インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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お待たせしました‼ 書き上げれたので、投稿いたします‼
今回でラウラの専用機が登場です‼


第五十六話

ラウラはストライク・アストレイを身に纏った瞬間、意識を暗転させ、気付くとそこは一面が野原の茂る草原が広がっていた。

 

「ここは………」

 

〈気が付いたのね………〉

 

「誰だっ‼」

 

ラウラの目の前には、草原しか映っていなかったが、どこからともなく声がした為、ラウラは臨戦状態に入った。

 

〈そう気張らなくても大丈夫よ〉

 

〈そうそう、カガリ様の弟君が選んだ人だもん〉

 

〈間違いは無いわね〉

 

最初は一人だったが、三人に変わり、ラウラは一層、気を張った。

 

〈仕方が無いわね……ジュリ、マユラ。姿を出しましょう〉

 

〈そうね〉

 

〈その方が、話しやすいもんね〉

 

そう言うと、ラウラの目の前には三人の女性が現れる。

 

「貴様らはなんだ‼」

 

「私の名前はアサギ・コードウェルよ」

 

「私はマユラ・ラバッツ」

 

「私はジュリ・ウー・ニェン」

 

三人の名前にラウラは、誰なのか判らなかった。

 

「私達は、ストライク・アストレイだっけ? その機体の前の機体であるM1アストレイの正式パイロットよ」

 

マユラの説明に、ラウラはいまいち判っていない様子であった。

 

「まぁ、そんなに考える必要は無いわ………本題に入りましょう。貴女は今、ストライク・アストレイのコアの内部にいます」

 

「私達は、その意識と思ってもらって構わないわ」

 

「だけど、貴女が目が覚めた頃には私達は消える」

 

順にマユラ、アサギ、ジュリでラウラに説明をしていく。

 

「私達は貴女にお願いがあって、来たの」

 

「正確には、呼んだと言った方が判りやすいわね」

 

「お願いだと?」

 

マユラとアサギの言葉にラウラは、訝しみながら尋ねる。

 

「そう。貴女にはこのストライク・アストレイのパイロットとして素質があるか、調べたいの」

 

「そして、素質があったら本当の貴女専用機に生まれ変わるわ」

 

「………その素質とはなんなんだ?」

 

「まぁ、これから尋ねる質問に答えるだけで良いわ。それだけで判るから………では、第一問」

 

ラウラの言葉にアサギは答えるだけで良いと言って、質問に移った。

 

「貴女にとって力とはなに?」

 

ジュリから出された質問にラウラは考える。だが、答えはキラと千冬に出された質問の事だと思いつき、自分が思った事を正直に曝け出す。

 

「護りたい者を護る」

 

「そう……では、その護りたい者は誰?」

 

「………」

 

ラウラの答えにマユラが質問する。

ラウラにとって、家族と言う存在はいない。昔であれば、部隊の皆と答えられたかもしれない。だが、それはまだラウラがドイツ軍の特殊部隊の隊長だったらのIFの話である。

しかし、今は誰を護っていいのか判らないのが、現状なのだ。

 

「答えられないと言う事は、居ないと言う事ね………それで良いのかしら?」

 

「なに?」

 

「貴女にとって護りたい存在は身近にいるものよ。例えば………あの金髪の娘とか」

 

「シャルロットは……まだそう言う関係になれていない。だから、護るとか護られると言う事では無いぞ」

 

マユラの質問にラウラは答える。一瞬、シャルロットの顔を思い浮かんだが、部隊が一緒と言う関係性でしかないと、ラウラは考えていたのである。

 

「そうかしら? もしかしたらシャルロットちゃんは、貴女を護りたいと思っているかもよ?」

 

ジュリの言葉にラウラは首を振る。

 

「私は一度、力に溺れた存在だ………そんな奴を護りたいと思う奴などいないだr「それが答え?」ッ⁉」

 

ラウラの言葉に被せて言ったアサギの言葉と表情は真剣であり、ラウラを見つめる瞳はラウラが言っている言葉は偽りであると確信を持った瞳であった。

 

「それが答えで良いのかしら?」

 

「………前に教官とヤマトに言われたんだ。君に護りたい者はあるのかと……私は答えられなかった。そして、ヤマトに一緒に見付けてほしいと頼んだ。だが、まだ見つかっていないんだ‼ どうすれば良いんだ‼」

 

「それが答えじゃない」

 

「え?」

 

ラウラの本音にアサギの表情は綻んだ。

 

「見付けられない。それだけで終わっていたら、私達は貴女にこの機体を預けられていなかったわ。だけど、貴女は誰かに助けを求め、そして求められた者は答えようとしたんでしょ? なら、それで良いじゃない」

 

「だが‼ 私は答えを見つけられていないんだぞ‼」

 

「そう、それが答えよ」

 

アサギはラウラの答えが正しいと言う。そしてジュリ達も頷いていたのである。

 

「人は誰もが答えを求められない事ばかりよ。それを追求していく事が人生なの。だから、貴女は迷って当然よ」

 

「それに、簡単に答えなんか出されてちゃ、意味が無いもの」

 

「だから、私達は貴女はこの機体を扱う素質があると思ったわ。

 

アサギ、ジュリ、マユラの順番でラウラに言って行く。すると、三人の姿が段々と薄くなっていく。

 

「そろそろ、目覚めの時間ね………」

 

「私達三人はずっと、あなたの事を見ているわ」

 

「だから、迷って貴女が死んだとき、私達に答えを聞かせて?」

 

「待て‼ 一問しか質問していないぞ‼」

 

〈あら? 誰が何問もあると言ったかしら?〉

 

〈私達は何も言ってないわよ〉

 

〈だから、頑張りなさい〉

 

〈〈〈ラウラ・ボーデヴィッヒ‼〉〉〉

 

「ッ⁉」

 

三人が自分の名前を呼んだ瞬間、ラウラは草原からキラ達がいる格納庫に戻っていた。

 

「………ありがとう。マユラ、ジュリ、アサギ………私はいつか守れる人間を探し出して見せる‼」

 

ラウラがそう意気込みを言った瞬間、ストライク・アストレイは光り輝き、ラウラを包み込んだ。

 

「まさか‼」

 

「ファーストシフト⁉」

 

キラとシャルロットは驚く。まだ、機体としては完成していてもラウラ専用に調整をしていないのにも関わらず、ファーストシフトしたからである。

そして、光が止む頃には、ストライク・アストレイは、変化しており、ストライクに似た機体へと変貌していたのである。

 

「機体名……SA-X01 SアストレイFB」

 

ラウラの機体はキラが使っていたストライクと発展機であるストライクE、そしてアストレイを組み合わさった機体に成り変わり、外見にはあまり変化していないが、肩部がストライクの物に変化しておりまた、大型スラスターが増設されたぐらいであった。だが、内部構造はストライクの物に変わっており、ISコアとは別にバッテリーが増設され、パワーエクステンダーも装備されていたのであった。




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