インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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なんだかスラスラ書ける自分が怖い。


第十六話

キラ達はそれぞれの部屋に戻ったが、直後に真耶がキラ達を呼びに来た。

 

「ヤマト君、ザラ君。先の戦闘の事で織斑先生が聞きたい事があると言う事なので、ご同行をお願いして良いですか?」

 

「判りました。楯無さん。待っていてください」

 

真耶に言われ、キラは楯無と明日菜に声を掛ける。

 

「ダメよ。私も行くわ。明日菜ちゃんは簪ちゃんと一緒にいて? 簪ちゃん、お願いしても良い?」

 

「判った。さぁ、明日菜ちゃん。ビデオ見よ?」

 

「うん」

 

明日菜と簪はキラの部屋に入って簪のお気に入りのビデオを見る事になった。

 

「では、行きましょう」

 

真耶が先頭に立ち、キラ達が続いて地下の司令塔に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

「来たか。では、これから先の侵入してきた未確認のISについて質問をする。拒否権はほぼないからな。教えてもらうぞ」

 

「ええ、判っています。それに、俺達も織斑先生に報告しようと思っていましたから」

 

「そうか、ではこれを見てくれ」

 

地下に着いたキラ達は千冬と麻耶による事情聴取が行われた。

千冬はコンソールを弄ると、キラ達にある物を見せる。

 

「これはあの機体ですか?」

 

「そうだ。それでだ。お前たちはこの機体の事を知っているな。教えてもらうぞ」

 

「判りました。この機体はダガーLと言う機体です。俺達がいた世界では地球連合軍が正式配備している機体で、量産機です。また、キラが現在使っているISであるストライクの改良機です」

 

アスランはダガーLの機体の情報を千冬達に伝える。

 

「だが、お前たちの世界では有人機だったな?」

 

「ええ、そうです。それに、無人機は色々な面で手の掛かる物なので、向こうでは開発されていません」

 

「そうか……だがな」

 

千冬はそう言うと大型モニターに映し出す。

 

「「ッ⁉」

 

「これって……」

 

キラ達は驚き、楯無は言葉が出なかった。

大型のモニターにはダガーLの内部構造が記されていたが、そこにある筈の物が無く代わりの物が搭載されていた。

それは、人間の脳である。しかも、どれもまだ小さく、大人の脳ではない事が見て取れた。

 

「これを解析したが、どれも10歳から15歳ぐらいの子供の脳が使われてることが判った」

 

手を強く握りしめる千冬。子供の脳を使い襲撃をさせる事に怒ってるのだ。

 

「どこの所属の機体なのかは判りましたか?」

 

「ロゴスと言う組織の物だと言う事が判明した。この名前は聞いたことはあるか?」

 

千冬はまだ手を握りながらアスランに尋ねる。千冬の手からは血が垂れている。

 

「ええ、俺達がいた世界では連合軍の内部にいた組織です。そして、その組織では人体実験も行われて来ましたが、まさかここまで来るとは……」

 

「………」

 

アスランの言葉にキラも唇を強く噛む。キラは、シンから聞かされたデストロイの搭乗者について思い出していた。ステラ。それがデストロイに搭乗していた少女の名前であり、シンが守りたかった存在でもあった。しかし、キラのフリーダムの攻撃により、体中に部品が刺さり、シンの手の中で息を引き取った事もシンから聞かされていた。

 

「エクステンデット……それがロゴスがして来た事です」

 

「エクステンデット?」

 

アスランの言葉にいまいちピンと来ない千冬は判らなかった。だが、キラの言葉で千冬は驚愕する。

 

「エクステンデット……それは、小さい頃から薬物を投与され機械の中で調整されていた者達の事です。特に、僕等が知っている事は、二つあります。一つは生まれた頃から人を殺す訓練をされ、仲間同士で殺し合い、生き残った者だけが、施設を出れる。そして、軍に強制的に入り、薬物を投与し能力を底上げするパターンと」

 

「人工的に作られ、機械の中で毎回調整されている者達です」

 

キラの言葉の後に続くようにアスランが説明をする。

 

「待て、ザラ‼ 人工的にってそれはクローンの事なのか‼」

 

千冬はアスランの言葉に疑問を持ち尋ねる。アスランは顔を横に振る。

 

「いえ、違います。クローンは作れますが、テロメアが短くすぐに死んでしまうのがオチです。ですが、奴らは……‼」

 

アスランはそこで言葉を切ってしまう。そこから先は言いたくない様であった。

 

「アスラン、ここは僕が説明するよ」

 

「キラッ⁉」

 

キラの言葉に驚いたアスランはキラを見るが、微笑んでアスランを見る。そして、キラは口を開いた。

 

「この話をする前に僕達がいた世界の事について説明をしなければ、進めませんのでお話します。僕達がいた世界ではMSと言う物で戦争をしてきました」

 

キラがそう言うと急にストライク・フリーダムの待機状態である蒼い羽のネックレスが光り出す。キラがヘリオポリス内部での事が鮮明に映し出されていた。

どこかのトレーラーの上で私服のキラと赤服を着たアスランが映し出されていた。

 

「これは……」

 

真耶がキラ達に尋ねる。

 

「この映像は、俺とキラが再会した場面ですね」

 

「「えっ⁉」」

 

アスランの説明で真耶と千冬は驚いた。なぜなら仲の良い二人。だが、映像には一人がナイフを片手に構え、もう一人が座って女性の介抱をしていたからだ。

そして、場面は切り替わりキラがストライクを動かしている場面に移り変わった。

 

「なんて速度でキーボードを操作しているんだ……」

 

千冬は驚く。親友の束以上の速さでキーボードを操作しているからだ。

すると、ストライクの動きが一気に変わり。ぎこちなかった動きがまるで人間の様な動きに変わった。そして、ストライクの脚部に収納されているナイフ『アーマーシュナイダー』を取り出すと、一つ目の機体に突き刺した。

 

「なんて動きだ……」

 

千冬が驚くのはおかしくない話である。まだ15歳のキラがまだOSが完全な状態ではないストライクを真面な動きに変えたのだ。これを千冬や束にしろと言っても、無理であると千冬自身は思ってしまった。

 

また、場面が切り替わりストライクがランチャーを構え、一つ目の機体二機に向けて放つが、回避されコロニーの外装に当たると、貫通しそこから漆黒の海が広がっていた。

 

「まて、この場所は地球ではないのか⁉」

 

それを見た千冬は驚きを隠せず、キラ達に確認をする。

 

「コロニーと呼ばれる宇宙空間で生活が出来る様に作られたものです。僕はそこで機械科の学生でした。そして、アスランがいたザフトの侵攻に巻き込まれ、仕方が無しに当時、地球連合軍とオーブ連合首長国が極秘に開発されていたMSの一つであるストライクに乗り込み、侵攻から護っていましたが、僕のミスでコロニーの外装に攻撃をしてしまい、一部を破壊してしまいました。ですが、それぐらいの攻撃ではコロニーは破壊されるようには設計されていません。すぐに自動修復されました。ですが……」

 

キラがそこで区切ると、タイミングよくまた場面が切り替えられる。そこには一つ目『ジン』がD装備をして再度コロニーに進行している場面であった。

キラが搭乗するストライクはランチャーからソードに切り替えられる。そして、ジンを真っ二つにする。

 

「ヤマトはこの機体の人間を殺したのか?」

 

「………ええ」

 

キラは苦虫を噛んだような表情をして千冬の質問に答える。

また場面は変わり、アスランが搭乗するイージスとストライクの戦闘に変わる。

 

「ヤマトとザラは友人同士で戦ったのか?」

 

「はい。俺達はこの時から敵同士になり、死合をしてきました。そして……」

 

アスランがそう言うと今度はインフィニット・ジャスティスの待機状態である紅い剣が光り出す。すると、ストライク・フリーダムと同様に画面が映り出した。

そこには、キラのソードストライクが黒い機体『ブリッツ』を斬り付ける場面であった。すると、音声が流れだした。

 

『アス……ラン……にg』

 

そこでブリッツが爆散した。

 

『ニコルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

アスランの悲痛の声が室内に鳴り響いた。

 

『キラァァァァァァァァ‼』

 

アスランのイージスがキラに切り掛る。すると、一機の戦闘機がキラを援護しようとミサイルをイージスに放つ。しかし、イージスはシールドを戦闘機に投げ付けた。そして、戦闘機の操縦席にシールドが刺さり、操縦席に座っていたであろう人物のヘルメットが飛ぶ。

 

『トォォォォォォルゥゥゥゥゥ‼』

 

今度はキラの声が室内に鳴り響く。そして……

 

『アァァァスゥゥゥゥラァァァン‼』

 

『キィィィラァァァ‼』

 

キラとアスランの獣の様な声が響く。そして、斬り合い、何度も斬り合った。そして、イージスはMAに変形しストライクに組み付く。そして、スキュラを放とうとするが、バッテリーが切れアクティブモードになってしまう。

 

『チッ‼』

 

アスランは舌打ちをするとコンソールを開き操作するとアスランはイージスのコックピットから抜け出す。そして、十秒後イージスはストライクを巻き込んで自爆するのであった。




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