‼ 例の物を使うぞ‼」
『ハッ‼』
「ちょっ⁉」
楯無は活き込んで突っ込んだが、武装集団は後退をしていった。残された楯無は拍子抜けである。
「どう言う事よ‼ レディを残して行くなんて……男としてどうなのかしらね‼」
楯無は後退する武装集団に向けて突撃する。だが、楯無は相手を殺すのではなく、気絶させるだけの威力の抑えて攻撃していった。
「神経使うわ……でも、殺してしまっては明日菜ちゃんに会わせるる顔が無いからね‼」
楯無は愚痴りつつも攻撃を加えて行く。
「あともう少しだ‼ それまで粘り続けろ‼」
「ところがギッチョンよ‼」
武装集団の隊長が隊員にそう言うが、既に隊長に突っ込んでいた楯無は隊長を殴り気絶させた。
「さて、残るはあなた方のみとなったけど………まだ続ける?」
楯無は残っている隊員達に蛇腹剣を向ける。既に隊長を失っている隊員たちは戦意喪失しており、大人しく武器を足元へ落とし両手を挙げ降参の意志を楯無へと向けるのであった。
「よろしい………こちら楯無。キラ君、聞こえているかしら?」
『こちら、キラです。どうしましたか?』
「機内の制圧は完了よ。後は大統領の身柄を拘束するだけだけど………どこにいるのか判らないのよね」
『そうですね……引き続き捜索して頂いても良いですか?』
「解ったわ」
『お気を付けて』
キラとの通信を終えた楯無は武装集団を一つに纏め、アクアクリスタルの一部を使い隊員や気絶した者達を括りつけた。
「さて、大統領でも探しますか」
そう言うと楯無は低出力で機内の扉を破壊する。
すると、破壊した扉の先では驚いた表情をする将軍のような恰好をした人物が待ち受けていた。
「き、貴様‼ 武装集団を制圧したのか⁉」
「そうだけど……まさか、通常の武器でISに勝てるとでも思っていたのかしら?」
「クッ……まぁ、良い。あいつらは元々我が国の傭員では無いからな………さて、貴様に問おう。貴様らの目的は小娘の奪還だったな?」
「ええ、そうよ。もしかして、明日菜ちゃんを返してくれるのかしら? それならそれで、私達の目的は達したからこの場から出るけど………そう言う訳にもいかない様ね」
楯無がそう言うと、周りには対IS用の武器を構えた兵隊の姿を見受けられた。
「ああ、その通りだ。貴様はここで討たれろ‼」
「それは困ったわ………なら、手加減は無用…と言う事で良いかしら?」
「撃て‼」
将軍の指示で対IS用の武器を構えた兵隊達は楯無に向けて引き金を引く。だが、幾ら引き金を引いても弾が射出される事は無かった。
「あなた達……そんな対策が出来る様に構えていたら、何も出来ないわよ?」
「き、貴様‼ 何をした‼」
「何をしたって……私の機体にはねアクアマシーンが搭載されているの……と言う事は必然的にわかるわよね?」
「ま、まさか‼」
楯無がしたのは、アクアマシーンを対IS用武器に忍び込ませ、一部をロックしたのである。その結果、弾を射出させ無い様にしたのだ。
「さて、これで貴方達の武器は使えなくなったわ……大人しく、明日菜ちゃんを出しなさい‼」
「クッククク………ハハハハハハハハハ‼」
将軍は自分達が窮地に追いやられているにも関わらず、高笑いをする。
「何を笑っているのかしら? 頭がおかしくなったの?」
「なに、貴様らこそこの機内に大統領がいないと言う事を見抜けなかった事が可笑しくてな………」
「なんですって‼ いつの間に‼」
「貴様が武装隊を制圧している隙に既にこの機内から脱出しているのだよ………貴様らの負けだな」
「………それはどうかしら」
「なに?」
将軍は楯無一人でこの飛行機を制圧しに来たと勘違いしていたのである。
「キラ君、聞こえていたわね?」
『ええ、聞こえていましたよ………出て来た』
楯無はキラに通信を繋げた状態でこの場にいたのである。と言う事は、キラもキラで対策をしていない訳では無かった。
「貴方の勘違いで助かったわ。もう少しで大統領を拘束できるのだから」
「…………まさか、まだほかにもいたとは………」
「当たり前田のクラッカーよ。私一人でここに乗り込むわけないでしょ?」
「そう……だな………だが、もう遅い‼ 大統領がこの飛行機から脱出すれば、必然的にこの飛行機は爆破される‼ そうすれば、貴様らも一緒だ‼」
「なんですって‼ キラ君‼」
『聞こえています‼ そこだ‼』
キラの声が聞こえると同時に、飛行機が揺れる。
「な、なんだ‼ 何が起きた‼」
将軍が叫ぶと、飛行機はゆっくりと左に傾いて行く。
「機体が……傾いて行く……まさか、エンジンを撃ったのか‼」
「その通りよ。もう、貴方達は終わりよ」
「その様だな………」
将軍は完全に戦意喪失するのであった。
楯無が畿内を制圧する時まで、時を巻き戻す。
キラは楯無からの通信を受けていた。
『こちら楯無。キラ君、聞こえているかしら?』
「こちら、キラです。どうしましたか?」
『機内の制圧は完了よ。後は大統領の身柄を拘束するだけだけど………どこにいるのか判らないのよね』
「そうですね……引き続き捜索して頂いても良いですか?」
『解ったわ』
「お気を付けて」
キラは楯無の素早さに驚きもしつつ、自分がするべき事を探していた。
「まず始めに機体の貨物室かな?」
キラはストライク・フリーダムを飛行機の底部に付けさせる。だが、サーモグラフィーで見ても熱源反応は無かった。
「居ない………どこにいるだ‼」
キラは内心、焦っていた。どうしてあの時、一緒に行動しなかったのか……どうして、ミーティングの時に人を増やすように進言をしなかったのか……どうして……
キラは自分に責任があると感じ取っていた。もっと自分がちゃんとしなくちゃいけないのにと……
すると、通信がオープンになっていたのか、楯無と将軍の声が聞こえ始める。
『き、貴様‼ 武装集団を制圧したのか⁉』
『そうだけど……まさか、通常の武器でISに勝てるとでも思っていたのかしら?』
楯無が将軍がいる場所へ乗り込むと、将軍の驚く言葉と共に楯無の冷静な声が聞こえる。
『クッ……まぁ、良い。あいつらは元々我が国の傭員では無いからな………さて、貴様に問おう。貴様らの目的は小娘の奪還だったな?』
『ええ、そうよ。もしかして、明日菜ちゃんを返してくれるのかしら? それならそれで、私達の目的は達したからこの場から出るけど………そう言う訳にもいかない様ね』
楯無の声は酷く焦る様子も無かった。キラは楯無一人でこの場を斬り退けると信じていた。
『ああ、その通りだ。貴様はここで討たれろ‼』
「楯無さん‼」
キラは楯無に向かって叫ぶ。だが、楯無の声は未だ焦る様子では無かった。
『撃て‼』
将軍の声で引き金を引かれたのだろう。だが、一発も銃声が鳴る事は無かった。
楯無は、対策としてアクアマシーンを使い、対IS用武器に対して対策を施したからであった。
「良かった………もう、誰も僕の前で命を散らせたく無い‼」
キラの頭の中で何かが弾ける感覚を感じる。それは、いままでよりも一番の物であった。
『キラ君、聞こえていたわね?』
「ええ、聞こえていましたよ………出て来た」
キラは再度、機体の底部に行くと、貨物室から一機の小型機が出ようとしていた。キラは逃がすまいと思い、機体のエンジン部をビームライフルで撃ち抜いたのである。
その結果、小型機が出る直前、機体はゆっくりと左へと傾いて行く。
「こちらは国際IS学園所属、特殊武装隊“アークエンジェル”隊隊長のキラ・ヤマトです。大人しく投降してください」
『断らせてもらおう。貴様らの言いなりになるつもりは無い………今度、この機体を攻撃してみろ……その時は貴様の娘と一緒にあの世に逝ってやる』
『パパァッ‼』
小型機から大統領と明日菜が出て来るが、大統領の右腕には拳銃が握られており、明日菜の米神に押し付けられていた。明日菜は恐怖の余り、キラの事を呼ぶが、今のキラは何も出来ない状態であった。もし、攻撃をすればその時は大統領の持つ拳銃が火を噴き、明日菜を殺してしまう。そう思うと、キラは安易に攻撃をする事が出来なかった。
『さて、私は小型機に乗らせてもらう。貴様の娘と一緒にな………そして、嘆くがいい。貴様の犯した罪を‼』
そう言うと大統領は小型機に乗り込もうとした、その瞬間。一発の銃声が鳴ったのであった。
キラと楯無は大統領の乗る飛行機に乗り込み、明日菜救出へと向かっていた。
そして、大統領は何者かに撃たれ、死んでしまう。
撃ったのは誰なのか……そして、目的は何なのか‼
次回、インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士、第九十三話“アメリカ”
リア充、爆発しろ‼ バレンタインなんて無かったんや‼(すべてを終わらせろ、キラ‼)
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