※この話はダンガンロンパV3の一部のネタバレを含みます。ダンガンロンパV3をクリアしていない方で、ネタバレが嫌な方は見ないことを推奨します。
・グロくはないと思いますが、一応R-15です。
・この話は【非公式】です。
・プロローグを何回かに分けて投稿します。また、その先もそのようになる予定です。
≪pixiv≫に上げているものとおなじものです。また、キャラクターと地図は≪pixiv≫にて上げています。
天海「上の階へ行ってみるすか・・・」
鏡崎「大丈夫なの?」
天海「はは、もし俺等が事件に巻き込まれたなら、今は無事じゃないっす」
鏡崎「そういうものかな・・・」
天海「冒険家の経験って奴っす。前にも似たような事があったもんで」
鏡崎「前にもあったんだ・・・」
慎重に階段を上った。
鏡崎「梯子・・・?」
俺らが思っていた上の階層とは違い、現れたのは上に続く鉄格子。そんな高さは無く1階分の高さしかなかった。しかし、その先はハッチのようなもので閉ざされている。
鏡崎「やっぱり、誘拐なのかな?それでボク等を閉じ込めるために・・・」
天海「・・・・ここは俺に任せてください」
俺は梯子を上ってハッチに手を掛ける。
すると簡単にそれは開いた。辺りが見えるまで顔を出し、危険が無いかを見る。
天海「どうやら、大丈夫そうっすよ」
俺は先に上の階へと出て、そのあと上ってきた鏡崎君を引っ張り上げる。
鏡崎「うぅ・・・怖かった」
天海「鏡崎君はこういうのは不得意なんすか?」
鏡崎「うん。あまり家から出る事も、運動する事も無かったから・・・」
天海「そうなんすか・・・」
ハッチを閉じ、再び辺りを見る。赤い絨毯に豪華な装飾。先ほどみた殺風景な景色とは全くの逆だった。そんな小さな部屋。
天海「とりあえず部屋の外に出て現状把握しないと」
部屋の隅に1つだけ存在するドアのノブに手を掛け、外へと出る。
すると広い空間が目の前に広がった。
装飾から絨毯まであの小さな部屋と同じで、まるでどこかの高級ホテルを思わせるような場所だった。接客カウンターのようなものもある。でも、明らかにそこには足りないものがあった。
鏡崎「人が・・・いない?」
仮にここがどんな施設だろうと、真新しく、広い空間に誰もいないのは不自然だ。
鏡崎「・・・どうする天海君?やっぱりここを」
???「あ!こんなところに人はっけ~ん」
鏡崎君の言葉を遮るように女の子の声がした。吹き抜けになった2階から彼女は階段を使って下りてくる。ショートカットの女の子だった。
???「君らは何者?あたしは
突然、目の前に現れて元気に自己紹介されたは少し俺達は少し身を引いた。九塔を名乗った少女は上目使いで、俺等の顔を覗いている。
九塔「自己紹介は?」
天海「え?」
九塔「自己紹介。早く」
さっきの口調とは違う、圧倒されるような暗い声で彼女は言う。
天海「えーっと俺は・・・」
俺と鏡崎君はそれぞれ彼女に自己紹介をした。急に口調や表情が変わった彼女に驚いたが、それが終わると彼女は笑顔に戻った。
九塔「へぇ~、貴方、蘭太郎っていうのね!?」
次に鏡崎君の方を見て
九塔「貴方は橙榎っていうのね!?」
どこかで聞いたようなセリフを彼女は言う。
・・・彼女の才能と何か関係があったすかね?
九塔「ふふふ、今、あたしの才能がなんで”女優”や”俳優”ではなく”演劇部”なんだて思ったでしょ」
天海「いや、あまり・・・」
九塔「答えてしんぜよう!あたしは人と演じるのが嫌だからなのだ!」
鏡崎「え・・・どういう事?演劇部なら、舞台とかでみんなと演じているってイメージだけど」
九塔「あたしの場合は小道具から大道具まで自分で作って一人芝居を演じるのさ!」
九塔「その方が演じやすいし、役振りで喧嘩する事も無いしね!」
九塔「それに、学校以外の舞台だと緊張しちゃって・・・。こりゃ参ったね。てことで演劇部なんだ!」
・・・あまりよくわからないっすね。
九塔「ところで貴方達はここで何をしていたの?」
天海「・・・それはこっちが訊きたいっす。俺等はいつの間にかここにいて、何かヒントになるような物を探していたところっす」
九塔「あたしもそんな感じかな。あ、そうだ」
九塔「色んな所に他の子たちがいるんだ!それじゃあねー!蘭太郎ちゃん、橙榎ちゃん!」
行ってしまった。嵐のような人だな・・・・。
鏡崎「うーん、ちゃん付けは止めてほしいな」
天海「そこなんすか・・・」
天海「とりあえず、他の人を探してみましょう」
鏡崎「でも、ヘタに動いて大丈夫なの?」
天海「彼女が言っていることが本当なら探してみた方が良いと思うんすよ。彼女も超高校級のひとだったし。もしかすると何か事情を知っている人がいるかもしれないっす」
鏡崎君は少し考えた後、俺の方を見て
鏡崎「・・・・うん。確かにそうかも」
そう言った。
1階の廊下を歩いていると快活そうな男子と大人しそうな女子が話し合っていた。いや、女子の方は嫌がっている気が・・・。
???男「ねぇ、この後お茶しない?」
???女「困ります!というか何ですか?!その古臭い口説き文句は」
どうやら、男子の方が女子をナンパしているようだ。
天海「あの、お取込み中のところ申し訳ないんすけど」
???男「あ?なんだよ・折角いい雰囲気だったのによ」
鏡崎「そんないい雰囲気だったかな・・・?」
小さな声で言う。
???女「助かりました!ありがとうございます」
???男「えぇっ!なんか地味に心にグサリと来たんだけど」
???女「もしかして、さっき九塔さんが言っていた人達かな?」
???女「私は
鏡崎「天文学部って?」
黄良「うん。私自分で見つけた星に名前を付けた事があるんだ」
天海「へぇ。それは凄い事っすね
黄良「あはは、偶然だけどね。あと、文化祭でプラネタリウムをつくって、それが割と評判だったんだ。詳しくは数えていないけど2千人くらい入ったんだよね。その後、講演してくれって依頼も殺到しちゃったんだ」
鏡崎「星、好きなんだね」
黄良「うん。一度話し出したら止まらないくらいにね。友達にもひかれちゃったよ」
鏡崎「だったらさ、神話とかにも詳しいの?」
黄良「もちろん。神話上だけど、星が出来た過程を知るのは楽しいよね!ちなみに私は有名どころだけど、こと座の話が好きなんだ。お嫁さんのために冥界に助けに行くけど、最後の最後で振り向いちゃってえ。永遠に会えなくなっちゃう。悲しすぎるよ」
黄良「・・・あ、ごめんね。話しすぎちゃったみたい」
鏡崎「ううん。ボクもその気持ち分かるから」
天海「あはは、なんか置いてけぼりっすね」
???男「・・・なんかオレの時と話し方、違くね?」
天海「そっちの君も自己紹介いいっすか?」
???男「ん。オレは超高校級のサッカー選手、
鏡崎「聞いたことがある。確かU―18に選ばれたミッドフィルダーで、しかもそのキャップテンを務める。そして彼の率いるチームは士気が上がってどんな相手でも倒す力を持つとか」
武皐「おい、てめー、オレを解説するんじゃねえ!」
鏡崎「うっ、すみません!」
武皐「・・・いや、そんな風に謝るなよ。なんかオレが悪いみたいじゃねぇか」
天海「というか、知っていたんすね」
鏡崎「ニュースを観てた時に知ったんだ」
武皐「まぁ。大体ソイツの言うとおりだ。神やら宇宙人やら名乗るチームに勝った。というのは出なかったみたいだがな」
天海「そりゃあ、報道されたところで信じる人物は少ないと思いますし、現実的じゃないと思います」
武皐「あ?オレの事を疑っているのか?」
天海「あ、そういう事じゃなくて・・・」
鏡崎「世界って広いんだね」
武皐「そんな事より黄良ちゃん、オレと一緒に・・・アレ?」
天海「彼女なら俺等が話している時に何処かに行ったっすよ」
武皐「んな!クソッ、お前らのせいだからな!」
・・・理不尽な言われようっすね。
黄良さんを探しに走る武皐君の背中を俺等は見送った。