インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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あと残り二話で百話突破するわww

ここまで書けたのは、読者様のお陰です。ありがとうございます。最終回まで、まだまだありますが、これからもよろしくお願いします‼


第九十八話

「さて、世界は一度壊れ、再生されるべきです。清き清浄なる世界に生まれ変わるのです‼」

 

女性はそう言うと、スイッチを押す。

 

「………あれ?」

 

女性は再度、スイッチを押した。だが、イヤホンからは原子力発電所が停止されたと言う報告がされる事は無かった。

 

「………貴様らが仕掛けた停止装置は、こちらで破壊させてもらった」

 

どこからか若い男の声が、辺りに響いた。

 

「誰だ‼」

 

「………貴様らは国家テロの容疑で射殺が許可されている……今、投降すると言うのであれば命の保証はする」

 

「うるさい‼ 何がテロだ‼ 国家がなんだと言うのだ‼ 世界がなんだと言うのだ‼ 世界は一度、破壊されなくてはいけない‼ 世界は清き清浄なる世界に戻るべきなのよ‼」

 

「御託は以上か? なら、国家テロ容疑で射殺する」

 

若い男がそう言うと、銃声が鳴り女性の頭を撃ち抜き、女性は絶命した。

 

「なにが………」

 

「おい、大丈夫か?」

 

千冬は何が起きたのか判らなかったが、千冬の傍に一人の男が現れる。

 

「貴様は………」

 

「俺か? 俺の名は…………風見雄二だ」

 

風見と言う男の手にはスナイパーライフルが握られている。

 

「それで……」

 

「ああ。俺は日本政府からの命令で、国際IS学園に侵入したテロ組織の壊滅を受けている………それで、誰か死んだのか?」

 

風見の言葉に千冬は鈴が横たわっている方を指さした。

 

「………そうか……ん?」

 

風見は何かを見付けた様子で、鈴に近づいた。

 

「………一つ聞きたい。コイツの呼吸は確認したか?」

 

「いや……確認していない」

 

「なら、大丈夫だな」

 

風見は何語事も無い様に言う。千冬はそれに対して苛立ち風見に怒鳴る。

 

「何が大丈夫だ‼ 死んだのだぞ‼」

 

「いや、生きてるぞ」

 

「は?」

 

風見の言葉が信じられなかった千冬。自分の腕の中で死んだと思った鈴は実は生きていた。と聞かされても実感が湧かなかった。

 

「いや、だって……私の腕の中で………」

 

千冬の言葉に風見は鈴の胸元を指さした。

鈴の胸元が静かに上下している事が見えた。と言う事は、鈴は死んでしまったのではなく、気絶していたと言う事であった。

 

「生きていた……良かった‼ 鈴は生きていたんだ‼」

 

千冬は膝から崩れ落ち、涙を流した。

 

「………」

 

風見は何も言わずにその場から、静かに立ち去って行った。

だが、それだけで終わる筈も無い。中国からの艦隊は既に国際IS学園の領海内に侵入し、刻一刻と近づいていたのである。

 

「………泣いている暇なぞ無い‼ ここからは我々教師の仕事だ‼」

 

千冬は涙を拭くと、懐に仕舞っていた通信機を取り出した。

 

「各自に通達。これより緊急事態宣言を発表する。一般生徒は速やかにアリーナ地下にあるシェルターに避難せよ‼ 繰り返す。これより緊急事態宣言を発表する。一般生徒は速やかにアリーナ地下にあるシェルターに避難せよ‼ 専用機持ちは至急、第一アリーナに集合せよ‼」

 

千冬は宣言すると、鈴を背負い第一アリーナへと向かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、キラ達はアークエンジェルから出撃しようとしていた。アークエンジェル、ドミニオン、ミネルバの三隻の速力は早いものの、IS…特にキラとアスランの機体にはミーティアが装備する事により、マッハ5クラスのスピードが出せる様になっているのである。

これにより、キラ達が先に先行し学園防衛の任に就く事になったのである。

 

『キラ君、アスラン君、聞こえているわね』

 

「「はい‼」」

 

キラ達の機体にはマリューの声が響く。

 

『アークエンジェルとミネルバ、ドミニオンは後から追い付くわ。先行してIS学園の防衛に付いて頂戴‼』

 

「了解しました」

 

「俺達だけで行ったらいいんですね? ラミアス艦長」

 

『ええ、ミネルバ隊、ドミニオン隊は兎も角、一夏君の機体はマッハ5には対応できないわ。だから、先に貴方達に先行してもらいたいの』

 

「解りました。これより出撃します」

 

キラの言葉でアークエンジェルのカタパルトが開いた。

 

『ZGMF-X135D ストライク・フリーダム・フェニックス。発進、どうぞ‼』

 

「キラ・ヤマト、フェニックス。行きます‼」

 

『続いてZGMF-X331D インフィニット・ジャスティス・セイバー。発進、どうぞ‼』

 

「アスラン・ザラ、セイバー。出るぞ‼」

 

アークエンジェルから出撃した二人は、量子変換されたミーティアを出現させ、ドッキングする。そして、そのまま学園へと向かって行った。

 

残された一夏はアークエンジェル内にあるモニターでキラ達が出撃した所を見ていた。

 

「悔しそうだな、織斑一夏」

 

「あなたは………」

 

一夏の名を呼んだのはトールであった。トールの顔は先の防衛戦後、千冬が各部隊の紹介時のみしか知らず、話をする機会が無かったのである。

 

「俺はトール・ケーニッヒだ。ドミニオン隊の隊長を務めている………さて、お前に聞きたい。お前はその力で何をしたい」

 

「おれは………」

 

一夏は真っ先に“護る”と言う言葉を発しようとした。だが、それは違うと何かが囁く。

 

「以前の俺なら、護りたいと言っていた………だけど、今の俺にはこの白式で何がしたいのか判らなくなってしまった………」

 

一夏は首を垂れトールの質問に答えた。トールは予想していた答えとは真逆の答えであった為、少し呆けてしまったが、直ぐに表情を戻した。

 

「それも一つの答えだ。だが、後悔する事には変わりがない……だが、何もせずに後悔するよりも、何かをやって後悔する方が諦めが付くんじゃないのか?」

 

「ッ⁉」

 

トールの言葉に一夏は首を持ちあげ、トールの顔を見る。

 

「その力を使う日が、今まさにやって来たと言う事だ」

 

トールはそう言うと、一夏に手を差しだした。

 

「この手を握れ。この手を握れば、お前は一人の戦士だ。君が望む世界じゃない。誰もが望む世界じゃないのは確かだ。だが、お前は力を手にしている。その力で何かの役に立ちたくないか?」

 

「………」

 

一夏は考える。これまでやって来た事の意味。力を持つ責任。そして、自分が何をしなくてはいけないのかを………そして、一夏は―――

 

「お願いします‼」

 

トールの手を取ったのである。




テロは未然に防がれた。だが、中国艦隊は刻一刻と国際IS学園へと迫っていた。
キラ達は間に合うのか‼ そして、トールの手を取った一夏の運命は‼

次回、第九十九話

『新たな力』

その力で護れ、ユニコーン‼



鈴ちゃん死んだと思った人。自分もそうしようとした人の一人ですww
まぁ、流石に鈴ちゃんは好きなキャラの一人なので、殺すつもりはありません。

誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、どしどし送ってください‼
次回の更新は、明後日か明日です‼

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