インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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書き上げたので更新です。


第二十二話

その日の放課後。第一アリーナには鳳鈴音とキラが対峙していた。

鈴と別れた後、キラとアスランは話し合いをした結果、キラが戦う事になったのである。

 

「僕が相手になるよ」

 

「ハッ‼ ナヨナヨした男に私が負ける筈が無いじゃない‼」

 

二人はそう言うと、同時に愛機を展開する。

キラはマルチプルストライカーパック。通称『パーフェクトストライク』で戦う事にする。このストライカーパックは嘗て、キラの後釜としてストライクのパイロットになったムウ・ラ・フラガが使用したストライカーである。

キラの戦闘タイプからすれば、使い道が無かったがフリーダム、ストライク・フリーダムを使う内に、遠・中・近距離の戦闘が可能となり、ストライクで使う時はこのストライカーパックを最終的に使う事にしているのだ。

 

「行くわよ‼」

 

鈴が最初に先手を撃った。背部にある衝撃砲『龍砲』でキラに向けて攻撃を放つ。しかし、キラはそれをバレルロールで回避すると、右肩に装備しているバルカン砲で鈴に反撃を行う。

しかし、鈴もその攻撃を回避すると粒子変換されている青龍刀二振り展開すると、キラに近接攻撃に転じる。だが、キラにすれば負ける気は無かった。既に装備されている対艦刀『シュベルトゲーベル』を振り下ろした。それは、まっすぐに鈴に当たり、鈴は堪らず地面に落下した。

 

「グゥ‼ まさか、私が地面に着かされるなんて………でも遣り甲斐があるわ‼」

 

鈴はそう言うと機体を急発進させる。それは、キラの後方を取ると言う算段であったが、キラはそれを判った上で、何もしなかった。

それを勝機と見た鈴は一気に畳みかける。しかし、その時であった。キラが急に動き出し捻り返しで鈴の背部を取った。そして、鈴に向けてアグニを(威力を最大に抑えつけた上で)放つ。アグニから放たれたビームは鈴に当たり爆発が起きる。そして、爆煙が晴れるとそこにはボロボロになりながらも、立っている鈴の姿が見られた。

 

「アグニの攻撃に耐えられるなんてすごい機体だね?」

 

「ハァ…ハァ……でも、私では相手になりそうも無いし………それに甲龍もダメージを食らい過ぎて真面に動けそうに無いわ………この勝負、私の負けで良いわ」

 

そう言うと鈴は空中で機体が強制的に解除される。キラはすぐに鈴を回収しピットに搬送する。

その時であった。アリーナを覆う天井が爆発した。そして、そこからキラ達にとっては見慣れた機体が続々と侵入してくる。

 

「どうして………どうしてジンやザク、グフがいるんだ⁉」

 

「アスラン‼」

 

「ああ‼ 織斑先生‼」

 

キラとアスランはすぐに本来の機体を展開する為に千冬に許可を得ようとする。しかし……

 

「無理だ、この場は一時的でしかならないが今の機体だけで頼む」

 

千冬は今すぐにでも対応できるキラ達の本来の機体の展開の許可を出したい。だが、それをすると言う事は、もう二人の男性操縦者は全世界のISよりも強力なISを保持している事が露見されてしまう。即ち、最悪の場合は戦争の発端になってしまう恐れがあるのだ。それを回避したい千冬はおいそれと許可を出せなかった。

 

「では、このまま見す見す敵の侵入を許すつもりですか‼」

 

「俺達の役目はこの学園を護る事ではないのか‼」

 

「判っている‼ だが、貴様らの機体を見た各政府の奴らはここぞとばかりにこの学園に乗り込む恐れがあるのだぞ‼ それでも尚、出て行くと言うのか‼」

 

千冬とキラ、アスランの口論の後方では侵入してきたジンやザク、グフがアリーナに攻撃をしている真っ最中であった。

 

「その為に俺達がいるのではないのか?」

 

「⁉………そうだったな………判った。許可を出す。だが、誰にもバレずに展開し殲滅せよ‼」

 

「「了解‼」」

 

千冬の命令を聞くや否や、キラ達はすぐに誰にも認識されない様にストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスを展開し、第一アリーナに入った。

 

 

 

 

一方、一夏達は侵入者に対して攻め込もうとしていた。しかし、その時であった。姉である千冬から緊急の通信が入る。

 

『織斑、聞こえているな? 返事はしなくて良い。その場で聞け。他の専用機持ちも同じだ。これより極秘裏の機体で今回の侵入機を殲滅する。各自は速やかに避難しろ。間違っても第一アリーナに入るなよ? 撃墜されるのがオチでしか無いからな。それと、今回の殲滅に当たっての機体の情報は何処の国家にも渡すつもりは無い。国際IS委員会にもだ。もし、これが破られた場合、厳しい処罰を受けるつもりでいろ。以上だ』

 

そう言うと千冬は一方的に通信を切る。

 

「ど、どう言う事だよ………それに……キラ達は何処だ?」

 

「そう言われてみれば、どこにもいないな………」

 

一夏はキラ達が居ない事に気付き辺りを見渡す。しかし、キラどころかアスランの姿さえも無いのだ。

 

「あの時もそうでした」

 

セシリアが言っているのは先のクラス代表決定戦での事である。あの時もキラ達の姿が無いと思ったら、新手の味方の二機のISが殲滅した。

 

「まさか、キラさん達が関わっていると言う事は………」

 

「「………」」

 

セシリアの言葉に一夏と箒は考える。そう言ってしまえば辻褄が合うのだ。だが、それを証明する為の証拠が無い為、何とも言えない。

 

「今は逃げる事をs〈ズガァァァァン‼〉な、何だ⁉」

 

一夏達が避難をしようとした矢先、目の前に三機の侵入してきた機体が壁を破壊して一夏達の目の前に現れたのだった。




次回予告‼
キラと鈴が戦い、キラの勝利で終わった模擬戦であったがそこにキラ達が見慣れた機体が侵入して来た。キラ達は千冬に許可を貰い、侵入者の殲滅に当たった。
そして、一夏達の目の前に現れた侵入機⁉ 一夏達の運命は‼

次回、第二十三話~堕天使の来航‼

護る為にその力を発揮せよ‼ アークエンジェル‼

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