インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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今回は短いです。申し訳ありません。


第二十九話

アークエンジェルは上昇すると、前方にいる航空母艦を発見する。

 

「艦長、前方に未確認航空母艦一隻を確認。どこの国家にも所属していない艦です‼」

 

「どう言う事かしら?」

 

「判りません………未確認航空母艦から新手を確認‼ 目標はこちらを向いています‼」

 

ミリアリアの報告を聞きマリューは指示を出す。

 

「未確認航空母艦は敵として認識‼ 攻撃を開始‼ MSは出撃して下さい‼」

 

「MS部隊は出撃して下さい‼ 繰り返します、MS部隊は出撃して下さい‼」

 

「ゴットフリート、バリアント一番二番起動。艦尾ミサイル、スレッジハマー装填。イーゲルシュテル起動」

 

ミリアリアとマリューがそれぞれ指示を出していく。

 

「撃てぇ‼」

 

マリューの指示でアークエンジェルから砲火が飛ぶ。

そして、アークエンジェルからドム、ムラサメが出撃する。

 

「行くよ、マーズ、ヘルベルト‼」

 

「「おうよ‼」」

 

「「「ジェット・ストリーム・アタック‼」」」

 

ドム三機は縦一列になると、ヒルダ機からスクリーミングニンバスが展開する。すると、敵からの攻撃が防がれていく。

そして、後方にいるマーズがヒルダの上に機体を上げるとギガランチャーDR1マルチプレックスのバスーカで敵を攻撃をする。そしてヘルベルトは同じくマルチプレックスのビームを連射し敵を一掃する。

ムラサメは三機一組で行動し、敵を上空から攻撃し破壊していく。

 

 

 

 

海上にいる航空母艦は驚く他無かった。たったの数分で無人機が破壊されたからである。

 

「艦長‼」

 

「クソッ‼ 今出せる部隊を出させろ‼ なんとしてでもここを抜けるぞ‼」

 

『了解』

 

艦長はそう指示を出すが、既に遅くアークエンジェルからの攻撃が襲い掛かり、航空母艦は破壊されるのであった。

 

 

「艦長、敵空母沈黙。熱源反応確認無し」

 

「これよりアークエンジェルはMS部隊を収容後、IS学園に向かいます」

 

「了解」

 

マリューはミリアリアに指示を出すと、ミリアリアもMS部隊に指示を出しアークエンジェルに帰ってくる。

 

「着水後、弁を開き学園に潜航モードで向かいます。機関最大、全速前進‼」

 

こうして呆気無く海上での戦闘が終了した。

 

 

 

一方、IS学園内では一夏と鈴が不明機との戦闘でダメージを受けてしまい、機動力が墜ちてしまった。そこを畳掛ける様に不明機は一夏達に攻撃を加えて行く。

 

「クソッ⁉ どうにもならねぇのか‼」

 

「ゴチャゴチャ言っている場合‼ 今は逃げるのよ、一夏‼」

 

「判っている……グハァ‼」

 

「一夏ッ⁉」

 

鈴と一夏は二手に分かれて逃げようとした。しかし、既に不明機からしてはその事も判っていたかのように、一夏に攻撃を加え一夏は落下してしまう。それを追う鈴であったが、既にその後ろには不明機三機が鈴を照準内に入れていた。

 

「(あっ、ここでお終いなんだ……私の人生って短かったな。一夏、好きだよ)」

 

「そこを退け、鳳‼」

 

「えっ?」

 

その瞬間、不明機は蒼い線と紅い線によって切り刻まれ爆発を起こす。そして、爆煙が晴れるとそこには蒼き天使と紅き騎士が立っていたのであった。

 

「どうやら間に合ったらしいな」

 

「アナタは⁉」

 

ムウが駆るアカツキを見て鈴は驚く。

 

「今はそんな事はどうでも良い‼ 今は織斑を連れてここから離れろ‼」

 

そう言うとムウはキラ達に合流すると、不明機を殲滅に掛かって行く。

 

 

 

IS学園上空には一機のISが滞空していた。その機体は何処かキラ達の機体に似ており、バックパックには九つの突起部が出ていた。

 

「フム、やはりあの無人機だけではキラ君達を押せる力は無いか………仕方が無い。ここは私が出るか」

 

男性はそう言うとバックパックに装備されている突起部を切り離すと、キラ達に向かわせるのであった。

 

 

一方、キラ達はそんな事は知らず殲滅を行っていた。

ムウはアカツキをシラヌイ装備で、バックパックよりドラグーンを展開する。また、キラも同様にドラグーンを展開させると、ムウ同様に殲滅をしていく。

アスランはと言うと、ビームサーベルをハルバート状にさせて縦横無尽に駆け巡り、殲滅を行って行く。

だが、この時に何者から送られてきたビームにより攻撃を中止した。そして、ビームの嵐が晴れるとそこにはキラ達にとって宿敵と呼べる存在が降りて来るのだった。

 

「久しぶりだな、キラ・ヤマト君、アスラン・ザラ? そして、ムウ‼」

 

「どうして貴方が⁉」

 

「ッ⁉」

 

「クルーゼ‼」

 

キラ達に通信して来たのはアスランの元上司であり、ムウにとっては因縁深いラウ・ル・クルーゼであった。

 

「私も驚いたよ。私やギルの他にこの世界に来ていたとはね‼」

 

ラウはそう言うと再度、ドラグーンを展開させると、キラ達に向かわせる。

キラ達は、クルーゼから切り離されたドラグーンを回避する。しかし、キラ達と同様に強化されているラウの機体はキラ達と対等に戦っていた。

 

「どうして、どうして貴方がここにいるんですか‼」

 

「フッ、それに関しては私にも判らないよキラ君。それにね、私はまだあの時の戦いを終わらせていないのだよっ‼」

 

「クッ‼」

 

「さぁ、再び始めようではないか‼ あの時の続きをなっ‼」

 

ラウの攻撃は激しさを増すばかりであった。キラ達はそれについて行くだけで精一杯であった。だが、それも終わりが近づいていた。

ラウの機体から熱源を知らせるアラートが鳴り響く。その瞬間、アークエンジェルからのミサイル攻撃がラウに向かって降り注ぐ。

 

「まさか、あれまでも来ているとはな………仕方が無い。ここは引かせてもらおう」

 

「待て、クルーゼ‼」

 

「貴様こそ、あの時に死んだと思ったのだがねムウ‼ だが、私にも時間が無いのだよ。そうだ、最後に一つだけ伝えておこう。ロゴスと委員会には気を付けたまえ、あの組織は何を考えているか判らないからね。では、今度こそ失礼するよ」

 

そう言うとラウは機体を上昇させ、文字通り消えたのであった。

そして、アリーナに残されたのは不明機の残骸とキラ達三人だけであった。

キラ達は、戦闘が終了を確認すると機体をアークエンジェルに向かって帰還するのであった。




再び現れたキラ達にとって因縁深い存在。ラウ・ル・クルーゼ。
果たして敵か味方か。
キラ達には判らなかった。だが、最後にクルーゼから言われた事が頭から離れなかった。

次回『二人の転校生』

闇を光に変えろ、フリーダム‼


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