インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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なぜか、書き上げられましたwwww


第四十五話

アークエンジェルと未確認艦隊との戦闘は、終焉へと向かっていた。

 

「一気に殲滅します。ローエングリン起動‼」

 

「ローエングリン起動……一番、二番正常起動。チャージ開始します……」

 

マリューの指示により、アークエンジェルの最大武装である陽電子破城砲“ローエングリン”二門が姿を現した。

 

「撃ぇぇぇぇ‼」

 

ローエングリンから迸る光は、前方にいる未確認艦隊を呑み込み、砲撃が海に当たると水蒸気がユラユラと立ち上り、辺り一面を覆い隠した。

水蒸気が晴れると、アークエンジェルしか残されておらず、未確認艦隊はその姿を消し去っていた。

 

「敵のシグナル沈黙を確認。周辺に敵影無し」

 

ミリアリアからの報告にマリュー達はホッと胸を撫で下ろした。

 

「学園から連絡は?」

 

「ありません………状況変化‼ 学園が強襲されています‼」

 

「なんですって⁉ 急いで学園に戻ります‼ 学園に連絡をして頂戴‼」

 

「それが……何度もしていますが、応答が無いです」

 

「まさか………あの未確認艦隊は囮だとでもいうの‼」

 

マリューは自分達が出る事で、学園の護りが手薄になる事を知っている何者かによって、手引きされたと考える。

 

「キラ君達は‼」

 

「間も無く着艦します」

 

「通信を開いて」

 

マリューはミリアリアに指示を出し、モニターにキラが映し出される。

 

『こちら、キラです。何かありましたか? マリューさん』

 

「アークエンジェルへ戻らずに学園に戻って‼ 強襲されているわ」

 

『えっ⁉ 判りました。すぐに向かいます。アスラン‼』

 

キラは一方的に通信を切る。

 

「キラ君達、急いで……ムウ‼」

 

『話は聞いている。俺も今から出るぞ‼』

 

「お願い」

 

マリューは艦長席に設置されている受話器で、格納庫にいるムウに出撃を依頼するのであった。

 

 

 

 

キラ達はマリューからの報告を受け、アークエンジェルへ戻らずにその足で、学園へと戻る所であった。

 

「アスラン、シャルロット。話は聞いたね?」

 

「ああ、急ぐぞキラ‼」

 

「置いてかないでよ‼」

 

「掴まって‼」

 

キラとアスランは、急いで学園に戻るが、シャルロットのワイバーン・ドラグーンでは、キラ達のスピードに追い付けていなかった。

キラは手を差し出し、シャルロットを掴むとそのままスピードを上げる。

 

「こんな時にミーティアがあれば………」

 

「何物を願っても意味が無いだろ、キラ」

 

「だけど‼」

 

「口を動かす事より、学園に戻る事が先決だ」

 

「…………そうだね」

 

キラが言う通り、ストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスの追加武装である、モビルスーツ埋め込み式戦術強襲機“ミーティア”を使えば、学園までは一気に行けるのだが、残念ながら母艦であるエターナルがいない事により、それが不可能であった。

だが、そこで奇跡が起きる。

キラとアスランの愛機であるストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスが輝き始める。

 

「これって………」

 

単一仕様特殊才能(ワンオフ・アブリティー)の輝きか‼」

 

キラ達の機体の輝き方は、ワンオフ・アブリティー特有の輝き方であった。

輝きが一気に増し、無くなるとそこには大型モジュールを装備したストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスの姿が現れた。

 

「これで」

 

「行ける‼」

 

「うわぁぁぁぁ⁉」

 

キラ達はミーティアが装備されて事に驚くが、それよりも先に学園へ向かう事を最優先にし、向かうのだが…………シャルロットからすれば、いきなりスピードが上がった事に驚くのであった。

 

 

 

 

学園では、千冬のお陰もあってか、敵の数も少なくなっていた。だが、それでも一夏達には慣れない戦闘の所為で、体力を消耗し動きが鈍くなっていた。

 

「クソッ‼ 数が減らねえ‼」

 

「ぼやいてないで、手を動かしなさい‼」

 

「数だけ至って‼」

 

「学園は護りますわ‼」

 

「お姉ちゃん‼」

 

「だ、大丈夫………」

 

一夏達はいつの間にか、固まる形に追い込まれ、千冬も同じように、一夏達と一緒になってしまっていた。

 

「敵は手慣れだな………打破する方法は無くはないが………」

 

千冬はこの状況を打破する方法を、思い付くが、それを使う者が疲れている状況では、意味が成さなかった。

 

「私もここまでか………」

 

千冬が呟くのも仕方が無い。最初、装備されていた六本の刀は、数を減らし、残り三本になっていた。

 

「良く持ってくれた………もう少し付き合ってもらうぞ‼」

 

千冬が敵に突撃しようとした時、アラートが全員に鳴り響いた。

 

「これは⁉」

 

『全員、その場から動かないで‼』

 

「ヤマトか‼」

 

『一気に殲滅する。動くなよ』

 

「ザラまでもか‼」

 

アラートが鳴った原因はキラ達であった。

キラ達の忠告通り、一夏達はその場から動かなかった。

 

『いっけぇぇぇぇ‼』

 

『当たれぇぇぇ‼』

 

キラとアスランの雄叫びが聞こえたかと思われた瞬間、一夏達の周りにいた敵機が、光に呑み込まれ消滅した。また、後方にいた敵機は、飛来したミサイルによって撃墜され、その数を減らしていった。

 

『無事か‼』

 

「キラにアスラン⁉ どうしてここに」

 

『それどころじゃない。お前たちは補給して来い。再出撃する前に終わってるがな』

 

「どう言う事だって…………なんじゃありゃぁぁ⁉」

 

一夏がアスランに問いただそうとした瞬間、一夏達の前に大型モジュールを装備したストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスが現れ、その場にいた全員が驚きの余り、口を大きく開け放っていた。

 

『織斑先生。ここは僕達に任せて下さい。それとシャルロットを頼みます』

 

「あ、ああ。二人だけで大丈夫なのか?」

 

『任せて下さい』

 

キラ達がその場を離れると同時に、シャルロットが一夏達の前に舞い降りた。だが、その姿が変わっていた事に全員が驚いていた。

 

「デュノア、その機体は何だ? ラファールはどうした?」

 

「父が残してくれたデータで、キラ達が組み上げてくれました。これが今の僕の専用機、“ワイバーン・ドラグーン”です」

 

シャルロットの言葉に、再度、全員が驚くのであった。

 

 

 

 

キラとアスランは一夏達を後にし、学園へと向かって来ていた敵機を目視していた。

 

「数が多いな」

 

「そうだね………でも」

 

「「今の俺/僕達には関係ない‼」」

 

キラ達のモニターには、敵機を一つ一つロックオンしていた。

 

「行くよ、アスラン」

 

「ああ‼」

 

ミーティアからミサイル発射管77基が開き、両舷のビーム砲、そして手に持つビーム砲から火を噴き、敵機を殲滅するのであった。

序とばかりに、後方で待機していた空母二隻も纏めて撃沈させるのであった。

 

 

 

 

これにより、未曽有の学園襲撃は終わりを告げるのだが、これが未だに序章だと言う事に、この時、誰もが思いもしなかったのであった。




キラとアスランは、単一仕様特殊才能によってミーティアが装備され、学園に襲撃して来た部隊を殲滅する事に成功する。
だが、まだ学園には脅威が迫って来ている事に、誰も気付いていなかった。

次回、第四十六話
「脅威」

脅威から学園を護れ‼ アークエンジェル‼



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