インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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大変、お待たせしてしまい誠に申し訳ありませんでした。
英雄達のリターンを書き直しついでに書いていたら、出来上がったので投稿させて頂きます。
この作品については、月二回更新か、週一更新が出来たら良いのになぁって考えている作者です。まぁ、簡潔に言うと、不定期更新です♪

それと今度から、こちらが主になりました。


第九話

その後、駆け付けた鎮圧部隊に拘束され武装集団は連れて逝かれる(誤字にあらず)のであった。

 

「キラ君、アスラン君。無事かしら?」

 

「ええ、俺たちは無事ですが………」

 

「巻き添えになった人達が………」

 

楯無の言葉にキラ達は後ろを振り返りながら言う。そこには亡骸しか残されていなかった。

 

「おい、生きているぞ‼」

 

「なに‼」

 

一人の隊員の言葉にアスランとキラは反応してそちらに向かって行く。そこには、一人の少女が気絶をしていたのであった。その近くには母親であろう女性が虫の息でキラの服を掴んで囁いた。

 

「お……願いです………この娘を…………救って…あげ………て………」

 

そう言って事切れたのであった。

 

「判りました。この娘は僕が育てます」

 

「キラ‼」

 

「キラ君⁉」

 

キラの言葉にアスランと楯無は驚きの声を上げた。

 

「判っているのか‼ 俺たちはIS学園に通う事になるんだぞ‼」

 

「判っているよ。アスラン。でも、可哀想じゃないか、この娘だけ取り残されたんだよ? 誰がするって言うんだい?」

 

「………何言っても考えは変えないか?」

 

「変えないよ」

 

「はぁ、相変わらずお前は決めた事には真っ直ぐなんだから。その所為で俺も巻き添えに………オイ、俺を巻き込むなよ?」

 

「………」

 

アスランの言葉にキラは黙ってしまうのである。沈黙は肯定と言う言葉があるが、まさしくその通りであった。

 

「お前、最初っからこの事を計算していたな?」

 

「うん、この娘が助かった時点でね」

 

キラは開き直ったか様に言う。

 

「アスラン君⁉」

 

「こいつに何言ってもダメですよ。こいつは考えを簡単に変える様な奴では無いですからね」

 

「はぁ、でもどうするの? 君たちはIS学園に入学する事になっているでしょ。その娘の面倒を見れる施設なんて無いのよ?」

 

「大丈夫です。既に手は回しています」

 

アスランはそう言うと後ろに指を指した。そこにはキラが携帯で学園長に連絡を取っている処であった。

 

「はい、はい。そうです………本当ですか‼ ありがとうございます。はい、では楯無さんにはそういう風に伝えます。では」

 

学園長と連絡が済んだのか、キラは携帯を懐に戻し、楯無の所に戻ってくる。

 

「楯無さん。先ほど学園長から貴女と一緒の部屋になりましたので、よろしくお願いします」

 

「………ハァァァァァァァァッ‼⁉」

 

楯無は驚きで大声を上げてしまうのであった。

 

「どうしてそうなるのかをお姉さんに説明してほしいな?」(怒)

 

楯無はいきなり決められた内容に血管が浮き出る程の怒りを全開にしてキラに迫る。

 

「僕一人では子供の面倒は見れないと学園長に言うと『なら、楯無さんと一緒の部屋にしますので、彼女と一緒にその娘の面倒を見てください』と言う事です」

 

「簡潔で判りやすい説明をありがとう………はぁ、それでこの娘はどうするの?」

 

楯無は観念したのか、少女の事を心配する事にした。

 

「一度、病院で検査をしてもらいます。それで異常がなければそのまま学園に連れて行きます」

 

「判ったわ。キラ君。車に乗って」

 

「いえ、既に僕は車を持っていますのでそれで行きます」

 

キラはそう言うとコインパーキングに向かって行く。いつの間にと思われるが、簪とアスランが買い物にいている間に内緒で購入していたのだ。お金は勿論、ローンではなく一括ではあったが………ちなみに、購入した車はトメタのヴェルデファイアーである。

 

「いつの間にそんな車を………」

 

「それよりも早く乗って下さい」

 

「わ、判ったわ」

 

キラの言葉に楯無は、頷きキラの車に乗り込み、病院へと車を発進させるのであった。

一方、アスランと簪は、襲撃現場に取り残されたのであった。

 

 

 

 

車内では、キラと楯無、そして、保護した少女の三人が乗って、病院へと向かっている最中である。

 

「「………」」

 

キラと楯無はお互いに、何を話したら良いのか判らず、黙り込んでしまう。

 

「う、う~ん………ここはどこ?」

 

「気が付いた?」

 

少女が目が覚めた様で、ゆっくりと小さな体を起こした。

 

「うん、お兄さん達はだ~れ? ママはどこにいるの?」

 

少女は近くに母親の姿が無いからくる不安から、少し目尻に涙を浮かばせていた。

 

「君のお母さんh「キラ君。ここは私が話すわ」では、お願いします。僕は運転に集中しますので」

 

キラが話をしようとした時、楯無が割り込みを入れた。キラも、それを承諾し運転に集中する。

 

「君のお母さんはね。遠い所に出掛けちゃったんだよ。でもね、安心して。いつか必ず会えるから」

 

楯無は少女の目を見ながら話をする。少女も、楯無の目を見て静かに頷いた。

 

「それでね、君のお母さんから君の面倒を見てほしいって頼まれたの。あのお兄さんが」

 

楯無はそう言いながら、キラを指さす。

 

「楯無さん。間違ってはいませんが、少し横暴過ぎませんか⁉」

 

「あらぁ~? 君が私を巻き込まなければ良いだけの話じゃなかったの?」

 

「うぐっ⁉ そ、それはそうですけど………」

 

「ケンカしているの?」

 

「「してないよ」」

 

少女の言葉にキラと楯無はハモって返事をした。それをおかしくなったのか、キラと楯無は顔を見合わせて、笑い始めるのであった。

 

 

 

 

そして、いくらか走った頃、病院へと到着した。

キラはすぐに受付に行き、受診が出来るように手続きを取った。その頃、楯無と少女は待合室にて静かに待っていた。傍から見れば、親子仲良く病院へと来たとしか見えないが、キラと楯無はそれに気が付いていなかったのであった。

 

「次、ヤマトさん。ヤマトさん。三番医務室に入って下さい」

 

キラ達が呼ばれたので、言われた通りに医務室に入り、検査をするのであった。

 

 

 

検査が終了し、キラと楯無、そして少女の三人が病院から出てくるのであった。

 

「何も問題がなくてよかったね?」

 

「うん‼」

 

楯無の言葉に嬉しそうに少女は頷いた。

 

「さて、これから君が生活する場所に帰るよ」

 

「は~い」

 

キラと楯無、少女は仲良くキラの車に乗り込み、IS学園へと向かって行くのであった。

 

 

 

 

時を戻して、現場に残されたアスランと簪は、キラが去って行くのを静かに見守っていた。

 

「ねぇ、見た?」

 

「ああ、見た」

 

「あれが、私のお姉ちゃんなの」

 

「そうか………」

 

「「………」」

 

「「(誰が見ても、夫婦にしか見えねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ‼)」」

 

簪とアスランは内心で、共通した意見であった。

 

その時、アスランの携帯が鳴り響いた。

 

「はい、ザラです」

 

『私だ。織斑だ。状況はどうなった?』

 

電話の相手は千冬であった。

 

「状況は終了しました。ですが、生存者は一名のみ。そちらには、更識楯無先輩とキラが一緒に病院に連れて行きました」

 

アスランは、先ほどの事についての報告をしていた。

 

『それに関しては、既に学園長から連絡が来ている。それと、もう一つ、ザラ。お前に一人部屋を用意する事が出来なくなった。と言うのも、本来であれば、ヤマトと一緒の部屋になる筈であったが、今回の件があっただろ? その結果、お前には申し訳ないが、同居人が付く事になった』

 

千冬は、アスランの部屋についても説明をした。

 

「はぁ、それで同居人の名前は?」

 

『更識簪だ』

 

まさしく、隣にいる簪であった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等は随時受付をしております。

尚、注意書きとして、質問で受け付けられない物があります。

・ネタバレになる内容
・ヒロインについて(読んでいたら判る)
・敵について&味方について

です。もしかしたら、増える可能性がありますが、その際にはちゃんと感想返しでコメントさせて頂きます。
今後から、そういう風にさせて頂きますので、ご了承くださいます様、よろしくお願いします。

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