インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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この作品では明けましておめでとうございますになりますね。
今年もよろしくお願いします‼

さて、既にこの作品のお気に入り件数が452件になっていました。
何があったし⁉


と言う事で、本編へどうぞ‼


第四十一話

フランスが何者かによって襲撃を受け、三日の月日が経った。

既に委員会は、救援と言う形でフランスに入っており、救助や復興支援等を行っていた。その中には委員会が新造した陸上揚陸艦“ミネルバ”の姿もあった。

 

「艦長、誰がこんな事をしたんでしょうかね?」

 

「さぁ、私には判らないわ。でも、私達の任務はここの支援を行う事よ。それを忘れないでね」

 

「はい」

 

ミネルバの艦橋には二人の男女が作業を見つめていた。

 

「(でも、どうして戦争はするのかしら?)」

 

「艦長?」

 

「何かしら?」

 

「いえ、作業を進めていた部隊から連絡がありまして………」

 

男性からの言葉に女性は何事かと考えた。

 

「何かあったの?」

 

「いえ、部隊からの報告ではフランスの大企業、デュノア社跡地の地下に研究所らしきものがあると報告がありました」

 

「研究所? どの企業でもあるものでしょ?」

 

「いえ、それが………」

 

「何よ、早く言いなさい‼」

 

「は、はい‼ 研究所内には夥しい数の子供の死体があったと言う事です‼」

 

「なんですって⁉ 早く連れて行きなさい」

 

「えっ? でも、艦長は………」

 

女性の言葉に男性は困惑する。それもその筈である。艦長が艦を離れる事はまず有り得ないからである。しかし、女性は何事も無く指示を出した。

 

「もしかしたら、今回の襲撃の手掛かりになるのかも知れないのよ‼」

 

「はい‼ 只今準備します‼」

 

女性の剣幕に男性は折れて、研究所へ向かう準備をするのであった。

 

「もしかして………今までのIS学園の襲撃にも関与していたと言うの、ギル」

 

女性は自分の上司の顔を思い浮かべるのであった。

 

 

 

 

一方、学園の方では通常通りに授業が進められていた。

だが、一部の生徒は授業の内容が耳に入っていない様子で、何度も教師に注意を受けていた。

その中にシャルロットの姿も見受けられた。しかし、彼女の場合はフランス襲撃の前に両親を殺されている。だが、キラ達のお陰で、普通の生活を送れるまでに回復した矢先に、フランス襲撃と言う事件が起きてしまい、また前に戻ってしまったのであった。

 

「キラ、どうにかする事は出来ないのか?」

 

「難しいね、こればっかりは………僕も声を掛けて見たけど生返事しか返って来なかった。シャルロットの傷は癒えないかも知れないね」

 

「なに、呑気な事を言っているんだ‼」

 

「僕にだって彼女の傷を癒してあげたいよ‼ でも、僕の力じゃ何も出来ないんだよ‼」

 

「キラ………」

 

キラの悲痛な叫びにアスランは何も言えなくなってしまう。

 

「キラ、アスラン」

 

「簪、どうかしたのか?」

 

キラとアスランを呼ぶ方を見ると、簪が何かを持っていた。

 

「これ、お姉ちゃんから渡してほしいって。シャルロットさんの傷を癒すのに役立つかもって」

 

「ありがとう、簪」

 

アスランは簪から受け取った封筒を見ると、裏にはアドミラーフとセイリーンの名前が書かれていた。

 

「キラ、これって………」

 

「彼女の両親からの手紙だね。でも、どうして楯無さんが持っているんだろ?」

 

「なんかね、お姉ちゃんが裏で受け取っていたみたいなの。自分達が何かあった時の為にって」

 

簪の言葉にキラ達は一つの希望が芽生えだした。

 

「行けるかも知れないぞ」

 

「そうだね‼」

 

「?」

 

キラとアスランの一言だけの会話に簪は付いて来れずにいた。

 

「ありがとう、簪さん。もしかしたらこれで彼女の傷が癒えるかもしれない‼」

 

キラはそう言うとシャルロットの元へと急ぐのであった。

 

 

 

 

「シャルロット‼」

 

「なに………キラ、アスラン」

 

キラの声に振り返ったシャルロット目は虚ろで、生気が全くと言って良い程に無い状態であった。

 

「君に渡しておかないといけない物があるんだ」

 

「僕に? 僕にはもう身寄りが無い状態なのに、どうして僕宛に来るのさ」

 

「それはこれを見てからにしろ」

 

シャルロットはアスランから手渡された物を見た瞬間、若干であったが瞳に生気が宿る。

 

「父……さんに母………さん………どうして……あの人達は死んだ筈だよね‼ 僕と約束した次の日に‼」

 

「それは、楯無さんが裏で受け取っていたらしいんだ。それも君と約束した翌日には届いてたと言う事なんだ。それは、さっき簪さんが僕達の手で渡してくれと伝えられてね」

 

シャルロットはすぐに封筒を開け、中身を取り出した。そこには一枚の手紙と一つの設計図のようなものであった。

 

『シャルロット、今までお前には嘘をついて来た。お前の産み親であるシルヴィアと義母であるセイリーンは友人同士で会った。

ただ、シルヴィアは貧困より上と言った家庭の人間でセイリーンは技術開発会社の一人娘だったがそれでも、二人の友好は尽きる事はなかった。

しかし、私とシルヴィアが交際を始めた頃、私の父が他界し、会社を継ぐ事になった。だが、経営は右肩下がりになってしまった。その時、資金を出してくれると言う会社が現れた。

それがセイリーンの父が経営している会社だったが、資金を出す上で条件があった。それが、シルヴィアと別れ一人娘であるセイリーンと結婚しろと言う命令だった。

私は嫌だった。彼女を捨ててまでも会社を守るつもりは無かった。しかし、彼女は何処で知ったのか、私の元から離れてしまい行方知れずになった。

私はセイリーンと共にシルヴィアの事を探した。そして見つかった頃には既に他界し、お前だけが残されてしまっていた。

そこで、私はセイリーンと相談した上でお前を引き取った。

セイリーンは子宮癌を患ってしまい、子宮を取り除いてしまった結果、子供を授かる事が出来なかった。親友であるシルヴィアの子供と言う事もあってか、きつく当たってしまったと毎日嘆いている日々で、一方の私もお前との接し方が判らず仕舞いで、距離を置いてしまっていた。

その事は申し訳なく思っている。いつの日か、お前とセイリーンで一緒にシルヴィアの墓参りに行こう。そして、一緒に思い出作りをしようか。それが私達に出来る事だと思っている。

だが、その前に私達は女性権利団体から狙われている身だ。そこで、第三世代機の設計図を預けておく。もし、私達の身に何かあれば、それを使いお前だけの専用機を作って欲しい。これが最初で最後のプレゼントになってしまうかも知れないが、そうならないことを切に願う』

 

そこで手紙は終わっていた。シャルロットの瞳は生気が戻って、涙を流していた。

 

「お父さん、義母さん……ありがとう」

 

シャルロットはそう呟くと、泣き崩れるのであった。




父と義母を亡くし、祖国を焼かれたシャルロット。生気を無くしただ生きていた彼女であったが、父からの手紙で生気を戻した。
そして最初で最後のプレゼントを手に、彼女は何を掴むのか‼

次回~第三世代機

叫べ、ワイバーン・ドラグーン‼

誤字脱字、感想、指摘、質問等受け付けております‼




「なぁ、ゆり。そろそろ止めないか?」

「どうして? ここまで面白い事は無いわ‼ これでやっと神に「ここにどうしているの?」ゲッ⁉ 天使‼」

「逃げるぞ‼」

「逃がさないわ、ハンドソニック、VerⅡ」

「「ギャァァァァァァァァ‼」」

俺は何も知らないぞ。

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