インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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なんでか知らないけど、すらすらと書けてしまう自分が怖い。次回より定期更新とします。詳しくは後書きにて‼


第百三話

翌日、キラは楯無と明日奈、そして娘として引き取ったアリスを連れて更識へと足を運んでいた。

 

「お久しぶりです。お義父さん」

 

「久しぶりだな、キラくん………そして、その子が………」

 

「はい、僕が引き取ったアリスです」

 

キラの紹介にアリスは顔だけを動かし会釈した。

 

「………君からの話や娘からの話は聞いている………内容は本当の事なのだな?」

 

「はい。彼女にはもう寿命が迫っています。それも、一年も持たないでしょう」

 

「そうか………」

 

時政はそう言うとジッとアリスを見つめていた。一方の明日奈は早く遊んでとばかりにウズウズしていた。

 

「アリスちゃん。来なさい」

 

「……はい」

 

アリスは時政の方へと近づいていく。表面上では怖がっている様子ではないが、内心、怖がっていたのである。

そして、アリスが時政の前に立った瞬間、時政はアリスを抱きしめたのである。

 

「よ~し、よし‼ おじいちゃんですよ‼」

 

「おじいちゃん、明日奈も‼」

 

「おお‼ 明日奈ちゃんもおいで」

 

「ワーイ」(*^▽^*)

 

明日奈も時政へ向かい、アリス共々抱きしめられたのである。この光景にキラと刀奈は、やっぱりこうなるのかと感じ呆れていたのであった。

いつの間にか二人に懐かれた時政は夕方まで一緒に明日奈とアリスと遊んでいたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。キラと刀奈、時政、琴音の四人が集まっていた。

 

「さて、アリスちゃんの事だが………」

 

「学園での処置で急遽、僕と刀奈さんは緊急時を除き学園を離れる許可を得ています。その為、僕たちはこのまま、ここで過ごさせて頂きたいと思っています」

 

「それは、構いませんが………刀奈。あなたには覚悟が出来ていますか?」

 

「はい、お母様。アリスちゃんはキラくんのクローンであるが為に、寿命が短い事は心得ています。だからこそ、覚悟を持ってアリスちゃんを引き取りました」

 

「刀奈に覚悟があるのであれば、我々は何も言うまい………だが、私たちとて人の親だ。もし、何か困った事があればすぐに言うのだぞ」

 

「「はい‼」」

 

時政の言葉にキラと楯無は強く頷いた。

 

「さて、そろそろ寝る時間だな………二人は一緒の部屋にしてあるが………くれぐれも避妊してくれよ? まだ、明日奈ちゃんやアリスちゃんよりも下の子の顔を拝む気はないからな」

 

「ちょっ⁉」

 

「お、お父様⁉」

 

時政は笑いながら琴音と共に部屋を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。キラと楯無は明日奈とアリスを連れ、レゾナンスへと来ていた。

 

「こうして家族と来るショッピングも良いですね」

 

「そうね………でも、やっぱり店舗が少ないわね………」

 

刀奈が言う様に、レゾナンスに店舗を構える店が少なくなっていた。その原因としては、先のテロ事件であろう。テロ事件を受け、レゾナンスは改修工事を行ったが元々入っていた店舗は殆どが離れてしまったのである。その結果、レゾナンス自体の経営も危うい状態であった。

 

「でも、レゾナンスに残った店舗って被害を受けていない店舗ばかりですよね?」

 

「ええ、そうね。あっ、ここよ」

 

刀奈は一つの店舗の前で立ち止まった。

 

「ここって………」

 

キラが店舗の中を見ると、子供の洋服を取り扱っている店であった。

今回、キラ達がレゾナンスに足を運んだのは、アリスの洋服と明日奈の新しい服を購入するためである。

 

「さぁて、明日奈ちゃん、アリスちゃん。可愛くしてあげるからね‼」

 

刀奈はそう言うとフンスと鼻から息を猛烈な勢いで吐き出したのである。

 

「キラくんにも手伝ってもらうわよ」

 

「判っていますよ………どれが似合うかな?」

 

キラと刀奈は夫々に似合う洋服を探しに出たのだが、その間、明日奈とアリスは置いてけぼりにされてしまったのである。

 

「お姉ちゃん」

 

「……皆まで言うな………お父さんとお母さんは親バカか?」

 

「………そうかも………」

 

二人はキラと刀奈が服を探している間、大人しく店舗前にある椅子に座っていた。

 

「ねぇ、お姉ちゃん」

 

「ん? どうかしたのか?」

 

「お姉ちゃんは幸せ?」

 

明日奈からのいきなりの質問にアリスは呼吸を忘れてしまった。

 

「ッ⁉ あ、ああ。私は幸せだ。望んだモノが手に入ったんだ………もう、私は死んでm「そんな事言わないで‼」…明日奈ちゃん……」

 

明日奈はアリスの体に涙を流しながら抱き着いた。

 

「やっと明日奈に出来たお姉ちゃんなのに………死んでも良いなんて言わないで………」

 

「………ごめん………でも、私には時間が無いの……あなたを抱きしめられる時間は、残されていないの」

 

「それでも‼」

 

明日奈はアリスに体を密着させつつ、顔を上げた。その目には涙を溜めて。

アリスは明日奈の目元に溜まった涙を指ですくった。

 

「大丈夫。もし、私が死んだとしても、私はあなたの心の中で生きているから……ね?」

 

「………うん……」

 

明日奈は納得していない様子であったが、気丈にも笑顔を見せる。姉であるアリスに心配させない為に。

 

「そろそろお父さんとお母さんが戻って来そうだよ? ほら、涙を拭いて」

 

アリスの言葉に明日奈は頷くと、服の袖で涙を拭いた。

 

「笑わないと、笑かしちゃうぞ?」

 

アリスはそう言うと、手をワキワキさせ始める。

 

「え? ちょっと待って………イヤァァァァァ‼」

 

明日奈はアリスに擽りを受け、笑い転げていたのであった。




今後の更新についてお知らせです。
毎週月曜日の0時に投稿して行きますので、よろしく願いします。

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