インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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今日は休みなので、連続投稿を行います。
また、少し短くなっています。


第十二話

二時限目のチャイムが鳴り終わると同時に千冬と真耶が教室内に入ってくる。その際、麻耶の手にはノートが持っていた。

真耶は教室の端に。千冬は教卓の前に立った。

 

「では、これより各武装の説明を行う……っとその前にこのクラスの委員長を決めないといけないな」

 

「先生、質問です。委員長の仕事とは具体的には何をするのですか?」

 

千冬の言葉に一人の女子生徒が質問をした。千冬は「それもそうだな」と呟き、説明をする。

 

「委員長は、その言葉通りだ。来月に行われる各クラス対抗戦にてクラス代表として出てもらう。また、生徒会の議会にも参加してもらう。まぁ、簡単に言えばこのクラスのトップと言う事だ」

 

千冬の言葉にほぼ全員がキラ、アスラン、一夏を見つめた。キラとアスランは、何も無い様にと願ってるが、一夏には嫌な予感しかしなかった。

 

「では、選出は、自薦他薦で行う。誰かいないか?」

 

「はい、織斑一夏君が良いですっ‼」

 

「キラ君も捨て難いよね」

 

「アスラン君でも良いかも‼」

 

千冬の言葉に他の女子生徒達は、キラ、アスラン、一夏を推薦した。

 

「俺ぇッ⁉」

 

一夏は自分が推薦された事に驚き、席を立った。その瞬間、千冬による鉄槌が下されるのはお約束である。

 

「煩いぞ、織斑。それに私は言ったはずだぞ? 自薦他薦で行うと。自分が推薦されたんだ。少しは誇ってみてはどうだ?」

 

千冬は穏やかに一夏にそう言った。

 

「ですが、先生。俺には出来ませんよ‼ それにクラス委員長って言っても俺に出来るはずg「そんな選出は認めませんわ‼」……」

 

一夏の言葉に被せる様にセシリアが出てくる。

 

「誰が男の下で過ごさなければいけないのですかっ‼ それでしたらわたくし、セシリア・オルコットが自薦致します。何が好き好んでこの極東のサルと一緒に授業を受けないといけないのですの⁉ 実力で言えばわたくしですわ‼ 何せ、わたくしセシリア・オルコットは教官を倒した唯一の生徒ですわよ‼ それを珍しさだけで選出するなんて……それに、そこにいる男たちは、見てください。一人は優順不断。もう一人はムッツリ。もう一人は話になりませんわ‼ こんな屈辱的な事をこのセシリアに一年間味わえと言うのですか⁉」

 

セシリアは怒涛の如く、捲くし立てる。

 

「そうか………オルコット。言葉はそれだけか?」

 

セシリアの演説が終わるとアスランが、席を立って言う。

 

「いえ、まだありますわ‼ こんな島国にIS修行を行いに来ていますのよ‼ サーカスを行うために来たんではないですわ‼ 良いですか‼ このクラス委員長になるに相応しいのは、わたくしセシリア・オルコットですわ‼」

 

「それでおしまい?」

 

「ええ、言い切りましたわ」

 

キラが立ち上がり、セシリアに問うた。

 

「そうか…そうか……織斑先生。此奴に俺達の機体を使わせて下さい」

 

「僕もアスランと同じ意見です。今回ばかしは僕も容赦が出来そうに無いです」

 

キラとアスランは千冬にそう進言した。しかし、千冬は冷や汗を掻きながら待ったを掛けた。

 

「ま、待てお前たち。気持ちは私も判る。だが、お前たちはこの学園を更地に変えるつもりか‼」

 

「「いえいえ、そんな事はしませんよ。僕(俺)達は只単に、此奴を徹底的に潰したいだけです」」

 

「ッ‼ 男の分際で何を言っているのですか‼ あなた達にわたくしを倒せるはずがないですか‼」

 

キラ達の言葉にセシリアも噛み付いた。その瞬間、キラとアスランは一斉にセシリアに顔を向けた。その表情は、戦士の顔をしていたのである。

 

「言葉には気を付けろよ、オルコット」

 

「そうだよ……そろそろ止めないと、今この場で君を殺すよ?」

 

キラ達は殺気を最大に出した。キラ達の近くにいた者は、気絶し、遠くに離れた生徒は過呼吸を起こしていた。麻耶も、へたり込み千冬に至っては顔から汗が満遍無く掻いている程であった。

 

「では、来週にクラス代表を決める‼ それで我慢してくれ、ヤマト、ザラ」

 

「織斑先生がそう言うのでしたら、僕達は何も言いませんよ。ね、アスラン」

 

「ああ、そうだなキラ。俺達は、今ここでオルコットを殺す事は糸も容易い事だ。しかし、一般人の前では流石にきつい物があると思うのでな。ここは織斑教諭の言う事でも聞いておく。命拾いしたな、オルコット」

 

そう言って、キラ達は席に座るのであった。

 

 

 

 

その後、キラ達に近付こうとする者はいなくなった。二重人格みたいに変わるキラ達に関わろうとする者がいなくなるのは当然の事である。

そして、放課後。キラとアスランは学園長に呼ばれるのであった。

 

「まさか、イギリスの代表候補生と戦う事になるとは……君達も不幸だね」

 

「いえ、これも自分達が招いた事なので、何とも言えませんよ。学園長」

 

アスランは苦笑いをしながら学園長に言う。

 

「さて、君達の機体なのだが、少し不手際があってな。少し遅れる事になった」

 

「と、言いますと?」

 

「フム。キラ君が言った中距離専用の機体にしようとすると、少し問題が起きてな」

 

「はぁ~」

 

学園長の言葉にキラは生返事をする。

 

「そこでだ……極秘でこの学園の地下にある機密アリーナにて本来の君達の機体を使う事を許可しようと思う」

 

「その根端は何ですか?」

 

学園長の言葉に、アスランは何か引っ掛かりを覚え尋ねた。

 

「なに、君達も本来の機体を使わねば力が堕ちるだろう? それを防ぐ為にも使う事に許可するのだよ」

 

「そう言う事でしたら、ありがたく許可を頂きます」

 

学園長の言葉に、一応納得したキラ達は早速、機密アリーナに向かうのであった。

 

 

 

全世界に作られている女性権利団体通称『女権団』の総本部である日本では、とある部隊が動き出そうとしていた。

 

「それで、IS学園に現れたという二人の男の情報は手に入りましたか?」

 

「はい。こちらになります」

 

立派な机の前に座る女性は、部下から渡された資料に目を通した。

 

「これは本当ですか?」

 

資料の内容に驚きながら、部下に尋ねた。

 

「はい。何度も同じ様に調べましたが、それぐらいの情報しか手に入りませんでした」

 

「そうですか………では、来週に行われるクラス代表決定戦で、動きを出しましょうか」

 

「ハッ‼ 使用する機体はどうしますか?」

 

女性の言葉に部下はタブレットを持ち、指示を仰いだ。

 

「そうですね……現在、開発終了している機体は何ですか?」

 

女性の言葉に部下はタブレットを操作する。

 

「はい、現状で開発終了しているには、ストライク・ダガー、ダガーL、そして、強襲特化型のダガーLです」

 

「そうですか。では、強襲特化型ダガーLを二十機を準備してください」

 

「はい。判りました。では、私はこれにて」

 

「ええ、我々女性だけの世界を造る為にも、男どもは駆逐してしまいましょう。白き清浄なる世界の為に‼」

 

「ハッ、ロード・ジブリール様‼」

 

そう言って部下はジブリールの部屋から出ていくのであった。




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