インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士 作:武御雷参型
その後、キラ達は織斑先生達と別れ、保健室に戻っていた。
「さて、キラ。今日の事で少し判った事と疑問になった事がある」
「どう言う事、アスラン?」
「キラ、俺たちは違う世界に来た。これは判っているな? じゃぁ、俺達は此処で何をしたら良いか判っているか? そして、謎と言うのは、どうして俺達の機体がMSからISに変わったかと言う事だ」
アスランはキラに尋ねる。キラも何時ものおっとりした顔から一辺して、真剣な顔つきになる。
「そうだね。僕たちは此処で元居た世界に帰れる様に考える、謎の答えとしては僕にも判らない。これが答えじゃないの?」
キラの答えにアスランは「そうだな」と答える。
一方、IS学園の地下に関係者立ち入り禁止区域がある。そこに織斑先生と山田先生がパソコンの前に座って何やら作業を行っていた。
「さて、真耶。今回はヤマト、ザラの待遇についてをどうしたら良いか迷っている。もし、今回の事を
「そうですね。ですが、報告しなかったら報告しなかったらで、後で大変な事になり兼ねないと思いますが………」
「そうだな……だが、どうしたら良いものか……………」
二人は頭を悩ませていた。
「おっと、此処に居ましたか、ブリュンヒルデ」
すると、織斑先生の後ろから一人の老人が出てこられた。
「学園長、急に出て来ないで下さい。それと、その名前で呼ばないで下さいと何度も言っていますが?」
「はははは、気にしたら負けですよ? まぁ、今回はそのことを話しに来たんじゃないです。昨日、来られた者達の機体の解析は終了しましたか?」
「はい、一応は。本人達を使って解析しました。しかし………」
「しかし? 何ですかね、織斑先生」
織斑先生はこの学園長に話すべきか迷っていた。仕事柄、上には何があっても報告をしなければならない事になっている。しかし、今回の事については話が別である。
「この機体については本人達から聞きましたが、正直、信じられないの一言に尽きます」
「ほう? それはどう言う事ですかな、織斑先生。今回の件は貴女に全権委ねていますが、報告する事は怠ってはいけませんな」
学園長はそう言うと、殺気を出す。この殺気はキラ達と同等であった。
「ッ!? はい、判りました。では、報告させて貰います」
この後、織斑先生は学園長に報告をした。
「そうですか………『核』を動力源にするISですか…………このことは委員会には?」
「いえ、まだ報告していません。もし、したら戦争が起きるのではないかと言う懸念からですが………」
「「「………………」」」
この言葉に真耶、千冬、学園長が黙った。
「判りました。では、こうしたらどうでしょうか?」
「「ッ!?」」
学園長の提案に千冬達は驚きがあったが、しかし、打開策が無い今ではそれが最善であることが明白であった為、結局、その提案が可決される事になった。
そして、その日の夜。キラ達はある部屋に連れて来られていた。
その部屋のプレートにはこう書かれていた『学園長室』と。
「初めまして、このIS学園で学園長をしている笠松です」
「初めまして、オーブ軍准将のキラ・ヤマトです」
「同じくオーブ軍三佐のアスラン・ザラです」
二人は敬礼をしながら笠松に自己紹介をした。
「では、座ってください。さて、お二人を此処に来てもらったのには訳があります。お二人は軍属と言うことで良いのですよね? では、話は簡単です。此処の警備と護衛をして貰いたいのです」
「それはどう言う事なのでしょうか? 自分達は確かに軍属ですが、この世界には実在しない国家です。それに、こう言う話をするって事は、自分達の機体については知っていますよね?」
「ええ、昨日聞きました。しかし、これとは話が違います。警備については申し訳ないのですがお二人を傭兵と言う事にしたいのです。また、護衛については今年に入学する織斑一夏の護衛をして頂きたいのです。この二つについてはこちらから報酬としてこの額を出させて貰います」
そう言うと、笠松は一枚の用紙を出す。そこに書かれていたのは『¥258000000』と書かれていた。
「こんな金額を貰っても大丈夫なんですか!?」
この金額にキラ達は驚きを隠せなかった。
「おっと、まだ説明不足でしたな。この金額は年俸です。月々¥21500000ですね。この金額についてはこちらで用意した口座に毎月一日に振り込む形になります。此処まで質問はありますか?」
「いえ、大丈夫です。話を続けて下さい」
「判りました。で、続きですが、傭兵については極秘となっています。そして、貴方方が乗っている機体は一旦封印します。しかし、いざと言う時の為に貴方方が持っていてもらっても構いません。この意味が判りますね?」
「はい、自分達の機体は『核』を動力源です。もしこのことがバレてはこの学園の危機になる。それに、一歩間違えたら戦争になりかねないと言う事ですよね?」
「そして、もし学園で負えない事態の時のみで使用が限られると言う事ですよね?」
アスランとキラの答えを聞き、笠松は頷いて答えた。
「はい、そうです。そして、貴方方の専用機はこちらで用意させて貰います。もし、希望があるのでしたら言って下さい」
笠松はそう言うと、メモ帳を引っ張り出す。
「では、僕の機体ですが、なるべく遠距離武装を中心にお願いします。また、近距離武装も幾つか積んで欲しいです。それと、機動性を中心に考えている機体にして下さい」
「判りました。では、アスラン君は何かありますか?」
「自分はキラと真逆で、近距離武装中心にした機体にして下さい。中距離武装も幾つか積んでください。これぐらいですね」
「判りました。では、最後に一人だけあって欲しい方が居るのです。入ってきてください」
「はい」
笠松が声を掛けると、後ろに設置されている扉から一人の少女が入って来る。
「初めまして、更識楯無と言います」
楯無はそう言うと頭を下げた。
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学園長についてはオリジナルです。
少し追加を行いました。