※この話はダンガンロンパV3の一部のネタバレを含みます。ダンガンロンパV3をクリアしていない方で、ネタバレが嫌な方は見ないことを推奨します。
・グロくはないと思いますが、一応R―15です。
・この話は【非公式】です。
・プロローグは何回かに分けて投稿します。また、その先もそのようになる予定です。
・≪pixiv≫に挙げているものと同じものです。また、キャラクターと地図は≪pixiv≫にて挙げています。
ヨハン君と仲さんが言った通りだった。2階へ上がるとすぐ、窓があって、デッキへ出るドアもあった。
先に広がっていたのは爽やかな空と、穏やかな海だった。どこに向かっているかは、分からないが、この船は動いている。島が一つも見当たらない。今、どの辺りにいるのだろう。
???「ぬわあああああああああぁああああぁあぁぁぁぁぁあ!!!」
先の方から叫び声が聞こえる。何か起こったのだろうか?
鏡崎「うああっ!な、なに?」
天海「行ってみましょう!」
声が聞こえた方へ走った。
そこにいたのはヘルメットを被った大柄の男性と、小柄な少年。そして、ロングヘアーの少女だった。どうやらヘルメットの男性がさっきの声の主らしい。
???男1「ぬわああああああああぁぁぁああぁぁぁああああぁ!!!」
???男2「お、落ち着けって。叫んだってこの状況が変わる事はねぇんだ!」
???女「ほら、ゆっくり深呼吸。ひーひーふー、ひーひーふー」
???男2「いや、それは違うから」
???男1「落ち着ける訳がない!儂は船の上が苦手で・・・!・・・うぷ」
???男2「わわわ!吐くな、吐くなよ!」
鏡崎「・・・特に事件は起こっていなかったみたいだね」
天海「起こってなくて何よりっす」
すると俺達に気が付いた小柄の少年がヘルメットの男性に言う。
???男2「ほら、心配かけちゃってるね」
???男1「うぅ・・・すまないぃ」
天海「とりあえず、中に入るっす。椅子に座れば少しは良くなるかもしれないですし」
ぐったりしたヘルメットの男性を力を合わせて船内へと運んだ。
???女「助かったぁ。ありがとう」
???男「・・・ありがとう。少し良くなったぞ。あと、お見苦しいところを・・・」
天海「いえ、助けるのは当たり前っす」
???男2「ところでアンタ等、さっきは見なかったが、どこにいたんだ?」
鏡崎「えっと、1時間くらい前に1階のロビーに出たかな?それでついさっき2階に上がってきたんだ」
腕時計を確認しながら鏡崎君は言った。
???女「じゃあ、会うのは初めてだね。私たちは結構前から2階にいたから」
???男2「そんじゃあ、挨拶しねぇとな。オレは
堂階「モットーはキャッチ&リリース!自然に優しい釣り人だ。これでも世界大会で優勝しまくっているんだぜ!よろしく!」
???女「えっと、わたしは”超高校級のカウンセラー”やってます。
???男1「・・・”超高校級の登山家”
それぞれ簡単に挨拶をする。
堂階「実はオレたちもついさっき会ったばかりで名前は知らなかったんだ」
鏡崎「え?だってさっき皆で結構前から2階にいたって・・・」
堂階「確かにそうだけど、お互い話さなかったんだ。見かけただけね」
なぜ、話さなかったんだろう?
天海「ところで伊世渓さんの”超高校級のカウンセラー”っていうのはどういう才能なんすか?」
伊世渓「えぇっと、個人的にインターネットで相談窓口のサイトを立ち上げて、そこで利用者の悩みを聞くんだけど・・・。なんでもそれが結構、解決しちゃったみたいなんだ」
なんかカウンセラーというより、占い師の方が合っているような・・・。
伊世渓「今、占い師の方が合う。と思った?」
天海「え?!なんで分かったんすか?」
伊世渓「学校でも、相談にのっていてね。表情とか声で思っている事が分かるようになっちゃったんだ」
・・・この人の前では嘘はつけないっすね。
鏡崎「どんな相談があったの?」
伊世渓「う~ん、色々かな。小学校の女の子や高校生男子の恋の相談。あと、旦那さんの不倫を知った奥さんとか、その逆もあったなぁ」
鏡崎「も、もういいよ!なんか重いから!」
伊世渓「そう?まぁ昼ドラ的な相談が多いんだよ」
岳「うぅ・・・」
天海「・・・岳君。大丈夫っすか?」
船内に備え付けてあったベンチにぐったり座る岳君はなにやら口を動かしているが、声は聞こえない。そして顔色が悪いままだ。
伊世渓「えっと、『船だと分かる前は大丈夫だが、分かってしまうとこのようになってしまうのだ』だって」
鏡崎「読唇術もできるんだ」
伊世渓「うん、一応ね。『儂は世界1の山を制した男だ。今までほとんどの山を制してきた。そこに山があるから登るのだ』」
伊世渓「『しかし、船の上で海を見てしまうと今みたいに酔ってしまうという弱点を持っているのだ。うぅ・・・我ながら情けない』」
鏡崎「そんなに、話しているの?」
伊世渓「とりあえず、もう少し休めば治るみたい」
堂階「うぅん。船の上はダメなのか・・・」
天海「堂階君?」
堂階「オレは船の上で過ごす事が多かったからな。こんな奴もいるのか。ってね」
天海「そっすか。・・・では俺等はもう行くんで」
???「・・・なんだ、ただの船酔いか」
いつの間にか俺の後ろに白衣を羽織った少女が立っていた。彼女は呆れた顔で岳君を見ていた。
天海「君は?」
???「私は
伊世渓「岳君が申し訳ないって」
帆邑「そう、べつにいいよ。それじゃあ」
帆邑さんはそう言って去ってしまった。
堂階「不思議な人だったなぁ」
鏡崎「帆邑さん。肩書を言わなかったけどなんでかな・・・?」
確かに、今まで自分の才能を言わなかったのは彼女だけだ。人の事に深く付け入るきはないけれど、敢えてその話をしなかったような・・・。
俺達は、岳君の事を伊世渓さんと堂階君に任せて2階の奥へと進むことにした。