インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

107 / 115
百話から、数話に掛けてアリス編をしていきます。そして、今回の章は、自分に取って初となるシリアスに挑戦します。皆さま、至ら無い所があるかと思いますが、暖かい目で見て下さい。
あと、連続投稿ですので、前話から読んで下さい。
それと、今回はギャグもいれてますし、初めての試みもしております。
気付いた方は、メッセージをお願いします。


第百一話

「……夢を持てるのであれば、家族が欲しい。パパがいてママがいて………妹か姉がいて………楽しく過ごしたいの‼ こんな夢がかなう筈が無いじゃない‼」

 

アリスの夢にキラは一つの事を思いついたのである。

 

「なら、僕の家族にならないかい?」

 

「は?」

 

アリスは驚きキラを見つめた。

 

「あなたはは何を言っているのか判っているの?」

 

「あっ、織斑先生? 今すぐ楯無さんと明日菜ちゃんを連れて来て下さい。至急です」

 

「聞きなさいよ‼」

 

キラは千冬に楯無と明日菜を連れて来るように言うが、千冬は顔を渋る。

 

「もしかしたら、彼女を助けられるかも知れないんです」

 

「無視ですか⁉」

 

「ですから‼ 早くしてください‼ 権限で要請しますよ?」

 

「グスン」(´Д⊂グスン

 

キラの言葉に千冬はようやく動き出したのである。

 

「なんで泣いているの?」

 

「あなたの所為よ‼ さっきから、無視ばっかりして‼ なんですか、私には興味が無くなったんですか⁉ さっき、あなたが言った家族にならないかって、嘘なんですね‼ そうなんですね⁉ そうなんでしょ‼」

 

「ちょ、ちょっと、落ち着いて……」

 

「落ち着いてられるかぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼ 無視を決め込んで、私の事は眼中にないと言う事ですね‼」

 

「違うから‼ 落ち着いて。はい、深呼吸‼」

 

「ヒッヒッフー」

 

「それ違うよ⁉」

 

「解ってます。態とです………落ち着きましたので、話を進めて下さい」

 

「………ヤダぁ、この子」

 

キラは疲れた様子で肩を落とした。

 

「さっきの君の夢だけど、叶う事が出来るよ?」

 

「どうしてそう言えるのですか?」

 

「そうだね、僕には結婚を約束している人と子供が居る」

 

「もう子持ちですか………婚約者を孕ませたんですか?」

 

「なんでそうなるのかな⁉ 違うから」

 

「では、どこからか攫ったのですね?」

 

「…………」

 

「え? まさか‼」

 

アリスはそう言うとキラから距離を置いた。

 

「私に近づかないで下さい。この誘拐犯‼」

 

「どうして、そう言う風になるのかな⁉ 違うからね‼ 子供と言っても本当の子供じゃないから」

 

「だから、攫ったんですy「ちょっと、ダマロウカ?」アッハイ」

 

キラの殺気の籠った笑顔を当てられ、アリスは黙ってしまう。

 

「ある事件をきっかけに養子として迎えたんだよ」

 

「まさかと思いますが、私を?」

 

「そう。君の夢は両親がいて姉か妹が居る生活をしたいんだよね?」

 

「……はい」

 

キラの言葉にアリスは頷いた。

 

「僕はまだ結婚ができる年齢でもないし、養子として迎えている子も婚約者側の姓で名前を名乗っているんだ……まぁ、既に彼女からはパパって呼ばれているけどね」

 

キラは苦笑いをしながらアリスに説明する。

 

「貴方の話の内容は判りました………ですが、結局は私の意志が必要ですよね?」

 

「そうだね……君の答えを聞きたいんだ………」

 

アリスは少し考えると答えを出した。

 

「貴方の提案はとても魅力的です「なら」だが、断わる‼ わたし事、アリス・ヒビキにとって最も好きな言葉は、自分が勝っていると思っている奴にNOと断ってやる事だ‼」

 

どこかで聞いた事があるセリフであるが、アリスの表情はドヤ顔であった。

 

「………」

 

一方のキラはと言うと、無表情であった。

 

「………ごめんなさい。フザケスギマシタ」

 

「君ってそんなキャラだっけ?」

 

「違うわ。作者がシリアスは嫌いだそうで、こう言うキャラにシフトチェンジさせたらしいわ」

 

「メタい‼ まぁ、良いけど………」

 

キラの言葉にアリスは「あっ、良いんだ」と思っていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから暫らくして、病室に楯無と明日菜が入って来た。

 

「来たわよ、キラ君」

 

「パパぁ~」

 

楯無は病室に入るや、キラの傍に立つ。明日菜はキラに抱き着いたのである。

 

「楯無さん、明日菜ちゃん。アリスちゃん、紹介するね。こっちが、僕の婚約者である更識楯無さん。それで、この子が義娘である更識明日菜ちゃん」

 

「初めまして、君の事は外で先生から聞いているわ」

 

「………」

 

「明日菜ちゃん?」

 

楯無は人を誑し込める笑みを浮かべるが、明日菜はそうでは無かった。アリスの顔をまじまじと見つめていた。

 

「な、なによ………「お姉ちゃん?」はい?」

 

明日菜はアリスの事を“姉”と呼んだのだ。アリスはいきなりの事で付いて来れず、聞き返したのである。

 

「なんで、いきなり姉になるのかしら?」

 

「だって、ママが言ってたよ。明日菜にお姉ちゃんが出来るって」

 

「まだ、私はあなたやあなた達の家族になるって答えてないのだけど?」

 

アリスはそう言うとキラをジト目で見た。だが、キラは苦笑いだけで答えたのである。

 

「でも“まだ”なのね? と言う事は、答えは決まっていると言う事かしら?」

 

「ウグッ……痛い所を突いて来るわね………お母さんは

 

「なんて言ったのかしら?」

 

アリスは小声で言ったつもりだが、楯無には聞こえていたのである。楯無は、ニコニコとしながらアリスに迫って行く。

 

「だ、だから‼ お母さんって言ったのよ‼ 文句ある‼」

 

アリスの言葉を受け、楯無は堪らずアリスを抱きしめたのである。

 

「く、苦しぃ~」

 

「……そうよ、あなたは、もう私達の家族の一員よ」

 

「………ありがとう。お母さん」

 

アリスは楯無の背中に手を回したのである。




誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、どしどし送ってください。

それと、初めての試みもしているので、気付いた方は言って下さい。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。