インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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連続投稿です‼

後書きの所にて、今の心境を書いていますので、読んで頂ければ幸いです。


第八十四話

アスランと簪は、閉園間近まで遊園地で遊んでいた。そして、最後の締めと言う事で、遊園地でのデートのお決まりである観覧車に乗り込んでいた。

 

「楽しかったな、簪」

 

「うん………」

 

「どうかしたのか?」

 

アスランは簪が楽しめなかったのではないかと心配する。だが、簪はそうではないと顔を横に振る。

 

「違うの……今頃、お姉ちゃんとキラさん達は大丈夫かなって」

 

「あ、ああ。そう言えば、キラ達は楯無さんの家に行っているんだったな…………」

 

アスランは事前に楯無から聞いていたので、キラがどこに行っているのかを知っていたのである。その際、楯無からキラには言わない様にと告げられていた。

 

「まぁ、キラの事だ。大丈夫だろう。アイツは意志が強いからな」

 

「うん………」

 

「心配なのか?」

 

「お姉ちゃん達が心配なのもそうだけど………私達の事もどう受け止めてくれるのか判らなくて………」

 

楯無と違い、簪は両親にアスランと付き合っている事を言っていないのである。

 

「俺の事は心配しなくて良い。俺なりのやり方で説得するから」

 

「うん」

 

簪はアスランの言葉に安心し、頷くのであった。

 

「そう言えば、今日はこのまま学園に戻るのか?」

 

「違う。今日は近くのホテルで泊まる事になってる」

 

「聞いていないんだが?」

 

簪の言葉にアスランはジト目で簪を見る。

 

「お姉ちゃんが言っていると思ったから………ごめんなさい」

 

「いや、謝らなくても良い。俺も学園に戻るつもりは無かったしな」

 

「そう…なんだ……え?」

 

アスランの言葉に簪は自分の耳が可笑しくなったのかと思う。アスランはこのまま簪と居たいと言っている様に聞こえたからである。

 

「もう一回言って?」

 

「俺はこのまま学園に戻るつもりは無い。簪と一緒にいたいからな」

 

「………ありがとう」

 

アスランの告白に簪の顔は茹蛸みたく赤くなった。

 

「そろそろ降りる時間だぞ」

 

「うん………あっそうだ。アスラン、少しだけ屈んで?」

 

「? 判った」

 

簪に言われた通りにアスランは屈み込んだ。その瞬間、アスランの唇に簪は唇を当てた。

 

「ッ⁉」

 

「ン………今まであまりキスしてなかったから………」

 

「お、おう」

 

アスランはまさか積極的にキスをしてくるとは思わなくて、驚いていた。

 

「ほら、アスラン‼ 行くよ‼」

 

「ま、待て簪‼」

 

観覧車から降りた簪はアスランを置いてホテルへと向かうのであった。アスランもすぐに簪を追いかけた。二人はホテルに着くまでの間、笑顔であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、キラ達はと言うと………

 

「なんでこうなったんだろう………」

 

「それは私も聞きたいわ」

 

キラと刀奈はそう言うと溜息を吐いた。

 

「ワーイ、おじいちゃん、もっともっと‼」

 

「良いぞう‼ ほれ、高い高い‼」

 

「キャハハハハ‼」

 

先程まで真剣な眼差しであった時政であったが、蓋を開けてみれば孫と遊ぶ祖父状態になっていたのである。そして、明日菜もそんな時正に心を許している為、遊んでもらえる事に嬉しがっているのである。

 

 

キラが更識家に婿入りする事が決まった瞬間まで遡る。

 

「刀奈と本当の家族になる時、君にはこちらの家の籍に入って欲しい」

 

「判りました」

 

時政の言葉にキラは即答する。

 

「そんな簡単に決めて良いのかい? もっと考える時間があっても………」

 

「僕は既に決めています。刀奈さんを護る。そして明日菜ちゃんも護ると……それがどう言う形であっても僕には異論はありません。二人が護れると言うのであれば」

 

「………そうか………」

 

時政はキラの意志にありがたく感じたのであった。

 

「それで、だ………いつまで私は孫に怖がられなくてはいけないんだ?」

 

「し、知りませんよ」

 

「お父様が明日菜ちゃんと遊べば、明日菜ちゃんも心を許してくれると思います」

 

「…………」

 

刀奈の背中に隠れて、時折、時政の方をチラチラとみる明日菜に時政は初対面で失敗したなと感じ取ってしまったのである。

 

「………明日菜ちゃん、こちらにおいで」

 

「…………」

 

時政は明日菜を自分の所に来させようと、名前を呼ぶが警戒心剥き出しの明日菜は刀奈の服を掴んだまま、離れようとしなかった。

 

「明日菜ちゃん、大丈夫よ。お父様は優しいから」

 

「………」

 

刀奈の言葉に明日菜も少しだけであるが、警戒心を解いて時政の方へと向かって行く。そして、時政の前に来た瞬間、時政は徐に立ち上がった。

 

「ッ⁉」

 

いきなり立ち上がった時正に驚き、明日菜は怒られると勘違いして目を強く瞑ってしまう。だが、一向に痛みが来ない事に不審に思い、恐る恐ると目を開けると、そこには優し気に微笑む時政がいた。

 

「私の事が怖いかい?」

 

「………うん」

 

時政が自身の事が怖いかと明日菜に尋ねると、明日菜は正直に頷いた。すると、時政は手を振り上げた。

 

「ッ⁉ え?」

 

手を振り上げられ、明日菜は叩かれると思った瞬間、明日菜の足は地面から離れていたのである。

 

「ほら、高い高い‼」

 

最初驚いていた明日菜であったが、直ぐに遊んでもらえると思い嬉しくなった。

 

「ワーイ‼ 高い‼ おじいちゃん、もっと‼」

 

「良いぞう‼ ほれ、高い高い‼」

 

「キャハハハハ‼」

 

こうして冒頭に戻るのである。

 

「お父様って孫煩悩……」

 

「あ、あはははは」

 

刀奈は明日菜と遊ぶ時政を見て、威厳のかけらが全く無い事に気付いた。そんな時政の姿にキラは苦笑いをする。

 

「刀奈、キラ君。二人で明日菜ちゃんを護りなさい」

 

「「はい‼」」

 

時政はそう言うと、明日菜と遊ぶのであった。




まず始めに、前前話にて今回の豪雨で被災された方々とお亡くなりになられた方々に対しての言葉を述べさせて頂きました。

しかし、前話ではそれが触れられていない疑問に思われた読者様もおられますので、現在の自分の心境について、この場をお借りして述べさせて頂こうと思います。

まず始めに、なぜ前話で言わなかったのかと言う事についてですが、自分自身も投稿するたびに書くつもりでした。しかし、自分が思っている事を書いてから、被災された方々に対しての言葉を述べても、本心として捉えられないと感じてしまったからです。
また、今の自分には言葉を述べても綺麗事として受け入れられてしまうと感じてしまったからです。
感想で言われたわけでも、個人メッセージで言われたわけではありません。
ですが、思い返してみてもこういう場で書く意味が、本当にあるのかと感じてしまったのです。

本来の前書きは、本編の事についてや予告など、様々な事を述べる場であります。
しかし、自分の前書きはそう言った面も持ち合わせていますが、今回の豪雨の内容を書く場では無いと思い至りました。
誰かに共感して欲しいとか、そう言う気持ちはありません。
前書きに書くのではなくて、活動報告などに書いておくべきだと思い至り、今後の前書きでは触れない事にします。と言う意味で、触れませんでした。

次に自分自身の心境についてですが、学黙の方で触れたか、この作品で触れたのか忘れてしまいましたが、作者自身、近畿圏に住んでいます。
今回の豪雨で被害はあまり受けませんでしたが、他の地域や他県では洪水や氾濫によって多くの人命が失われてしまいました。
私自身、文面で言っていても相手からしてみれば綺麗事で終わらされてしまうのが、嫌です。と言うよりも、嫌いです。
では、どうすればいいのかと言う考えでいましたが、自分自身、まったく答えが導き出せませんでした。
その為、一区切りとして来月まで、更新を停止しようと考えています。
これは、自分自身への戒めでもあります。
文面だけでは、何も読者様方に響かないと思ってしまい、不謹慎過ぎたと感じています。
その為、来月の中旬の8月15日迄の間、更新を停止させて頂きます。
批判を受ける事は承知の上で、書いています。

こんな作者ではありますが、今後とも、お付き合いして頂ければ幸いです。
また、ご意見などがございましたら、個人メッセージの方に送って頂ければ、幸いです。


では、次回の更新まで皆様。お元気で。

武御雷参型

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