インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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漸く出せたよ‼ 長かったよここまで‼


第二十三話

一夏達の目の前に現れた侵入機はすぐに武装を一夏達に向ける。

それを見た一夏達は逃げようとした。だが、それよりも先に侵入機の方が早かった。侵入機の攻撃が、一夏達の足元に銃弾が飛び跳ねる。だが、幸いに怪我をする者はだれ一人居なかった。

 

「セシリア‼」

 

「判っていますわ‼」

 

一夏の声にセシリアは専用機を展開する。そして、レーザーを敵に向けて放つ。しかし、敵は軽々と攻撃を避けるとセシリアに目標を定め、一気に攻撃を仕掛けてくる。

セシリアはミサイルを使いつつ敵に近づけさせない様にしていた。しかし、敵は三機。出来る事は定められておりまた、狭い空間でのピットは使えず、敵に近づかれてしまう。そして、敵の一機がセシリアに刀で切りつけようとしたその時であった。

上空からの攻撃で侵入機の一機が貫かれ爆発する。

 

「な、なんだ!!」

 

「また侵入機!?」

 

上空から降りてきた機体は黄金のMSISであった。

 

 

 

時を戻して、国際IS学園から遠く離れた海域に一隻の白亜の戦艦が降り立つ。白亜の戦艦の名前はアークエンジェル。キラ達がいた世界では不沈艦として有名であった戦艦である。

では、なぜその戦艦がこの世界に来たかと言うとキラ捜索の際に原因不明の重力に飲み込まれてしまいこの世界に来たのである。

 

「ここは………」

 

「艦長‼ お目覚めになりましたか‼」

 

「ええ、でも私達は宇宙にいた筈なのに………」

 

「判りません。ですが、この艦は1Gの環境でも航海が可能です………艦長‼ ザフト軍のMSの反応が‼」

 

「えっ⁉ どう言う事、もう戦争は終わったのよ‼」

 

アークエンジェルの艦橋では艦長であるマリュー・ラミアスが驚きの声を上げる。

 

「判りません。それにMSの大きさでは無いです」

 

「すぐに格納庫に連絡して‼」

 

「はい‼」

 

マリューの指示で通信手であるミリアリアが格納庫に連絡をする。

 

「艦長、マードックさんからです」

 

「繋いで‼ こちら艦長のマリューです。マードックさんどうしました?」

 

モニターに一人の無精髭を生やした男が現れる。

 

『どうしたもこうしたも無いですよ‼ MSが消えたんです‼』

 

「消えたっ⁉ どう言う事ですか‼」

 

『判らないんです。でも、MSがあった場所にはアクセサリーが落ちているんです』

 

「フラガ准将を呼んで来てください‼」

 

『判りました‼』

 

マリューがそう言うとマードックはムウを呼びにモニターから消える。

 

「艦長、どう言う事でしょうか?」

 

「判らないわ………でも、もしかしたら………」

 

マリューは頭を悩ませる。宇宙にいた筈の自分達が気が付けば地球にいる。摩訶不思議な状況の中、マリューは答えが出ずに、頭の中がこんがらがってしまう。

 

『艦長、出たぜ?』

 

「ムウ‼ 機体の事は聞いている?」

 

マリューの最愛の男であるムウ・ラ・フラガがモニターに映し出される。

 

『ああ、さっきマードックさんから聞いた。アカツキが居なくなってしまう代わりにこのアクセサリーが落ちていたってな………だがな、妙なんだ』

 

「妙? どう言う事?」

 

ムウの言っている事が判らないマリューは尋ねる。

 

『どうもな、このアクセサリー自体がアカツキなんじゃないかって』

 

「ムウ、言っている意味が判らないわ」

 

『判ってる。俺だってなんとなくの思いで言っているだけだ。だがな…』

 

その時であった。アクセサリーが突然光り出しムウを包み込んだ。そして、光が収まるとそこには小さくなったアカツキの姿あったのだった。それと入れ替わりにアラートがアークエンジェルに鳴り響く。

 

「どうしたの⁉」

 

「熱源反応です‼ 数……25‼ 識別は……ザフト軍のジン、ディン、シグー‼」

 

ミリアリアからの報告でマリューは思考を切り替える。

 

「第一種戦闘配備‼ 対空戦闘用意‼」

 

マリューの指示で艦橋内は一気に緊張の波に包まれる。

 

「モニターに敵の機体を映し出せる?」

 

「やってみます………モニターに映します‼」

 

モニターに映し出された物はマリュー達にとっては驚きの言葉でしかなった。MSは元々、15Mはあるはずである。しかし、モニターに映し出されたジンは5Mも無かった。

 

「どう言う事なの……これ………」

 

「判りません。ですが、向こうは我々に攻撃を仕掛けるつもりです」

 

「ムウ‼ それで出れる‼」

 

『やれる事はするさ。それに、こいつの動かし方も頭の中に入って来たしな』

 

「えっ?」

 

ムウの言葉にマリューは判らなかったが、長年の付き合いで大丈夫だと言う事は判っていた。

 

「なら、お願いね」

 

『あいよ‼ ムウ・ラ・フラガ、アカツキ出るぜ‼』

 

ムウはそう言うとアカツキを発進させる。

 

「私達はどれかの機体の鹵獲を主目的に動きます。ムウもそれで良いわね」

 

『判った‼』

 

ムウはそう言うとオオワシに装備されている73F式改高エネルギービーム砲でジンの両足、両手を撃ち抜く。また、オオワシを外し自動操縦にすると、単機で他の機体を戦闘不能にしてしまう。ムウ自身もビームライフルを使い、戦闘不能にしていく。

アークエンジェルは対空火器やゴットフリートでジンやディン、シグーを破壊する。

そして、上空には障害となるものが無くなったのであった。

 

「艦長、増援の熱源は見られません」

 

「そう………第二種戦闘用意で待機。私達はこのまま進みます。ムウは帰ってきて頂戴」

 

『了解だ………マリュー‼ この先で戦闘がされている‼』

 

「なんですって⁉ ムウ、先に行って見て来て頂戴‼ 私達も全速力で追うから‼」

 

『了解、俺は不可能を可能にする男だ。何でもしてやるぜ‼』

 

ムウはそう言うとアカツキの速度を速める。

 

「我々も向かいます‼ 機関最大、全速前進‼ 目標、戦闘空域」

 

『了解‼』

 

マリューの指示でアークエンジェルは離水し上空を航行し始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

先行したムウは島の一角に先ほどの大きさと同じザフト軍の機体が群がっているのを発見する。

 

「どう言う事だ、こりゃ? ………ん?」

 

ムウが一つの所に目を向けるとそこには弟分である二人の機体がこちらに向かって来ているのを見つける。

 

「おいおい、まさかあれがキラ達じゃないだろうな………一応、聞いてみるか? こちら、オーブ連合首長国第一宇宙軍旗艦アークエンジェル所属、ムウ・ラ・フラガ准将だ。そちらの識別を教えてくれ」

 

『ムウさん⁉』

 

『どうしてここにいるんですか‼』

 

「やっぱりボウズ共か‼ それよりもこれはどう言う事だ?」

 

ムウは弟分であるキラとアスランであると判ると機体を寄せる。しかし、キラ達はそれを許せるほどの時間が無かった。

 

『すみませんが、僕達には時間が無いので先を急ぎます‼』

 

『准将、すみません‼』

 

キラ達はそう言うと機体を一気に加速させてザフト軍の群れに突っ込んで行く。

 

「どう言う事だ、本当に………まさか‼」

 

ムウは三機のザフト軍機が観客席らしき場所に向かっているのを見つける。

ムウの思い通り、三機は観客席に攻撃を行い内部に侵入した。

 

「やっぱりかよ‼ クソッ‼」

 

ムウはそう言うと観客席に機体を走らせジンを撃ち抜くのであった。




次回予告‼
侵入機を破壊した黄金のIS。それはキラ達にとっては兄貴分である男性が搭乗していた。
キラ達は再開を喜ぶよりも先にする事を最優先にする。
そして、アークエンジェルがIS学園に‼

次回、再会

全てを照らし出せ、アカツキ‼


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