インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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何となく頭の中で閃いたので書いてみました。書いていて思ったこと。
明日奈ちゃんを泣かすのは心が痛い。


番外編
番外編


国立IS学園の朝、二人の少女が散歩をしていた。

 

「お姉ちゃん、お日様が眩しいね」

 

「ええ、そうね………」

 

二人は仲良く手を繋いでIS学園内を散歩していた。二人の少女の名は更識明日奈と更識アリス。二人はキラと楯無の養女として迎え入れられていた。また、アリスに至ってはキラの細胞を使って生み出されたクローンであり生まれた当時からテロメアが短く、数か月で命を落とす筈であったが、キラから輸血されたことによりテロメアが普通の人と同じようになったことでこうして二人並んで歩く事が出来ていたのである。

 

「そういえば、今日ってパパが生徒会室に行くからって言ってなかったっけ?」

 

「言われてみればそうね。そうだ、明日奈。二人でお父さんを迎えに行かない?」

 

「え、でも………」

 

アリスはそう提案をするが、以前にキラと楯無から勝手に校舎内を歩いていけないと言われていた明日奈は気が引けていた。

 

「そろそろ、私たちも一人で…いやこの場合は二人でお父さんやお母さんを迎えられるってことを見せないと………私たち、独り立ちできないよ?」

 

「ううぅぅぅ…………」

 

明日奈自身も独り立ちをしたいと思っているが、まだ六歳となった明日奈としては独り立ちの意味が解っていないが、何となく大人になれる一歩として認識をしていたのである。そして、アリスに言われて渋々、頷いて見せた。

 

「なら、決まりね。なら……」

 

そういうとアリスはキラから与えられた携帯を使ってどこかに連絡をしていた。

 

「……………」

 

「………なに?」

 

明日奈は携帯の事が気になるのか、ずっとアリスの手に持っている携帯を凝視していた。

 

「お姉ちゃんだけいいなぁ~」

 

「大丈夫よ、明日奈もいつか必ず渡してくれるから」

 

「……………」

 

アリスはそういうが明日奈は納得していないのか、ずっと携帯を凝視していた。アリスは悪戯心が動き、左右上下に携帯を動かすと、明日奈の顔も同時に釣られて追っていたのである。だが、すぐに終わる羽目になってしまう。

 

「何をしているのだ、二人とも」

 

「「あっ、千冬さん」」

 

「私の事は織斑先生と………いや、二人は生徒ではないから良いか」

 

恐怖の対象として世界から恐れられている織斑千冬であるが、アリスと明日奈には形無しである。

 

「何か言ったか、作者よ」

 

…………何も言っていないので、その手に持っている宝刀を下ろしてください。

 

「………チっ」

 

危なかった。では、気を取り直してナレーsy

 

「悪は滅んだ」

 

…………(作者だったもの)

 

「ち、千冬さん……作者が死んだらこの作品が続かないと思うの」

 

「そうだな……さっさと起きろ、作者」

 

ハイハイ、起きますけど勝手に他の文に入って来て欲しくないのですが…………

 

「貴様が余計なことを言わなければ良い事だ。これに懲りたら余計な事をせずにナレーションに努めろ」

 

いつの間にかメタい事になっているのですが、気を取り直します。読者の皆様、お見苦しいところを見せてしまい、誠に申し訳ありません。

 

「「「申し訳ありません」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、二人は散歩か?」

 

「はい、お姉ちゃんと一緒に散歩をしているのです」

 

「朝早くに妹に叩き起こされました」

 

千冬は二人に尋ねると、明日奈はニコニコと答え、アリスに至ってはゲンナリとした表情で答える。

 

「あっ、そうだ。千冬さん。お父さんたちの授業が終わるのって何時ぐらいなんですか? 丁度、千冬さんに連絡をしようと思っていたんですけど」

 

「だから、携帯を持っていたのか………だが、妹が羨ましそうに見ているぞ?」

 

「知っています。だから、こうして遊んでいるんです」

 

そう言うと、アリスはまた携帯を左右上下に動かして、明日奈を揶揄い始める。

 

「程々にな」

 

「判っています。それで、授業は?」

 

「あ、ああ。そうだったな。今日は六時限までだから四時には終わるはずだぞ…………まさかとは思うが迎えに行きたいというのではないだろうな?」

 

「「…………」」

 

千冬の質問に二人の表情はいかにもその通りですと言わんばかりに輝きを放っていた。

 

「…………来るのは良いが、迷惑をかけてやるなよ?」

 

「判っています」

 

アリスは返事をしているが、明日奈に至っては首が取れるんじゃないかと言うほどに上下に振っていた。

 

「そろそろ生徒たちが動き始める頃だ。帰った方がいいぞ」

 

「「はい‼」」

 

二人の返事を聞いて千冬はいつもの仏頂面が優しい微笑mアンダバサー⁉

 

「作者、二度はないぞ?」

 

因みに千冬のこの時の顔を見た二人は抱き合ってガタガタと震えていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、キラ達がいる一組に二人の少女が向かっていた。だが、進むにつれて他の生徒に阻まれ進めずにいた。

 

「君たち、なんでIS学園にいるの?」

 

「誰かの子供さん?」

 

「先生の中の誰かかな?」

 

「ハッ⁉ もしかしたら千冬様の隠し子‼」

 

『それはない‼』

 

「デスヨネー」

 

国立IS学園と言えど、女子高生が通う高校の一環である。その為、子供がいることに驚いていたのである。それにより、他の生徒の耳に入りいつしか野次馬に囲まれるアイドルの如く、アリスと明日奈は生徒たちに囲まれていたのである。

こうなってしまっては、脱出は不可能な状況となってしまっていた。そして、恐怖のあまり明日奈はアリスの後ろに隠れてしまうのだが、生徒にとっては保護欲が増してしまうだけであった。

そしてとうとう明日奈は泣き出してしまったのである。

 

「うわぁぁぁぁん‼ パパァァァァァ‼ ママァァァァ‼」

 

『あっ』

 

流石に小さな子供が泣き出してしまったこともあって生徒たちは罪悪感を覚えてしまい、そしてオロオロし始めていた。だが、そこに救世主が現れた。

 

「この声って………」

 

「そうですわ」

 

「助けないと‼」

 

「行くぞ‼」

 

「ああ‼」

 

丁度、アリーナに向かおうとしていた鈴、セシリア、シャルロット、ラウラ、箒が通りかかり明日奈の鳴き声に気付いた鈴は声がする方に駆け出していた。

 

「アンタたち、何をしているの‼」

 

鈴がそう言うと、道が勝手に作られその先には泣いている明日奈と泣き止ませようとしているアリスの姿があった。

 

「明日奈ちゃん⁉」

 

その姿を見たシャルロットがすぐに駆け寄り、明日奈を抱っこした。すると、明日奈も泣き止みシャルロットの顔を見た。

 

「しゃ、シャルロットお姉ちゃん?」

 

「どうしたの、こんな所で」

 

「パパを迎えに行こうとしてたの……でも………」

 

「よしよし、もう大丈夫だよ。お姉ちゃんが一緒に行ってあげるから」

 

また泣き出しそうになっていた明日奈をシャルロットは優しく声をかけてあげていた。

 

「これはどういう事なのか、説明してもらうぞ、貴様ら」

 

ラウラは明日奈とアリスを囲んでいた生徒たちに対してプレッシャーをかけにらみつけていた。

 

「事と次第によっては、我々アークエンジェル隊が相手になるわよ」

 

鈴も参加してにらみつけていた。

 

「ち、違うの‼」

 

一人の生徒が代弁して否定して説明をしようとしていた。そこに更なる爆弾が投下される。

 

「何をしているのかしら、あなた達?」

 

「ママ‼」

 

『ママ⁉』

 

「お母さん」

 

『お母さん⁉』

 

現れたのは更識家現当主である更識楯無である。

 

「明日奈ちゃんにアリスちゃん⁉ なんでこんなところにいるの⁉」

 

楯無はすぐに明日奈たちの方に駆け寄ると、シャルロットから明日奈を渡されて抱っこすると、明日奈は安心したかのように首に手を回した。

 

「明日奈ちゃんは聞けそうにないわね………アリスちゃん、どういう事なのか説明してもらえる?」

 

「あっはい。今日の朝からの話になるんですけど、いいですか?」

 

アリスはそう尋ねると、楯無は頷きアリスは朝にあった話をしたのである。

 

「そう………さて、どういうつもりでこんなことをしたのか教えてくれるかしら?」

 

楯無の表情は笑っているが、目が笑っていなかった。

 

「い、いえ……それはそのう…………」

 

一人が説明しようとしていたが、どもってしまって言葉にならなかった。そして、とうとう最終爆弾が投下されることとなる。

 

「あっ、いたいたって明日奈ちゃん⁉ アリスも‼」

 

「パパ‼」

 

『ッ⁉』

 

そこに現れたのは明日奈とアリスの義父であるキラであった。キラを見つけた瞬間、アリスはすぐにキラに駆け寄り抱き着いたのである。

 

「あっ、そういえば聞いたことがあるんだけど………生徒会長とキラ君は付き合っているって……あれ? でも子供がいるなんて聞いていないんだけど…………」

 

『……………………』

 

一人の生徒がそう言うと鈴たち専用機持ち以外の生徒が一斉にキラと楯無の方に顔を向けた。傍から見ればホラーのようである。

 

「新聞部を使って伝えようと思っていたんだけど、予定変更ね。キラ君」

 

「そ、そうですね………」

 

楯無はいつも通りの笑みを浮かべながらキラを見ており、キラはキラで苦笑いを浮かべていた。

 

 

 

 

翌日の新聞部が発行している新聞には一面を使ってキラと楯無の家族の事が記事となっていたのである。

その日から明日奈とアリスは堂々とキラ達の元へと向かう事が出来るようになったのであった。




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