インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士 作:武御雷参型
冬イベ? 何それ? 美味しいの?
ラウラが纏ったストライク・アストレイは、ファーストシフトを行った事により機体が新機種へ変貌した。
「ストライク・アストレイ・フォースブレイク……一撃に迷いを断ち切る力か……」
「ラウラにピッタリな機体だね」
キラはモニターに映し出されたラウラの機体情報を見るが、ストライク・アストレイの数倍の力を有している事が判明した。
「ラウラ、身体に問題は無い?」
『ああ。なんだか……温かい気持ちになる』
「そうなんだ……君には護れるだけの力があるんだ。それを有効的に使って欲しい」
『判っている‼』
キラの言葉にラウラは強く頷いた。
「出撃するよ。シャルロット、ラウラ。準備は良い?」
『大丈夫だ』
「僕も大丈夫だよ‼」
キラの言葉にシャルロットはワイバーン・ドラグーンを展開させる。
すると、天井部が開いて行き青空が拡がる。
「キラ・ヤマト。フリーダム、行きます‼」
「シャルロット・デュノア。ワイバーン・ドラグーン、出ます‼」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ。SアストレイFB、出るぞ‼」
三人は青空の広がる世界へと飛び出すのであった。
その頃、IS学園では千冬を筆頭に専用機持ちが集結していた。
「お前たちも知っているだろう。学園に未確認機と未確認空母群が向かって来ている。ヤマト達にも救援要請を出している。もう直につくと言う連絡を受けている。お前たちにして貰いたいのは、未確認機を学園に近づけさせ無い事だ。ただし、闇雲に突撃するのは禁止する。判っているな‼」
≪はい‼≫
千冬の言葉に専用機持ちは強く頷く。
「それでは、作戦開始だ‼」
千冬の言葉で全員が出撃していく。
「一夏、アンタは近距離専用機なんだから、気を付けなさいよ」
「ああ、判っている………」
鈴の言葉に一夏は頷くが、表情は優れていなかった。
「一夏さん……どうかされましたの?」
「いや、もしキラ達がこの場にいたら、簡単に解決してるんだろうなって、思ってさ」
セシリアの言葉に一夏はキラ達がいれば、自分達が出る必要は無いと考えていた。
「確かにキラ達がいれば、簡単に終わってるかもね………でもそれは“たられば”の話なんだから………今は私達に課せられた使命を果たすだけよ‼」
「そうですわ、一夏さん。わたくしたちの機体はダメージCと言う本来は、出す事が難しい程の損傷を受けても尚、出て来ているのです。覚悟をお持ちになりなさい」
「………そうだな、すまない二人とも。ありがとう」
セシリアと鈴の激励に一夏は気を引き締める。
「そうよ、キラ君達は後から来るんだから………私達が食い止めておかなくちゃ、他の生徒達に危険が迫ると言う事だけは忘れないで」
「……織斑一夏……私はあなたを許すつもりは無い………でも、今はそれを忘れる。だから、勝手な行動は慎んで」
簪はそう言うと戦列から外れて行く。楯無は苦笑いをする。内心では(素直じゃないわね)と思っていたのである。
「と言う事だから、あなたは私達が護ってあげるわ。だから、無様な戦いはしないでね」
「はい‼」
楯無の言葉に一夏は強く頷く。
「目標を発見したわ。各員、戦闘準備‼」
楯無の言葉は良く通る声をしていたのであった。
「あの時の機体とは違う?」
「油断しないで‼ あの機体は前の機体より上の機体だから‼」
未確認機はダガータイプの機体であったが、機体色やこまごまとした部分が違っていた。
「あれは………ダガーLね……各自、散開‼ 一人で倒そうなんて考えないで‼」
≪了解‼≫
楯無の指示で全員がツーマンセル状態でダガーLと戦う事となった。だが、学園側の機体は楯無、簪、一夏、鈴、セシリア、ダリル、フォルテの七人で出撃をしているが、そのうちの鈴とセシリアの専用機は損傷が激しい機体であった為、無理な戦闘は控えなくてはいけなかった。
「鈴ちゃんは簪ちゃんと。セシリアちゃんは私と一緒に行動しなさい‼ フォルテ、ダリルは一夏君を護ってあげて‼」
「しかたがねぇーな……一年ボウズ‼ 遅れんなよ‼」
「は、はい‼」
ダリルの悪態に一夏は嫌な顔をせずについて行った。
その頃、アークエンジェルでは出撃態勢が整えられていた。
「キラ君とシャルロットさん、ラウラさんは現地で集合するわ‼ 各自、戦闘用意‼」
艦橋ではマリューが指示を出していく。
「MS隊が出撃後、我々は空母群の討伐に向かいます。ゴットフリート、バリアント一番二番起動。コリントス装填。海上に出た後、攻撃を仕掛けます‼」
≪了解‼≫
マリューの指示を聞いたクルー達は、準備を整えて行く。
そして、白亜の艦が海上に出た瞬間、カタパルトにはアスラン達がスタンバイしていた。
『カタパルト正常。アカツキ、発進どうぞ‼』
「ムウ・ラ・フラガ。アカツキ出るぞ‼」
ミリアリアの官制でムウが先に出撃する。
『次にジャスティス、発進どうぞ‼』
「アスラン・ザラ、ジャスティス出る‼」
次に出撃するのはアスランのジャスティスが出撃する。
『ドム・トルーパ、発進どうぞ‼』
「ヒルダだ、ドム行くよ‼」
「ヘルベルト、ドム行くぜ‼」
「マーズ、ドム行くぞ」
次にドム小隊が出撃して行くのであった。
空母群の旗艦である“ロナルド・レーガン”の艦橋では一人の男が戦況を見ていた。
「指令、我が軍が優勢ですな」
「ああ、だが油断は出来ないぞ?」
「判っております………増援を送りますか?」
指令は増援を出そうかと考えたが、このままいけばこちらの勝利で終わると思っていたので、増援を送る事はしなかった。
「いや、増援は無しだ。このまま進んで行く」
「判りました」
指令の言葉に副司令官は頷いた。だが、戦況が変わってしまう事にこの時、空母群の全員が知らなかったのであった。
「熱源発見しました‼ 数1‼」
「なに?」
「どう言う事でしょうか? 熱源クラスは?」
指令と副指令は熱源が一つしか無い事に疑問に思った。
「熱源は戦艦クラス……いや、見た事も無い熱源反応です‼」
「ISではないのか‼」
「大きさが違います‼」
この言葉に指令は一つの事を思いだした。
「まさか⁉ あの噂は本当だったのか………」
「噂ですか?」
指令の呟きに副指令は訝しむ。
「ああ、君も聞いた事は無いかね? 学園を護る白亜の戦艦が居る事を……」
「確かに聞いた事はありますが………噂程度でしか考えていませんでした」
「我々は……負けるかも知れないな」
指令の呟きは本当になるのであった。
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