インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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一番、この作品が書いている気がしてしまう………




第六十四話

キラとアスランは、ドミニオンの動きを監視する為、アークエンジェルから発進しようとしていた。

 

「キラ、どう思っている?」

 

「どうって?」

 

「ドミニオンの事だ。まさかと思うが………」

 

「可能性は無きにあらずと言った所かな……」

 

二人が考えているのは、過去にドミニオンと対峙した時、艦橋に残っていたアズラエルとナタルの事であった。

もしかしたら、今回のドミニオンの中にアズラエルの様な人間が乗っているのではないかと思っていたのである。

 

「それは、ドミニオンの動きを見てから判断しても遅くは無いと思うよ」

 

「そうだな……」

 

二人は、与えられた任務を遂行し、IS学園を護ると言う気持ちであった。

 

『二人とも、準備は良い?』

 

「大丈夫だよ、ミリー」

 

「ああ、俺も大丈夫だ。ミリアリア」

 

モニターにミリアリア・ハウが表示され、二人に準備が整ったのか確認と発進の合図を送る為、通信をキラ達にした。

 

『判ったわ。カタパルトオンライン。射出推力、正常。進路クリアー‼ X20Aストライク・フリーダム発進どうぞ‼』

 

「キラ・ヤマト。フリーダム、行きます‼」

 

『続いて、X19Aインフィニット・ジャスティス発進どうぞ‼』

 

「アスラン・ザラ。ジャスティス、出る‼』

 

ミリアリアの合図で二人はアークエンジェルから出撃するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、アークエンジェルの上空ではムウを始め、楯無、簪、シャルロット、ラウラがアークエンジェルを護る様に停空していた。

 

「さて、キラ達からの知らせを待つだけだからな………だが、ドミニオンか………」

 

「何か思入れでもあるのですか?」

 

「あると言えばあるな………少しだけ昔話をしよう。キラ達の過去を知っているのは?」

 

ムウの言葉に楯無と簪の二人が手を上げた。

 

「二人は知らないと言う事か………キラ達を始め、アークエンジェルのクルー達はこの世界の住人では無い。それはさっき、説明したな?」

 

ムウの言葉にラウラとシャルロットは頷く。

 

「俺達が居た世界は戦争が絶えない世界だったんだ。一時的に終戦しても、数年後には戦争を始める。そんな世界だった。そこで、俺はキラがフリーダムに乗り換える事になり、ストライクに乗る事になった。そこで、アークエンジェル級二番艦、ドミニオンと対峙した時、ドミニオンの陽電子砲をストライクのシールドで受け止めた」

 

「え?」

 

「そんなことしては⁉」

 

ムウの言葉にラウラとシャルロットが驚く。既に二人はアークエンジェルの武装に関しての説明を受けていたので、どれほどの威力を持った武装なのかを知っていたのである。

 

「ああ、ストライクはバラバラに散って、俺だけが何とか助かった。だが、それだけで終われば良かったんだがな………俺は当時の地球連合軍の一部に助けられた。だが、そこで記憶操作が行われ、ネオ・ロアノークと言う人格を埋め込まれ、地球連合軍の特殊部隊“ファントム・ペイン”の指揮官として戦場に立つ事になった。だが、キラ達と戦っとき、捕虜になって、マリューをもう一度好きになってアークエンジェルに残る事になった。だが、俺がこうして、ムウ・ラ・フラガとして存在できるのも、陽電子砲のお陰なんだが………そこの詳しい話は後でしよう。キラ達から連絡だ」

 

ムウはそう言うとキラ達から連絡を聞いていた。

 

「分かった。坊主たちは戻って来い‼」

 

ムウはキラ達に指示を出すと、楯無達の方に機体を向けた。

 

「さて、キラ達からの報告ではドミニオンは完全にこちらを敵視している事が判明した。既に海上に出ていると言う事だ。各自、気を引き締めろ‼」

 

『了解‼』

 

ムウの言葉で楯無達は気を一層、引き締めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラ達がドミニオンを探している所まで遡る。

 

「キラ、ここら辺だったよな………」

 

「うん………見付けたよ‼」

 

キラ達は海中に潜んで航行しているドミニオンを発見する。だが、キラ達がドミニオンを発見した瞬間、ドミニオンからの先制攻撃を受けてるが、キラ達は余裕を持って回避行動を取る。

 

「キラ、ドミニオンを海中から引きずり出すぞ‼」

 

「判った‼」

 

アスランの言葉でキラはドラグーンを展開させ、海中にビームを放って行く。だが、海中に潜むドミニオンにはその攻撃が当たっている様子は無かった。だが、キラ達にはそれで良かったのである。

自分達の事を脅威に感じ取ったドミニオンは海中から海上に出て来ると踏んでいたからである。

 

「出て来るぞ‼」

 

「ムウさんに報告しとくよ‼」

 

キラは通信を開き、ムウに報告を入れる。

 

「こちらキラ・ヤマト。ムウさん、聞こえていますか?」

 

『聞こえてるぜ…それで、ドミニオンはどうだ?』

 

「完全に僕達の事を敵視しています。既に海中から海上に出す事に成功しているので、このまま武装の一部を破壊した後、帰投します」

 

『判った。こちらでも準備をしておく。気を付けろよ』

 

ムウに報告を終えたキラは、アスランと連携をしてドミニオンの脅威となる武装の一部を破壊する為、行動を写す。

 

「アスラン‼ ローエングリンだけは破壊しておこう‼」

 

「そうだな。あの武装は脅威でしかない………行くぞ‼」

 

「うん‼」

 

キラ達はドミニオン…基、アークエンジェル級の最大の武装である陽電子破城砲“ローエングリン”の破壊する事に決めると、そこからの動きは簡単であった。

キラはドラグーンを全機、射出させハイマット・フル・バーストを仕掛ける準備を行い、アスランもファトゥム‐01とビームライフルによる一斉射撃体勢を整えた。

 

「「いっけぇぇぇぇぇ‼」」

 

二人からの攻撃にドミニオンの船首に設置されているローエングリン二基は跡形も無く破壊されるのであった。

キラ達はそれだけを確認した瞬間、身を翻し、アークエンジェルへと戻るのであった。


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