インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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第四十三話

時は戻り、管制室からアークエンジェルに応援要請の報告を、ミリアリアから受けたマリューとムウは、すぐにアークエンジェルへと戻った。

 

「状況は?」

 

「現在、学園領海内に侵犯した不明艦五隻により、教師部隊二十機で対応していましたが、現在は打鉄が一機、ラファール三機の四機のみで対応しています」

 

「ムウ、出れる状態にしておいて」

 

「判った」

 

マリューの言葉を受け、ムウはすぐに艦橋を出ると格納庫へと向かって行った。

 

「アークエンジェルはすぐに出せるの?」

 

「既に準備は整っています。後は艦長の命令を待つだけです」

 

マリューの質問にアーノルド・ノイマンが答える。

 

「流石ね……間に合うわね。指揮所に通信を」

 

マリューの言葉にミリアリアは、学園の管制室に通信を入れた。

 

『こちら学園管制室。アークエンジェルは発進できますか?』

 

「こちら、アークエンジェルです。いつでも出れます」

 

『お願いします』

 

「了解しました」

 

マリューの言葉に管制室にいた教師は「ご武運を」と言って通信を終えた。

 

「アークエンジェル、発進します‼ 発進後、上昇角30。ムウは離水後、直ぐに出撃して」

 

『了解した‼』

 

 

アークエンジェルは静かに機密ドックから出て行くのであった。

 

 

 

 

一方、キラ達はミリアリアからの通信後、機体を展開していた。

 

「キラ、行くぞ」

 

「うん‼ シャルロットも付いて来て。これは訓練じゃないよ」

 

「う、うん」

 

キラの言葉にシャルロットは不安を隠せなかった。

 

「安心しろ。何かあれば俺達がお前を護ってやる」

 

「お願いします」

 

あすらの言葉にシャルロットの不安は少し和らぐのだった。

 

「アスラン、シャルロット。ちょっと待って。織斑先生から通信が来た」

 

『こちら織斑だ。状況は知っているな?』

 

「「「はい」」」

 

千冬の言葉に三人は頷いた。

 

『ではこれより、作戦を開始する。専用機持ち達はこちらで引き付けておく。なんとしてでも、学園から脅威を排除してほしい』

 

「「「了解‼」」」

 

『気を付けろよ』

 

千冬はそう言うと、通信を切る。

 

「行くよ二人とも」

 

「おう‼」

 

「うん‼」

 

キラの声にアスランとシャルロットは勢い良く返事をした。

 

「キラ・ヤマト、フリーダム行きます‼」

 

「アスラン・ザラ、ジャスティス出る‼」

 

「シャルロット・デュノア、ワイバーン出ます‼」

 

三人は急上昇し、戦闘エリアに向かうのであった。

 

 

 

 

そして、時は戻る。

アークエンジェルが海中から姿を現し、海上を航行するのではなく、その上を航行していた。

 

「後部ミサイル発射管全弾、スレッジハマー装填、バリアント、ゴットフリート目標、未確認艦艇前方200」

 

マリューの指示でアークエンジェルの一部を除き、すべての武装が起動し、目標を定める。

 

「撃ぇぇ‼」

 

バリアント、ゴットフリート、対艦ミサイル“スレッジハマー”が火を噴き、未確認艦隊の前方200mに着弾する。

 

未確認艦隊も負けじと、アークエンジェルに目標を変え、攻撃を行い始める。

五隻から放たれたミサイル合計320発のミサイルが、アークエンジェルへと迫っていた。

 

「あんな数のミサイル、持たないわ‼」

 

教師部隊の一人が呟くが、それは杞憂であった。

アークエンジェルに搭載されている対空自動バルカン砲塔“イーゲルシュテルン”16基がミサイルを迎撃していた。また、艦橋後方に設置されているミサイル発射管から対空防御用であるミサイル“ヘルダート”が放たれ、ミサイルを迎撃して爆煙を上げる。

 

「な、なに………あの戦艦」

 

教師達は、目の前の光景に目が離せなかった。だが、一人の男性の声で意識が戻る。

 

『そこの教師部隊‼ さっさとアークエンジェルに入れ‼ 他の教師達は既に回収している。後はお前たちだけだぞ‼』

 

「「「は、はい‼」」」

 

残った教師達もすぐに踵を返し、アークエンジェルへと向かっていく。

だが、無情にも教師たちの上から、ビームが舞い降り教師部隊に降り注ごうとしていた。

 

『チッ‼』

 

しかし、金色の全身装甲型ISが教師部隊の前に立ち、ビームを直に受け止めた。

 

『アカツキ‼』

 

だが、金色の全身装甲型ISに当たったビームは跳ね返された。

 

『不可能を可能にする男、ムウ・ラ・フラガ‼ こんな攻撃じゃ、簡単に堕ちはしない‼』

 

この光景を目にした教師部隊は、目の前の機体に釘つけであった。

 

『何をしている‼ さっさと行け‼』

 

教師部隊はすぐにアークエンジェルへと向かい始める。

 

 

 

 

ムウはビームが降った場所に目を凝らすと、そこには一機の全身装甲型ISが停空しているのを捕らえる。

 

「どこの機体だ?」

 

『…………』

 

ムウの問いに、未確認機体は答えなかった。

 

「まぁ、捕らえれば判る事だ‼」

 

ムウはアカツキを前進させ、未確認機体へと向かわせる。そして、バックパック“シラヌイ”に装備されているドラグーン7機をパージさせ、未確認機体へと向かわせた。

未確認機体も、アカツキから放たれたドラグーンを目視し、機体を動かした。

 

「お前はあの艦隊の仲間か‼」

 

『IS学園を排除する為に来た。いや、正確にはイレギュラーである男達を排除しに来た…』

 

「どう言う事だ‼」

 

『ISは女性だけのものだ‼ 男が乗って良い物では無い‼』

 

未確認機体は、肩に装備されている砲塔をパージさせ、ムウに向かわせた。

 

「ドラグーン⁉」

 

『そうだ、貴様やここにいるもう一人の男が乗っているISと同じドラグーンシステムを搭載している』

 

ムウと未確認機体は、それぞれのビームを回避しながら、通信を続けた。

 

「どこでその機体を手に入れた‼」

 

『我々のバックボーンが、私だけに渡してくださった最高の機体だ‼ 貴様なんかにやられはせん‼』

 

すると、未確認機体から放たれたドラグーンが、纏まったかに思われた瞬間、ビームが一つに纏められ、ムウに降り注ごうとした。

 

「残念だったな‼」

 

ムウは態と、そのビームを受け止めた。

 

「お返しするぜ‼」

 

アカツキに当たったビームは未確認機体へと反射される。

 

『ビームが反射される⁉ なら‼』

 

未確認機体は、反射されたビームを回避し、ビームライフルで攻撃をした。しかし、アカツキに搭載されている“ヤタノカガミ”により、ビーム兵器は反射されてしまう。

 

「こっちの番だぜ‼」

 

ムウはそう言うと、ドラグーンを四方八方に配置させ、未確認機体へと一斉掃射する。

 

『ガァァぁァァ‼』

 

一斉掃射されたビームを回避できなかった未確認機体は、四肢とスラスターを撃ち抜かれ、ダメージが一定量を超えた所為で、機体が量子変換された。

中にいた女性は、空中に投げ出され、重力によって海へと向かっていた。

 

「ここで見捨てるのもアレだしな…………それに情報を手に入れないといけないからな‼」

 

ムウは空中に投げ出された女性をゆっくりと抱えると、アークエンジェルへと戻る。

 

「…………どうして私を助ける‼ あのまま見捨てればよかったではないか‼」

 

「目覚めが悪いからな………それに、アンタ………まだ死にたくないんだろ?」

 

「ッ⁉」

 

ムウの言葉に肩を震わせる女性は、大人しくムウに抱えられアークエンジェルに収容されるのであった。




学園領海内に侵犯した未確認艦隊は、学園の武装隊旗艦であるアークエンジェルと対峙する。
一方、ムウと未確認機体とのタイマンは、ムウの勝利で収められる。
だが、未確認機体は無情にもまだ、数がありIS学園へと牙を向けようとした。

次回、インフィニット・ストラトス~蒼き天使と紅の騎士、第四十四話
「ザフト軍」

大地を駆け巡れ、ガイア‼


誤字脱字、感想、指摘、質問等受け付けております‼




「ところでさ、俺達の出番ってまだなのか?」

「一夏、我々は主人公では無くなってしまったんだ………諦めろ」

「でもよ、箒。このままだと俺達の存在が無くなるぜ? 楯無さんや簪は良いよな~キラ達の彼女なんだからさ…………俺達よりも出番が多いんじゃないか?」

「一夏…………諦めろ」

「オイ‼」

君たちの出番は次に出るよ~(天からの声

「「「「「「なに⁉」」」」」」

次回もよろしく‼

「「「「「「詳しく話せ‼」」」」」」

だが、断る‼

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