インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士 作:武御雷参型
最終回はどう終わりを見せればいいんだろうと言う心配をしながら書いています(嘘
それでは、本編です‼ どうぞ‼
とある海中に一隻の潜水艦が航行していた。
「艦長、奴ら見事に引っ掛かりましたよ………これで忌まわしき男共を抹殺できますね」
「ええ、そうね。まさか奴らは考えても見なかったでしょうね。陽動作戦が二つもあるなんてね」
潜水艦の艦名は“伊400”
旧大日本帝国海軍が戦争末期に建造した潜水艦である。だが、オリジナル艦は既に終戦後にアメリカに鹵獲され、その姿を沈められていた。
では、なぜその沈められた潜水艦がいるのかと言うと、女性権利団体がオリジナルに模した潜水艦を建造したのである。模したと言うだけあって、性能はオリジナルに近い物である。だが、違うがあるとすればオリジナルの伊400型は、一度浮上しなければ航空機を射出する事が出来ないと言う欠点を持っていた。だが、女性権利団体が模したこの伊400型は、垂直噴進弾発射装置のIS版を載せており、それによって浮上する事無くISを射出させる事が可能になったと言う事だけである。
「さて、銀の福音の監視も兼ねて奴らの戦闘データを回収するわよ」
「了解しました」
伊400の艦橋部には複数の女性がそれぞれの担当部署に座っていた。
「さぁ、世界を巻き込んだ戦争を始めましょう」
そう言うと艦長席に座る女性は口角を上げるのであった。
そして伊400はその姿を海の中に沈めたまま、銀の福音の後を航行するのであった。
その頃、トール達は銀の福音を目視できるほどの距離まで近づいていた。
「見付けた‼ ニコル、君はブリッツのミラージュコロイドを展開させて身を潜ませてくれ。オルガ、君は火力をありったけ銀の福音に喰らわせてやれ。シャニ、君は銀の福音の攻撃からオルガを援護。クロトは高機動を持って銀の福音をかく乱させろ‼ 各自、散開‼」
「「「「了解‼」」」」
トールの指示でニコルたちは動き出した。ニコルはネブラブリッツと言うよりもブリッツのみに搭載されている特殊機能“ミラージュコロイド”を展開させる。すると、ネブラブリッツの姿は誰も見えなくなり、センサーにも反応を示さなくなった。
オルガはカラミティの高エネルギー長射程ビーム砲“シュラーク”と複列位相エネルギー砲“スキュラ”、プラズマサボット・バズーカ砲“トーデスブロック”を用いて銀の福音に対して攻撃を仕掛ける。
クロトはレイダーをMA形態に変形させると、銀の福音の周囲を飛び回り、オルガに攻撃が行かない様に攪乱させ始める。また、その都度、攻撃が出来る様であれば短距離プラズマ砲“アフラマズダ”、80㎜機関砲二門と76㎜機関砲二門を使い、攻撃を行う。
シャニはフォビドゥンをMA形態へ変形させると、オルガの攻撃の邪魔にならない立ち位置に就き銀の福音の攻撃からオルガを守る体制になっていた。
トールはと言うとヴァンセイバーをMS状態にしたままアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲二門を構えると、銀の福音を射程に捉える。
「捉えた‼ オルガ‼ 福音を留めさせろ‼」
「エネルギーが心配なんだが……仕方がねぇ‼ やってやらぁ‼」
トールに指示されたオルガは、カラミティの火力をもう一段階、上げた。それにより福音は自分の周りを飛行しているクロトよりも、オルガの方が危険と感じ、標的をオルガへと変えたのである。
「これでお終いだ、福音‼」
トールはアムファルタスプラズマ収束ビーム砲の引き金を引いた。放たれたビームは福音へ直撃し、ダメージが蓄積された事により、展開維持が出来なくなった。それによって福音は一時的に待機状態へと戻る事となり搭乗者が投げ出されたが、ニコルがミラージュコロイドを解除して静かに搭乗者をキャッチしたのであった。
「状況終了、これより帰投s…⁉ 各機、散開‼」
トールは福音を撃墜させたことにより旅館へと戻ろうとした。しかし、その瞬間、何者かによって攻撃を受けドミニオン隊は回避運動を行った。
「あれは…………」
トールたちの目の前に現れたのは、以前のキラの専用機であったストライクに似た機体であった。
「ライブラリー照合………検索終了。あの機体はストライクの発展機であるストライクEです‼」
「道理でストライクと違い、高機動型だと思った。さて、この場は逃げたいんだが……逃がしてもらえる様子じゃないな………ニコル、福音の搭乗者をIS学園部隊に引継ぎを行え。俺達はその間にコイツの足止めを行う」
「「「「了解‼」」」」
トールに指示を出されたニコルは福音の搭乗者を一夏に託すために戦線を離脱した。
「さぁ、やるぞ‼」
トール達はストライクEに向けて突撃を行うのであった。
その頃、IS学園はと言うと……………
「暇だね~」
「暇だな」
「暇ですね~」
束、ジブリール、アズラエルが日向ぼっこをしていた。
「キラ君達は日本国内に侵入しようとした艦隊を殲滅しちゃったし……束さん達のやる事が無くなっちゃったね」
「ええ、ですが本来の我々の目的はこの学園の防衛です。ですからそろそろお出ましと言う事ですね」
ジブリールが言うと、海面から一隻の戦艦が現れた。
「フラグ回収乙」
「自分でも言うのはあれですが………どうしてくるんですかね?」
「「さぁ?」」
戦艦を目の前にして三人は呑気に話をしていた。
『篠ノ之束博士、我々と一緒に来てもらおう』
「私が行ったらこの学園から出て行ってくれるんだよね?」
『ええ、お約束します。ですから我々と一緒にk「だが、断る‼」なに⁉』
戦艦の艦長と思われる女性に対して束はJoJo立ちをしながら断った。
「この天災篠ノ之束がもっとも好きな言葉の一つは、自分が強いと思っている奴にNoと断わってやる事だ‼」
『この………言わせておけば‼ 専用機も持たない貴女では戦艦一隻も倒せないでしょう‼』
「馬鹿め」
束がそう言った瞬間、戦艦が何者かによって攻撃を受け船体が火を噴いた。
『なっ⁉ どこからの攻撃d』
その言葉を最後に戦艦は一つの砲撃により爆散し、撃沈したのであった。
「君たちの敗因は、私が専用機を持っていないと思っていた事だよ。確かに私は専用機は無いよ………でもね、専用艦は持っているんだよ。君たちは忘れていたのかな? この学園には三隻の最凶艦がいると言う事をね」
束は戦艦が海の藻屑へと変わっていくのを見ながら呟くのであった。
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