インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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今回も連続投稿です‼


第六十六話

IS学園から離れた海域では、アークエンジェル級二隻による戦闘が開始された。

男女平等を謳うジブリールとアズラエル。そしてIS学園を護ろうとするマリュー達。お互いの譲れない者同士による戦闘は火蓋が切られた。

先制攻撃を行ったのはジブリール達が乗るドミニオンであった。ドミニオンはゴットフリート二基、バリアント二基、ミサイル一斉掃射を行い、アークエンジェルに先制攻撃を行う。

だが、マリュー達は冷静に対処する。イーゲルシュテルンでミサイルを撃ち落とし、ゴットフリートやバリアントによる攻撃は、回避運動によりアークエンジェルの船体に当たる事は無かった。

また、仕返しとばかりにアークエンジェルも攻撃を行う。それは、ドミニオンと同じ戦法であった。だが、違うとすれば、無人機のISを使っているか有人機のISを使っているかの差である。

同型艦による戦闘は、どちらも同じ武装を装備している事もあり決着がつく事は無かった。だが、ドミニオンは艦首に設置されている陽電子破城砲“ローエングリン”を破壊されている所為で、最大の武装を使う事が出来ない状況下であった。

一方のアークエンジェルは無傷である為、ローエングリンを撃つ事は可能である。だが、既に大気圏で撃っている事もあり、乱射する事は出来なかった。どれだけ大気汚染を抑える改良型のローエングリンを装備していても、抑えられているだけであって、撃ち放題では無いのである。

一向に決着が付かない同型艦による戦闘は、第三者による介入によって覆されてしまう。

 

『こちらはミネルバです。直ちに戦闘を停止し、武装解除を行ってください』

 

オープン回線による通信はキラ達にも聞こえていた。

 

「グラディス艦長⁉」

 

「生きていたのか‼」

 

『その声は……アスランにキラ・ヤマト………まさか、こうして合う事になるとわね』

 

キラ達の声に反応したタリアであったが、心を鬼にし、再度通告する。

 

『再度通達します。武装解除を行い、こちらの指示に従ってください』

 

「こちらはアークエンジェル級一番艦アークエンジェル。艦長のマリュー・ラミアスです。お久しぶりです。グラディス艦長」

 

『まさか、貴女までいるとは………いえ、今はそう言う話をする時では無いわ。こちらの要求を呑んでもらえますか?』

 

「それは、出来ません。我々の目的はIS学園の防衛です。攻めると言うのであれば、こちらもそれ相応の対応をさせて頂きます」

 

マリューとタリアはジブリール達を放置してお互いの意見を交差させる。

 

「あ~聞こえますかな?」

 

「この声は⁉」

 

『アズラエル⁉ まさか、ブルーコスモスの盟主までいるとは………それで、あなた方は我々の要求を呑むのですか?』

 

「こちらとしても、要求を出します。それを呑んで頂けると言うのであれば、従います」

 

『………要求とは?』

 

「男女平等の世界を作り上げる為、我々と協力をして貰いたい」

 

『「………え?」』

 

アズラエルの言葉にマリューとタリアは驚きの声を上げる。と言うよりも、困惑した様子の声を上げた。

 

『……待って下さい。あなた方はブルーコスモスであり、女尊男卑の世界を作り上げるのが目的では無いのですか?』

 

「何を言っておられるのですか? 確かにブルーコスモスは存在します。ですが、過去は過去です。我々の目的は男女平等の世界を作り上げるそれだけが目的なのです。そして、女尊男卑と言う世界を作り上げた元凶であるある人物を拘束する為に、我々は出向いて来たのです」

 

『因みに、それは誰の事を指しているのかしら?』

 

アズラエルの言葉にタリアは束の方を見ながら尋ねる。この世界を作り上げたのが束であると言うのは間違いの無い事である。それを言われてしまっては、こちらとしても弁護する余地が無いと言っても過言では無かった。

だが、アズラエルは束ではない人物の名前を上げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、IS学園の地下ではある人物が作業を進めていた。

 

「これで私達の悲願が叶う。男なんて所詮は種を生み出すだけの存在。一定の数を消して、この世の中は女性が支配するのです‼」

 

「やはり貴女でしたか………」

 

学園の理事長である笠松は、その人物と接触していた。

 

「あら? 理事長ではありませんか………なにかご用ですか?」

 

「貴女はこの世で何を望んでいるのですか‼ 答えなさい‼」

 

「フフ……フフフ………何を言っておられるのかさっぱりですわ………まぁ、私を見てしまったのです。冥土の土産にお教えしておきましょう。我々、女性権利団体はこの世に存在する男を言っていの数まで減らします」

 

「なぜ、そのような事をするのですか‼ 子供を作る為には男性も必要です‼」

 

「いえ、男性なんぞ種を生み出すだけの生物………それに既に存在しているでは無いですか? 人工子宮から生まれた者が………」

 

「まさか‼ グッ‼」

 

笠松はある人物を思い出した瞬間、銃弾に撃たれ倒れてしまう。

 

「フフフ……私はあなたの事を好いていました。ああ、これは恋愛と言う気持ちでは無く、種を生み出すと言う意味で言っているのです」

 

「な……ぜ………だ………」

 

笠松は虫の息で尋ねた。そして、地下室の一角から光が入り、その人物に当たると姿が現れた。

 

「イ……ギリ……ス代表………候補生である………貴女が………なぜ‼」

 

「わたくしの母は父親に殺されましたわ。それも残虐な方法でね………だから復讐するんですよ‼」

 

そう言うとその人物は笠松に残っている銃弾を放ち、笠松は息絶えてしまうのであった。

そして、笠松を殺した人物こそ女尊男卑と言う世界を作り上げた人物であった。

 

「さぁ、我が眷属達よ………今こそ男共に見せるのです‼ 無能である貴様らは減らされる種族だと言う事を‼」

 

IS学園の地下から数十機もの無人ISが飛び立ち、キラ達に襲い掛かるのであった。


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