インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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第百四話

明日奈とアリスのじゃれ合いをキラ達は物陰から見ていた。

 

「良かった……明日奈ちゃんが笑ってる」

 

「笑ってるというよりも、笑かされているの間違いじゃないかな?」

 

二人は姉妹が仲良くしている姿を見て、内心、安心していた。

 

「あとは、私たちの出番ね?」

 

「ええ、そうですね………明日奈、アリス。こっちにおいで」

 

キラはじゃれ合っている二人を呼び寄せると、二人に似合いそうな洋服を見せた。

 

「僕が持っているのがアリスの服で」

 

「私が持っているのが明日奈ちゃんの服よ」

 

「「わぁー‼」」

 

明日奈とアリスはキラ達から服を渡されるとすぐに試着室へと駆け込んだ。

 

「はや……」

 

「早いねぇ……」

 

二人のいきなりの行動にキラ達は目を点にさせる。そして、すぐに試着室のカーテンが開けられた。

 

「うん、二人とも似合ってるよ」

 

「やっぱり、二人の服はこういうのじゃないと」

 

明日奈が身に包んでいる服は、お嬢様っぽく見える服装である。一方のアリスはゴスロリ風の服であった。

 

「ママ、パパ‼ ありがとう‼」

 

「お父さん、お母さん、ありがとう」

 

明日奈は笑顔満点でお礼を言うが、アリスは顔を赤くさせながらお礼を言う。まだ、キラ達を親として呼ぶには恥ずかしい様子である。

 

「うんうん、似合ってる。似合ってる」

 

「二人とも、服を脱いで。会計しちゃうから」

 

「はーい」

 

「うん」

 

キラの声で二人はすぐに着替えると、キラに服を渡した。

 

「ならちゃちゃっと会計してきます。楯無さん、お昼何処で食べるか探してくれませんか?」

 

「良いわよ」

 

キラは刀奈に昼の店を決めさせている間に、二人の服を購入しに行ったのであった。

 

「さて、明日奈ちゃん。アリスちゃん。何が食べたい?」

 

「うーんとね………お蕎麦‼」

 

「わ、私は………うどんかな」

 

「お蕎麦にうどんね………なら、この店が良いかな?」

 

「決まりましたか?」

 

刀奈が丁度、店を決めたと同時にキラが会計を終わらせて、戻ってきた。

 

「うん、二人とも蕎麦とうどんが良いって言うから、この店にしたんだけど………」

 

「丁度、僕も麺類を食べたいと思っていたので、良かったです」

 

「あらそう? やっぱり私達って家族ね?」

 

「ちなみに楯無さんは?」

 

「私はね、パスタが食べたかったの」

 

なんと驚きの、キラ達は麺類というカテゴリーで一致していたのである。

 

「なら、時間も時間ですし、行きましょうか」

 

「「「はーい」」」

 

キラの言葉で三人は手を挙げて返事をしたのであった。その様子にキラは可笑しくて笑ってしまう程であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼も食べ終わり、あとは帰宅するだけとなった。

 

「買い忘れは無いですよね?」

 

「ないわ」

 

キラが購入したヴェルデファイアーに乗り込んだ刀奈、明日奈、アリスは助手席に刀奈、後部座席に明日奈とアリスを乗せていた。

 

「では、帰りましょうか」

 

キラはヴェルデファイアーを発進させた。

 

その後は特に問題もなく、更識家へと帰還したのであった。

 

「ただいま戻りました」

 

「ただいまぁー‼」

 

「た、ただいま………」

 

「もう、慣れたら?」

 

キラの声に続き、明日奈が元気よく帰ったことを伝えたが、アリスはまだ恥ずかしい様子で、小声であった。刀奈は、苦笑いをしていた。

 

「お帰りなさい。もうご飯の準備は出来ていますよ」

 

出迎えた琴音の言葉にアリスと明日菜の表情は明るく花が咲いたような笑顔を作り出した。

 

「「ごはん‼」」

 

二人はすぐに洗面所へ向かい、手洗いうがいをして大広間へと駆け出すのであった。

 

「やっぱり、二人は早いねぇ~」

 

「楯無さん、そこじゃないと思うのですが………」

 

「キラ君。気にしない事よ。私は気にしないわ」

 

「………もう良いです」

 

刀奈とキラも洗面所へ向かい手洗いうがいをして大広間へと向かった。

 

「パパ、ママ。遅いです‼」

 

「お父さん、お母さん。遅いですよ‼」

 

キラと刀奈が大広間へと足を踏み入れると、既に自分の籍に座っていた明日菜とアリスに責められたのである。

 

「二人が早いだけだし………それじゃ、せっかく作ってもらった料理が冷めてしまってはまずいわ。それじゃぁ」

 

「「「「頂きます‼」」」」

 

大広間にはキラ達の姿しか無かった。それは、既に使用人たち含め時政、琴音たちは食べ終わっていたからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事も終わり、キラ達は宛がわれた部屋に帰っていた。

 

「パパ、ママ。明日はどこに行くの?」

 

「そうだね……あっ、そうだ。二人とも、遊園地に行った事が無かったよね?」

 

「うん‼ 行ってみたい‼」

 

「お父さん。私も行ってみたいです」

 

キラの提案にアリスと明日菜ははしゃぎだした。

 

「フフ、キラ君。お父さんしてるわね」

 

「そう言う楯無さんもお母さんをしていますよ」

 

はしゃぐ二人を見てキラと刀奈は微笑みながら見ているのであった。

 

「さ、そろそろ寝ないと明日の遊園地に行けないわよ」

 

「「はーい」」

 

刀奈の一声で二人は布団の中に潜り込むが、興奮している二人は寝付く様子も無かった。

 

「ねぇ、パパ。遊園地って何があるのかな?」

 

「そうだね……でも、今知っちゃうと明日の楽しみが減るよ?」

 

「ううぅー……明日を楽しみにします」

 

「そうだね。その方が良いよ」

 

キラは明日菜を優しくリズムよく胸のあたりを叩く。すると、明日菜はリズムの所為なのか、それともキラの傍で寝る事によるものなのか判らないが、いつの間にか寝静まっていたのである。

 

「アリスちゃんも寝たわ……子供の寝つきって早いわね」

 

「そうですね……二人とも幸せそうに寝ていますね」

 

キラと刀奈は寝ている二人を見ている内に眠くなり、いつしか二人は寝るのであった。


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