※この話はダンガンロンパV3の一部のネタバレを含みます。ダンガンロンパV3をクリアしていない方で、ネタバレが嫌な方は見ないことを推奨します。
・グロくはないと思いますが、一応R-15です。
・この話は【非公式】です。
・プロローグを何回かに分けて投稿します。またその先もそのようになる予定です。
・≪pixiv≫に上げているものと同じものです。また、キャラクターと地図は≪pixiv≫にてあげています。
※このprologue6のみ、少し内容が異なります。
※このprologue6で、プロローグは終了です。
ピンポンパンポーン
そんな音が食堂内に響いた。すると食堂に備え付けてあった、モニターに映像が映る。なにかのシルエットだ。
『あー、あー、聞こえているかな?本日はご乗船いただき、ありがとうございます。船内放送です。乗客の方々は今すぐにロビーへとお集まりください』
零源「ロビー?それは1階のか?」
速弥「もしかして、誘拐した奴?そうだったら許せないんだけど・・・!」
飯田橋「フッ、面白そうだ。俺は早速行くとしよう」
飯田橋君は勢いよく食堂から飛び出していった。
須ヶ原「・・・自分も行く事にします」
続いて須ヶ原君が出ていく。速弥さんも零源さんも彼等の後を追うように食堂を後にした。
鏡崎「ボク等も行こうか?」
天海「そうっすね。・・・気は抜けないっすけど」
1階のロビーホールへと駆け降りると、もうすでに先ほど会った面々が揃っていた。
九塔「うーん、すっかり忘れてたけど、あたし達誘拐されてたんだったよね」
武皐「おい、出てこい!この誘拐犯がよ!」
・・・・・・・・・・
???「もー、そんなにせかさないでよ」
ロビーの接客カウンター。その上に半分がつぶらな瞳の白いクマ、半分が禍々しい黒いクマのヌイグルミが現れた。
???「アテンションプリーズ!ようこそディスパイアー号へ」
野絽岐「わー、かわいらしいヌイグルミが出てきたよ」
???「かわいらしい?いやいやそれほどでも。だがしかし、ボクこそは希望ヶ峰学園の学園長、モノクマなのだ!」
一同「「「「!」」」」
モノクマ「いやぁ、かわいいって言われたの、初めてだよ。生徒に愛されるなんて、まさにボクは学園長の鏡だなぁ」
モノクマ「実はね、先生は皆が静かになるまでにクマになってしまったんだよ。ロビーとか2階のデッキとかで、わんやわんや、てんわわんや、騒いでいる内にね」
モノクマ「ま、嘘だけどね!」
天海「・・・希望ヶ峰学園の学園長ってどういう事っすか?」
モノクマ「ん?どうもこうも、面も小手もないよ。というか聞いちゃう?君達はゆとりなの?」
帆邑「アンタが私達を誘拐したの?」
モノクマ「誘拐?そんな事はしていないよ。そんな物騒な事をしたら。PTAから苦情が来るでしょうが!」
黄良「唐突に逆切れ?!」
帆邑「じゃあ、誰が誘拐したの?この状況は何?」
モノクマ「はぁ、何だろうね。少しは自分達で考えてみたら」
黄良「今度はすねちゃった・・・」
鏡崎「・・・・超高校級の才能を持った16人、完全な密室状態」
武皐「は?何言ってんだ?密室じゃねぇだろ。デッキに出られるし」
ヨハン「いえ、鏡崎君が言っていることはそういう意味ではないと思います」
須ヶ原「・・・確かに、今の状況は、はっきり言って危険ですよね」
速弥「どういう事なの?ちゃんと説明してよ!」
天海「海のど真ん中で、人を、助けを呼べない。そして逃げる事もできない状況。という事っす」
堂階「海とか船ならオレが詳しいよ?操舵室とかがあれば操縦できるし、助けも呼べるよ?」
九塔「それは無理」
堂階「どういう事?」
九塔「それっぽい所が全く見当たらなかったんだよ。仮にあったとしても鍵はかかっているだろうね。それも頑丈な」
岳「じゃあ、泳いでいくっていうのはどうだ?」
伊世渓「こういう船には救助ボートがついているよね?」
堂階「・・・岳、それは無理だ。船の底にはスクリューがあって、下手したら巻き込まれる」
九塔「そうじゃなくても、何処に島があるのかな?ゆかりちゃんの意見も同じ。島が見えないって事は、確実に1日以上はかかるよ」
速弥「せめて、ここがどこか分かれば」
天海「それに、どんな生き物がいるか分からない中、泳ぐのは非現実的っす」
仲「じゃあ、わたくし達はこれからどうなるのですか!?」
鏡崎「・・・多分、不自由なく暮らせると思う」
鏡崎「2階の厨房には食料はあるみたいだし、倉庫には雑貨があるみたいなんだ。だから生活っていう点は大丈夫だと思う。・・・ただ」
零源「なんだ?」
鏡崎「ただ、それだじゃない。と思うんだ」
飯田橋「フッ、そういう事か。伊世渓、お前はこの状況をどう分析する?」
伊世渓「なんでわたし?!」
モノクマ「あー、もう!!オマエラにコロシアイをしてもらうんだよ!」
周囲が一気に冷えた。誰もが黙った。まさに”この場が凍りついた”という言葉が見合うような。
俺は耳を疑った。いや、皆がそうだ。何も言葉を発せない。
モノクマ「議論は後でいいんだよ!・・・はぁ、手違いでまだ船は島に着かないのに、そんなこんなで疲れているボクに追い打ちをかけるなんて、ひどいや!
武皐「なぁ、聞き間違いだよな?殺し合いなんて」
黄良「そうだとありがたいよ・・・」
須ヶ原「というか、しませんよ。そんな事は」
仲「えぇ、そういう事は法律で裁かれます。常識ですわ」
モノクマ「それを打ち破るのがこのモノクマなのです!コロシアイについてはボクが保証するよ」
帆邑「どういう事?」
モノクマ「んもう、コロシアイが起こっても大丈夫。この場所ではボクがルールなの!」
モノクマ「オマエラの中で殺人が起こった場合、全員が参加する”学級裁判が行われるんだ!」
モノクマ「学級裁判では、殺人を犯した”クロ”とそれ以外の生徒”シロ”が対決する。そして学級裁判で≪誰がクロか≫をオマエラに議論して貰うんだよ」
モノクマ「そしてその後の”投票タイム”で、多数決によって引き出された答えが正解だった場合、殺人を犯したクロだけが”おしおき”されて、残ったメンバーで共同生活を続けるんだ」
モノクマ「でも、もし学級裁判で間違った人物をクロに選んだ場合は、罪を逃れたクロだけが生き残って、シロの全員が”おしおき”されてしまうんだ」
黄良「あの、”おしおき”って何の事?」
モノクマ「良い質問だね。おしおきは簡単に言うと処刑の事だよ」
モノクマ「それについては法で裁かれるのと同じだね。罪がバレたら裁かれる。ただ、自分達が自分達の運命を決めるって事」
モノクマ「これは、コロシアイは、”命掛けのゲーム”なんだからね」
モノクマ「コロシアイの内容は自由。視察?それとも殴殺?ラクチンな毒殺?」
モノクマ「絞殺、射殺、撲殺、轢殺、爆殺、溺殺斬殺呪殺焼殺出血殺落殺感電殺等々、なんでもあり!」
鏡崎「それが超高校級の才能を持った16人が行うコロシアイ、ね」
モノクマ「勝手に説明しないでよ」
鏡崎「え?あ、ゴメン?」
モノクマ「今後ここの生活でのルールをオマエラにプレゼントしたモノパッドに送っとくから、ちゃんと確認しておけよ!」
モノクマ「それじゃあ、島に着くまでゆっくりとお過ごしくださいな。ぐっばーい」
モノクマはそう言い残し、カウンターの裏へと消えていった。