インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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少し文字数が少ないですが、今回でキラとセシリアの戦いはお終いです。
最後ら辺で、キラと楯無との義娘が出ます。




第十四話

「先手必勝‼」

 

セシリアはキラに向けてレーザーライフルの引き金を引いた。しかし、既にそこにはキラの姿が無かった。

 

「なっ⁉ どこに」

 

セシリアは辺りを見渡すが、キラの姿を確認する事が出来なかった。

 

「僕ならここだよ」

 

キラの声がしたのはセシリアの上空であった。

 

「いつの間に‼」

 

セシリアはキラを確認すると、攻撃を開始する。しかし、キラには攻撃が全くと言って良い程に通用していなかった。

 

「次は僕の番だね‼」

 

キラはセシリアの攻撃パターンが判ったので、量子変換されているコンバットナイフ『アーマーシュナイダー』を両手に持つと、セシリアに突っ込んでいく。

 

「笑えますわね‼ 遠距離型のわたくしに超近接型の武装で対峙するなんて‼」

 

セシリアはそういうと、キラをスコープで狙い、引き金を引いて行く。しかし、キラは最小限の回避でレーザーを避けていく。

 

「なんで当たりませんのッ‼」

 

セシリアは怒り、攻撃が単調になっていた。それを見計らったキラは一気に加速してセシリアに突っ込んでいく。その瞬間、セシリアはニヤリと笑った。

 

「わたくしの攻撃はこれだけでは無いのですわ‼」

 

セシリアがそう言うと、機体の周りからドラグーンに似た武装が浮いていた。そして、キラに向けてオールレンジ攻撃を仕掛けた。

 

「やっぱりね……でもね君の今の実力では僕には勝てないよ」

 

「何を‼ 男性のくせに‼」

 

キラの言葉がキレたセシリアはビットでの攻撃を早くする。しかし、如何に速く動かしても歴戦のキラでは全く歯が立たなかった。

その瞬間、キラのストライクが光輝いた。

 

「なっ‼ 今までファーストシフトで戦っていたんですの⁉」

 

セシリアは驚きでしかなかった。キラの機体がまさかまだ一次変更されていない機体だった為とこれだけの機動力を持った機体がファーストシフトした時の機動力の速さが異常であったからだ。

 

「フゥ~これでこの機体は僕の機体になったね」

 

光が止むと、ストライクが灰色からトリコロールに変色していた。また、武装も変化されエール、ランチャー、ソード、I.W.S.P、マルチプルアサルトが量子変換されていた。

キラはエールを出した。そしてアーマーシュナイダーを戻し、ビームサーベルを展開した。

 

「さぁ、ここからは僕のターンだ」

 

キラがそういうと、元のストライクとのスピードよりも速いスピードでセシリアに接近した。

 

「は、速い‼」

 

セシリアには、キラを狙う事が出来なかった。

 

「そこっ‼」

 

キラはそう言うと片方の手にビームライフルを展開すると、的を見失ったビットを撃ち抜いて行く。

 

「わたくしのブルー・ティアーズが‼」

 

「機体と同じ名前なんてね……でもこれでお終いだよ‼」

 

キラはそう言うとストライクを上空に駆った。そしてエールからランチャーに切り替え、アグニで(威力を落として)放った。それは、真っ直ぐにセシリアを包み込んだのだった。

そして、勝利のアナウンスが流れた。

 

『この勝負、キラ・ヤマトの勝利‼』

 

こうしてキラの勝利が確定した。しかし、落とされたセシリアは気絶したのか、何もしずに地上に堕ちていた。

 

「危ないッ‼」

 

キラがそう言うと、加速してセシリアをお姫様抱っこする。

 

「な、なにをしていますのッ‼‼」

 

セシリアはキラにお姫様抱っこされた事に驚き、動こうとしたが機体は言う事を聞いてくれない。

 

「君はさっきまで気絶していたんだよ?」

 

「それでも、ISには絶対防御がありますから、大丈夫ですわ‼ 早く離してください‼」

 

キラの言葉でもセシリアは拒絶をしていた。

 

「もう少しでピットだからそこで降ろすから、もう少し大人しくしてて」

 

「………」

 

キラの言葉でセシリアは漸く大人しくなり、約束通り、ピットに到着するとセシリアをゆっくりと降ろした。

 

「次は一夏だと思うから、頑張ってね」

 

キラはそう言うと、ピットから出て自分が出たピットに向かうのだった。

 

 

 

 

「ねぇ、ママ‼ パパが勝ったよ‼」

 

「そうね、パパは強いから誰にも負けないわ。私でも勝てないかもね」

 

来賓席で特別として更識楯無と義娘の明日菜がキラとセシリアの試合を観戦していた。まだ、キラと楯無が同棲している事は内密になっているのだ。それに加え、娘もいるとなればIS学園は血の海で染まるであろう。主に、絶望と言う名の血で……

 

「パパ……‼」

 

キラは何気に、来賓席に向けて手を振っていた。明日菜はそれに答える為に手を振り返すのだった。そして、キラの姿は第一ピットへと消えた。

 

「明日菜ちゃん。少しママは離れるね」

 

「うんっ!」

 

楯無はそう言って来賓席を後にする。

 

 

 

「楽勝だったな、キラ」

 

「まぁね。でも次は無いと思うよアスラン」

 

ピットに帰って来たキラを出迎えたアスランは、手元あるドリンクをキラに渡す。

 

「さぁ、次は一夏。君の番だよ‼」

 

「ああ‼ 行ってくるぜ、キラ、アスラン‼ 織斑一夏、白式出るぞ‼」

 

一夏はそう言ってアリーナに出ていく。

 

「ヤマト、後で話がある。ザラもだ」

 

「「了解」」

 

一夏がアリーナに出た後、千冬の言葉にキラ達は敬礼をするのであった。

 

 

 

 

一方のセシリアは、キラに負けた事での悔しさではなく、心の奥底から湧き出る感情に戸惑っていた。

 

「この気持ちは何ですの? あの方はお父様の様な男ではなかった………」

 

「それは、恋じゃないのかしら?」

 

「誰ですの⁉」

 

セシリアの呟きに、誰もいないはずの第二ピットに答えが帰って来る。

 

「あら? 私を知らないの?」

 

「更識生徒会長?」

 

セシリアは目の前にいる人物の名前を言う。

 

「そうよ。それに……いや、これはまだ言うべきでは無いかしら」

 

楯無は、母親らしい顔つきで話をしようとするが、真剣な話なので、生徒会長としての顔つきでセシリアに対峙する。

 

「君は、キラ君に恋をしたんじゃないかしら?」

 

「こ、恋ッ⁉」

 

楯無の言葉にセシリアは驚いてしまう。だが、そう言われてみればと思えば、納得してしまうのだ。

 

「そうよ、恋よ。貴女はキラ君に恋をしてるの」

 

楯無はさらに言葉を続ける。

 

「キラ君はああ見えて柔軟そうに見えるけど、本当は違うの。キラ君は一つの事に対しては、真っ向から向かって行くタイプよ。まぁ、それに私も惚れた身分だけどね」

 

「えっ?」

 

楯無の言葉に驚くセシリアであった。

 

「さぁ、もう少しで一夏君との試合よ。気を引き締めてね」

 

「は、はいっ‼」

 

セシリアは返事をすると、ブルーティアーズを展開し、アリーナに出ていくのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、嬉しいです。

次回‼
セシリアと一夏の対決が始まる。だが、セシリアはキラとの戦いで慢心を止めて一夏と対峙する。
一夏に勝機はあるのか‼

こちらのミスで明日菜が唯になっていました。
申し訳ありません。

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