インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士 作:武御雷参型
それと、第五十二話の一部を変更しています。
一夏は元気が無いまま、謎のアークエンジェル級の話に戻された。
「それでは、話を戻します。我々はこれより謎のアークエンジェル級の事をドミニオンと仮称します。ドミニオンが所有している戦力に関しては、まだ分かりません。そこで、キラ君、アスラン君の二名はこれより出撃し、ドミニオンの動きを監視してもらいます」
「「了解‼」」
「次にムウはアークエンジェルの上部甲板にて待機」
「りょーかい」
「織斑先生たちIS学園組もアークエンジェルにて待機してもらいます」
マリューの指示にセシリアは挙手をして発言の許可を得る。
「オルコットさん、どうぞ」
「ありがとうございます。わたくし達は待機と言う事ですが、機体は展開して待機なのでしょうか? それともフラガ先生の様に上部甲板にて機体を展開して待機なのでしょうか?」
「キラ君、どうする?」
セシリアの質問にマリューは隊長であるキラに尋ねた。キラは、少し考える素振りを見せると、決心したかのように指示を出した。
「ラウラ、シャルロットはムウさんと同じ様に展開して待機して。オルコットさん達は格納庫で待機をお願いします」
「ですが‼」
「オルコット……ここでの隊長はヤマトなんだ。大人しく指示に従え。それと、無闇に戦力を落とす気はないんだろう?」
セシリアは一瞬、キラに噛み付こうとしたが、千冬の言葉で大人しくなる。そして、キラの思惑も千冬には筒抜けの様であった。
「やはり、判っていましたか………そうです。君たちにはISが来た時に対処してほしい。但し、これは強制的では無い。君たちが本気で戦うつもりがあると言うのであれば、志願してほしい」
キラの言葉に真っ先に手を上げたのは真耶と千冬であった。そして、鈴とセシリアも静かに手を上げた。
「一夏………君はどうするつもり?」
「おれは………」
一夏はアスランの言葉が頭の中でリピートしていた。そして、今この場に自分がいる必要が無いと感じていたが、それを覆したのは、鈴であった。
「一夏‼ アンタ、それでも男なの⁉ 男ならビシッとするんじゃないの? それとも何? アンタの護りたいと言う言葉は、嘘偽りなの⁉」
「ッ⁉ 違う‼」
「だったら‼ 「鈴、そこまでだよ?」キラ………」
鈴の言葉に一夏は否定するが、それでも声に覇気が無かった。そんな一夏を見て、鈴には怒りがこみあげて声を荒げようとした瞬間、キラが止めに入ったのである。
「この問題は一夏だけの問題でもあるんだ………それに、君も人の事が言えるの?」
「ウグッ………判ったわよ。でも、最後にこれだけは言わせて。私は、アンタの強い心に惹かれてるの‼ それだけは忘れないで‼」
鈴はそう言うと顔を赤くさせてそっぽを向くのであった。それを見ていたキラ達は微笑んでいたのだが………
「では、決まった様ね。これより作戦を開始します。各自、自分達の持ち場について‼」
『了解‼』
マリューの言葉で全員が動きだすのであった。
その頃、国際IS委員会の本拠地が置いているアラスカでは、戦場と化していた。
中でも酷いのが、空中に浮かぶ戦艦による攻撃によって撃墜されたISの数である。本拠地にはそれなりの数のISが配備されていたのだが、尽く、破壊されコアだけが丁寧に抜き取られていたのである。
そして、三機のフルスキンタイプのISが戦艦を護る様に配置されていたのであった。
「これで、一つ目の目標は達成した事になるな………」
「篠ノ之束博士。次はどうするおつもりで?」
「決まってるじゃん‼ ロゴスを叩く。そして、この世界の女尊男卑と言う概念を崩す。最終的には全てのISを宇宙で活躍できる世界を作り上げる。それがこの天災篠ノ之束様の夢なのだ‼」
ミネルバの艦橋ではタリアを始め、ラウ、ギルバート、束の姿があった。
「この世界は私達が居た世界よりも酷い世界になっている。我々が出来る事はお手伝いするつもりなので」
「ありがとう、ターちゃん‼」
「ターザンみたいな呼び方に聞こえるのは私だけかしら?」
「「…………」」
束に渾名で呼ばれたタリアだが、渾名がターちゃんとと言う事もあって、響き方がターザンに聞こえてしまうのである。それを呟くとラウとギルバートは笑いを堪えながら顔を背けた。
「さ、さて………そろそろかな?」
「あ、ああ。ロゴスが極秘で建造していたと思われるアークエンジェル級二番艦ドミニオンが学園に近づいているのであろう? それにデストロイも……」
ギルバートとラウは笑いを必死にこらえ、ロゴスの動きについて話していた。
「だが、あそこにはキラ君とアスランがいる。心配する必要は無いだろう?」
「ああ。彼らにも私達の夢の手伝いをして貰おう」
「(そんな簡単に夢についてきてくれるのかしら?)」
ラウとギルバートはそう言うが、タリアはアスランの性格上、着いて来なさそうな雰陰気があったので心配であった。
「さて、今からIS学園に戻っても間に合うかな?」
「多分、間に合わないだろう。だが、向かう価値はあると思う」
「タリア」
ラウとギルバートは二人だけで話し合うと、ギルバートがタリアの名前を呼ぶと、タリアは何を言いたいのか判ったのか、すぐにトールたちを呼び戻し、行先をIS学園へと向かうのであった。
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