インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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第七十七話

大広間に集められた一年生専用機持ちと楯無は大型モニターに写る状況を見ていた。

 

「先ほど、日本の領海内に女性管理団体所属艦五隻が侵入した。自衛隊が出撃したが、敵の戦力が大きく、一方的に大敗した。よって、政府よりIS学園特殊武装隊に命令が下された。但し、今回の任務に関してはアークエンジェル隊、ドミニオン隊、ミネルバ隊の合同作戦となる。他の者達は、ここで待機だ」

 

「俺達は待機って言うけど、キラ達だけで戦えるのかよ?」

 

「僕達には専属艦が就いている。それに今回の臨海学校にはアークエンジェルが同行していると言う事もあって、本部はアークエンジェルにて行う事になるんだよ………君たちは、もしもの場合に備えて待機していてほしい」

 

「………判った」

 

キラの説得により、一夏達は納得するが状況は一変した。

 

「大変です‼ アメリカとイスラエルが合同で開発したISが何者かによって強奪され、ここに向かって来ています‼」

 

「なに⁉ まさか‼」

 

『その通りですよ……ブリュンヒルデ』

 

真耶が走って千冬に説明すると、モニターがハッキングされそこにはリオ・コナーが映し出されていた。

 

「貴様……リオ・コナー‼」

 

『如何にも………さて、あなた方には選択肢が二つあります』

 

「選択肢だと?」

 

リオから選択肢を選ばされる事になるのだが、その選択肢はどちらも人命にかかわる内容であった。

 

『一つ、あなた方、IS学園はリオ・コナー率いる女性管理団体に属する事。その際、織斑一夏、キラ・ヤマト、アスラン・ザラその他の男共は抹殺よ。二つ、私達と敵対し、世界を巻き込む戦争を行うか……どちらかよ』

 

「なぜ、今になって選択肢なんぞ出して来た? 貴様は男共を一定の数を減らすつもりでは無かったのか?」

 

千冬は今更になって選択肢を出してくるリオに尋ねる。

 

『決まってるじゃない。私たちの願いは変わりは無いわ……でもね、IS学園の生徒のほとんどは女子なのよ? 殺すつもりは無いわ。だから、選択肢を提示したのよ』

 

「チッ、外道が……」

 

『あら? 褒めても何も出ないわよ?』

 

「褒めてないわ‼ だが、我々の答えは一つだ。世界を巻き込んだとしても貴様らの野望は止めさせてもらう‼」

 

『………あらそう? ………なら、後悔しない事ね』

 

そう言ってリオは通信を一方的に切ったのであった。

 

「これより作戦を二つ遂行する。アークエンジェル隊、ミネルバ隊は領海内に侵入した敵艦船の殲滅作戦を。ドミニオン隊と他の専用機持ちはこちらに向かって来ているISの殲滅を行う。各自、持ち場に就け‼」

 

『了解‼』

 

千冬の指示でキラ達アークエンジェル隊は、すぐさま日本領海内に侵入した女性権利団体所属艦五隻の殲滅へと向かうのであった。

 

 

「では、情報を開示する。尚、今回の作戦は機密事項に値するものであり、無闇に開示する事を禁ずる。また、専用機持ちは、そのデータの破棄も行う事とする。良いな?」

 

『はい‼』

 

「では開示する。こちらに向かって来ているISは銀の福音と呼ばれるアメリカとイスラエルの共同開発型軍事用ISだ。相手は有人機であり軍用機だ。この中での軍事用機はドミニオン隊のISのみだ。よって、本作戦指揮をトール・ケーニッヒに委託する。良いか?」

 

「構いません。俺が出来る限りの事をします」

 

「よろしく頼む」

 

千冬に頭を下げられたトールは連合式の敬礼をして返答するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂浜にヴァンセイバー、ネブラブリッツ、カラミティ、フォビドゥン、レイダー、白式、甲龍、ブルー・ティアーズの八機のISが展開され、銀の福音撃墜作戦、正式名称、シルバリオ・ゴスペルダウン作戦に出るドミニオン隊とIS学院部隊の混合隊が準備していた。

 

『これよりシルバリオ・ゴスペルダウン作戦を開始する。開始後の作戦指揮権をアークエンジェル隊二番隊、ドミニオン隊隊長のトール・ケーニッヒに委託する。全員、生きて帰って来い』

 

≪了解‼≫

 

『作戦開始‼』

 

千冬の言葉で全員が出撃スタンバイをする。

 

「トール・ケーニッヒ。ヴァンセイバー、出ます‼」

 

「ニコル・アマルフィ。ネブラブリッツ、行きます‼」

 

「オルガ・ナブナック。カラミティ、出るぜ‼」

 

「シャニ・アンドラス。フォビドゥン、出るよ」

 

「クロト・ブエル。レイダー、出るよ‼」

 

ドミニオン隊が出撃すると、トールが駆るヴァンセイバーが可変し、その上にニコルの駆るネブラブリッツが搭乗する。ネブラブリッツはブリッツの強化機体ではあるが、単独での飛行が困難と言う事もあり、ヴァンセイバーをタクシー代わりにする事で、行動を可能としている。

クロトの駆るレイダーも可変すると、その上にカラミティが搭乗した。これはネブラブリッツ同様、カラミティも単独飛行が出来ないと言う欠点を補う為の処置であった。フォビドゥンは単独飛行する事が可能な機体と言う事もあり、単機で飛行して作戦空域まで向かう事になっている。

 

「織斑一夏。白式、行きます‼」

 

「鳳鈴音。甲龍、行くわよ‼」

 

「セシリア・オルコット。ブルー・ティアーズ、出ますわ」

 

IS学園部隊の面々も出撃し、シルバリオ・ゴスペルダウン作戦が開始されるのであった。


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