インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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読者の皆さん、気付きました? まだこの話数で原作の二巻なんですよ。おかしいですよね~………何があったし⁉


第四十七話

未曽有のIS学園襲撃から、半月が経った。

IS学園は、校舎の一部を破壊されてしまったが、既に修復が成され、普段通りに授業が執り行われていた。

放課後、地下ドックで収容されているアークエンジェル内部では、今後の世界の情勢を視野に入れた会議が執り行われており、出席者には、アークエンジェル艦長のマリュー・ラミアス、副長のムウ・ラ・フラガ、MSIS隊隊長のキラ・ヤマト、副隊長のアスラン・ザラ、隊員であるシャルロット・デュノア、IS学園理事長である笠松、IS学園防衛隊隊長の織斑千冬、副隊長の山田麻耶の計八名で、会議が行われていた。

 

「では、これより会議を行いたいと思います。現時点での、世界の動きはどうなっていますか?」

 

「はい、世界各国の情勢についてですが、アメリカはイスラエルと合同で軍用ISを開発する事が決まっています。フランスについては、現時点での動きは見られません。ドイツも同じく、動きを見せていませんが、いつ何をするか不明です。ロシアに至っては、何も動く様子は無く、現時点では敵対する事は無いと思われます。イギリスも同様です。日本ですが………何やら不穏な動きを見せていますが、現状は様子見をしようと思っています」

 

笠松の言葉にアスランが立ち上がり、現在の世界の動きを報告する。

 

「判りました。では、ヤマト隊長。ビーム兵器の生産についてはどうなっていますか?」

 

「ビーム兵器の製造ですが、現在、僕達のビームライフルをベースに、生産をしています。ですが、コストが高く、又、IS学園で所有している一部を除くISには不向きだと言う事が判明しています」

 

「それは痛いですね………ビーム兵器が使用可能な機体はあるのですか?」

 

「はい、IS学園に所属している僕達以外の専用機持ち達で見るのであれば、イギリスの代表候補生であるセシリア・オルコット、ドイツの代表候補生であるラウラ・ボーデヴィッヒの二名のみです。織斑一夏の専用機である白式には、搭載可能ですが出力の関係上、直ぐにエネルギー切れを起こす事が判り、除外しています」

 

キラは立ち上がり、ビームライフルの製造と搭載できるメンバーを出していく。

 

「現在、俺達の本来の機体を使用していますが、今後の事も考え、新たに機体を製造したいと思っています」

 

「どう言う事ですか? 今の機体では対応する事が難しいと言う事ですか?」

 

「いえ、そう言う事を言っているのではないのです」

 

笠松の言葉にアスランが否定する。

 

「僕達の本来の機体、ストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスの後継機を製造したいと考えています。製造する機体のスペックと武装に関しては、このUSB内部に入っているので確認してください」

 

キラが手にしているUSBを笠松に渡す。

笠松は、近くに置いているパソコンにUSBを差し込むと中身を確認した。

 

「………良いでしょう。許可します。君たちはこの学園の防衛を任されている身。君たちが思う様にやってください。それと、整備室を一つ、譲渡します」

 

「了解しました。僕達が出来り得ることを最優先で行います」

 

「お願いします」

 

キラの言葉に笠松は大きく頷いた。

 

「では、来週より開催される学年別トーナメントについてです」

 

笠松は、「これが本題だ」と言う意気込みで話し出す。

 

「前回、未確認機体からの襲撃や、今回の襲撃を踏まえタッグ戦で行いたいと思います。異議ある者はいますか?」

 

笠松の言葉に誰も異議無しの表情であった。

 

「異議が無い様なので、このまま話を進めます。織斑先生と山田先生には警備の統括を行って頂きます」

 

「判りました」

 

「精一杯務めます」

 

千冬と真耶は、承諾する。

 

「次にラミアス先生とフラガ先生は、緊急時の指揮を頼みます」

 

「判りました」

 

「了解した」

 

マリューとムウも笠松の言葉に頷く。

 

「最後にキラ君達ですが、一応、生徒と言う形でいますので、トーナメントに参加して頂きます。ですが、お二人が組んでしまうと、誰も勝てないのでランダムで決めたいと思います」

 

「その方が良いと思います」

 

「俺も賛成です」

 

キラ達も笠松と同じ事を考えていたのか、賛成した。

 

「しかし、君たちはこの学園の防衛隊所属の身です。なので、緊急時は独断で行動してください」

 

「「了解‼」」

 

笠松の言葉にキラとアスランは立ち上がり、敬礼して答えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、アリーナに鈴とセシリアの姿があった。

 

「あら? 鈴さんも特訓ですか?」

 

「そうよ、キラ達に負けてられない物」

 

「そうですわね………それで鈴さん。よろしければ、わたくしとタッグを組みませんか?」

 

「良いわね。私も丁度、アンタに頼もうかしらって思ってたところなのよ」

 

二人の意気は統合し不気味な笑いし始める。だが、そこに横やりを入れる者がいた。

 

「「⁉」」

 

二人は、砲弾が飛んで来た所を見ると、そこには漆黒の機体を纏ったラウラの姿が見受けられた。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ」

 

「何かご用ですか?」

 

ラウラの姿を見た鈴とセシリアは、いきなりの攻撃に怒りを覚えていた。

 

「中国の甲龍にイギリスのブルー・ティアーズか……ふん、データで見た方がよっぽどの出来だな」

 

「何? やる気なの?」

 

「わたくしたちは、いつでもお相手になりますわよ」

 

ラウラの挑発に鈴とセシリアは乗っかってしまう。

それを見たラウラは、ニヤリと嗤う。

 

「高々、量産機に二人掛りでも倒せなかった奴が何を言っている。所詮、数くらいしか取り柄の無い国と、古いだけが取り柄の国だな。人員不足で、仕方が無く専用機持ちにでもさせてもらったのか?」

 

この言葉には鈴とセシリアの堪忍袋の緒が切れそうになる。

 

「そうですか………スクラップにされたいらしいわね」

 

「鈴さん、じゃんけんで先にやる方を決めせん事?」

 

「二人掛りで来い。所詮、雑魚が増えた所で、私が有利なのには変わらんからな」

 

完全に舐められている鈴とセシリアは、ラウラの明らかな挑発に、二人の堪忍袋の緒が切れた。

 

「舐められたものね………ぶっ殺す」

 

「寛容であるわたくしも流石に…これには怒りましたわ………死んでくださいまし」

 

「とっとと来い」

 

「「上等(じゃぁ、ゴラァ‼)」」

 

ISを使ったケンカが始まるのであった。




学年別トーナメントが開催されるIS学園。防衛の為、千冬を始め、アークエンジェル隊の面々が集まり会議を行う。
一方、鈴とセシリアはトーナメントに向けた訓練を始めようとし、ラウラの横やりで、ISを使ったケンカが始まろうとしていた。

次回、インフィニットストラトス~蒼き天使と紅の騎士。第四十八話
「VTS」

黒兎を助け出せ、キラ‼


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