インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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今回は最後である人のキャラ崩壊を起こしていますww

こんな優しい人だっけ? と思われる方もいると思います。


第七十四話

夕食も終わり、各々が各自の部屋で過ごしている時、千冬の部屋では一夏が千冬をマッサージする事になった。

 

「千冬姉、久々にマッサージしようか?」

 

「ほう? 愚弟がそんな事を言いだすなんて………明日は槍の雨でも降るのか?」

 

「なに縁起でも無い事を言ってるんだよ………迷惑を掛けた事が多かったから、そのお返しと言う訳じゃ無いけど……」

 

「なに、冗談だ。では、頼む」

 

千冬はそう言って布団に俯せに横になると、一夏が背中に手を置くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬と一夏の部屋の前では鈴、箒の二人が聞き耳を立てていた。

 

「ねぇ、もしかして………」

 

「嘘だ……嘘だと言ってくれ‼ 一夏………」

 

二人は部屋の中から聞こえる会話から、違う意味を察したのか絶望的な表情になっていた。

 

「あら? どうかされましたのですか?」

 

「あっ……セシリア………中から………」

 

「?」

 

鈴の切なさそうな声にセシリアは顔を傾げる。すると、鈴はセシリアの手を引き扉の前に来させた。

 

「聞きなさい‼」

 

「…………」

 

『千冬姉、緊張してる?』

 

『そんな訳あるか‼ んっ⁉ 少しは加減をしろ』

 

『はいはい……なら、ここかな?』

 

『ンフッ‼ そこ……は‼』

 

『ここだな‼ ホレホレ‼』

 

『ン⁉ ツ~~~~~~~』

 

「………」///

 

一夏と千冬の声でセシリアも変な察しをして顔を赤くさせた。

 

『じゃぁ、次は――――』

 

『一夏……ちょっと待て』

 

一夏が次に移ろうとした時、千冬はそれを止めさせ、扉の前に立つと一気に扉を開け放った。

 

「グフッ‼」

 

「ザクッ‼」

 

「ドムッ‼」

 

鈴、箒、セシリアの順に部屋の中になだれ込んだ。

 

「貴様等………何をしている」

 

「こ、これは………」

 

「そろそろ寝ますので………」

 

「失礼します‼」

 

鈴達は逃げる様に千冬から遠ざかろうとしたが、そう問屋が卸さなかった。

鈴と箒の着物の襟を掴み、セシリアの裾を踏み三人の動きを止めたのである。

 

「まぁ、そうは言わずに………中に入れ」

 

「「「はい」」」

 

千冬の一言で鈴達は部屋の中へと入る。

 

「そうだ、一夏。風呂に浸かって来い」

 

「……そうだな。汗も掻いたし………風呂に行って来る」

 

「長風呂してきて良いぞ」

 

「ありがとう‼ 千冬姉‼」

 

そう言うと一夏は風呂へと向かって行く。

 

「鈴、楯無と簪を連れて来い」

 

「わ、解りました…」

 

千冬の指示で鈴は、楯無達を呼びに向かって行った。

 

「箒、シャルロットとラウラを呼んで来てくれ」

 

「あっはい」

 

箒はラウラ達を呼びに部屋を出た。そして、残されたのは千冬とセシリアだけである。

 

「……何を緊張している?」

 

「い、いえ‼ 織斑先生とこうしてお話をする機会が無いので、どう話せばよいのか判らなかったのですわ」

 

「そうか………そう言えばオルコット。お前はヤマトの事を好きなんだよな?」

 

「なっ⁉」

 

千冬言われ、セシリアの顔は真っ赤に変わる。

 

「そう簡単に顔に出しては、これから生きてはいけないぞ?」

 

「………」

 

千冬に言われセシリアは黙る。そして、それと同時に楯無達とラウラ達が合流するのであった。

 

「さて、それでは女子会を始めるか」

 

「女子会ですか?」

 

「ですが………」

 

「なんだ? 私が女子とでも言えないのか?」

 

鈴と箒の言葉に気を触ったのか、千冬が二人を睨みつける。そして、冷蔵庫の中に入っている飲み物を徐に取り出すと、全員の前に置いた。

 

「まぁ、なんだ。飲み物一つ無いでは話も盛り上がらないだろう。好きな物を選んで飲め」

 

千冬に言われ一部を除き訝しみながら飲み物に手をだした。

 

「さて、楯無。お前達の娘持連れて来て良いのだぞ?」

 

「そう言う事でしたら……連れて来ます」

 

千冬に言われ楯無は明日菜を呼びに部屋に戻った。

 

「呑んだな?」

 

「………毒でも入れましたか?」

 

「バカ者‼ そんな事する必要が無いだろう………これで、私も飲めると言う事だ」

 

そう言うと千冬は冷蔵庫からビールを取り出し、プルタブを開けると一気に喉をうるわせた。

 

「今は勤務中じゃ………」

 

「貴様らの手に持っているのは何だ?」

 

『あっ‼』

 

鈴達に配られた飲み物は口封じの為であった。

 

「失礼します」

 

「あっ‼ 千冬お姉ちゃん、お酒飲んでる‼ いけないんだー‼」

 

楯無に手を引かれた明日菜が、ビールを飲んでいた千冬を見て指摘した。

 

「まぁ、なんだ………私にとってはこれがジュースなんだ。勘弁してくれ」

 

「明日菜にもジュース、頂戴‼」

 

「何が飲みたい?」

 

「オレンジジュース‼」

 

「そうか」

 

明日菜に言われ、千冬は冷蔵庫の中からオレンジジュースを取り出すと、明日菜が呑み易い様にコップまで用意し、注ぐと明日菜に手渡した。

 

「ありがとう‼」

 

「すみません。織斑先生」

 

「気にするな……子供は元気が一番なんだ。だが、お前も母親らしくなったのではないのか?」

 

「そうでしょうか?」

 

千冬に言われ楯無は顔を傾げる。

その一連を見ていた鈴達は、「誰? この人」と言う表情をしていた。

 

「さて、これで全員が集まったな………女子会の始まりだ」

 

千冬の言葉で女子会が執り行われるのであった。




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