※この話はダンガンロンパV3の一部のネタバレを含みます。ダンガンロンパV3をクリアしていない方で、ネタバレが嫌な方は見ないことを推奨します。
・グロくはないと思いますが、一応R-15です。
・この話は【非公式】です。
・プロローグを何回かに分けて投稿します。またその先もそのようになる予定です。
・≪pixiv≫に上げているものと同じものです。また、キャラクターと地図は≪pixiv≫にてあげています。
もしも、この世界が嘘だったら。なんて思うことがある。今、俺だってそう思うことがあって。
あの日の事が、あの日の後悔が無かったら。手に入れたものはあったけれど、失ったものは大きすぎた。どうかこの世界が嘘であってほしかった。
そんな時、俺は希望ヶ峰学園から通達を受けて入学する事になった。
希望ヶ峰学園は全国のあらゆるところから、様々な分野で活躍する”超高校級の才能”を持つ者を集め、彼等の才能を育成するという政府公認の超特権的な学校。
そんな学校に俺は選ばれた。
???「皆さんに俺の事を紹介しようと思うっす」
???「俺の名前は
天海「俺は行方不明になった妹たちを探すために旅をして、偶然見つけた秘境の民族にしかないDNAが、なんかの病気の薬になったとかで。俺が旅をする時にスポンサーがつくようになったんす」
天海「親のおかげで旅が出来ているので、俺が選ばれるのはおこがましいっていうか、なんというか・・・」
天海「・・・って、俺は一体誰と話しているんすかね?」
希望ヶ峰学園に入ったことで少しでも早く、妹たちが見つかればいいのだが・・・。
俺は希望ヶ峰学園に一歩一歩近づいた。
期待に胸を膨らませながら。
足に確かな感触を感じながら。
目的を果たすために、希望に近づく。
はずだった。
天海「なんすか?・・・・これ」
確かに足に感じていたはずのものがいつの間にか無くなっていて。
地面が、割れて何も無い。ただただ暗くて、寒い。そんな場所に俺は落ちていく。
希望が遠のく。
音もない静かな場所に、闇に包まれるように俺は深い眠りに落ちた。
天海「う・・・」
目が覚めると白い天井があった。天井から吊るされている電灯が、一つしかないはずなのにまぶしく見えた気怠く、重い体を無理矢理起こし、現状を確認する。
天海「どこ、すかね・・・」
ゴウン ゴウンと重々しい機械音が近くで聞こえる。自分のいる場所以外は薄暗く、奥は何も見えなかった。しかし機械は何らかの装置のようで、大量にあった。
天海「まいったっすね・・・。誘拐でもされたんでしょうか?中東に行った時以来っすね」
その割には拘束は無く、見張りもいない。それに誰かに攫われたという記憶もない。
とりあえず、ここを出なければ何も分かりはしない。拘束や、見張りも無いのなら俺には好都合だ。
出口は案外近くにあり、鍵が掛かっている様子も無い。少し重い鉄の扉を開ける。
???「うあぁっ!」
ゴン、と扉に何かが当たった。・・・人?
誘拐犯か、監視役か。
どちらにせよ身の危険を感じた俺は咄嗟に身構える。
天海「・・・誰っすか?」
鉄の扉は自然と閉まる。扉の向こうにいた、扉に当たった人物は額を抑えて立っていた。
???「うぅ・・・ただ歩いていただけなのに・・・」
同い年くらいの少年だった。ワイシャツにパーカーを羽織っている。
???「君は誰?」
涙目の少年は額を抑えながら俺の方を見る。
天海「あんたが、俺を誘拐したんすか?」
???「えぇっ!?な、何の事?」
少年は身構える俺に怯えている様子だった。
???「それに、ボクだってなんでこんな場所にいるのか分からないんだよ!」
彼の様子からしてそれは嘘ではないようだ。
天海「・・・ごめんなさい。怖がらせてしまった見たいで」
???「いえ、こっちこそ・・・ごめん」
天海「その、自己紹介より先に、君はこの場所に来る前に何をしていたのかを聞いてもいいすか?」
???「・・・希望ヶ峰学園っていうところに入るはずだったんだ。でも直前で穴?みたいなものに落ちて、それで気がついたらここに」
天海「・・・なるほど。俺も同じような感じっす。すみません。試すような真似をしてしまって」
???「いや、それよりも君も希望ヶ峰学園の生徒ってこと?」
天海「正確には入学前だから違うんすけど・・・。俺は天海蘭太郎。超高校級の冒険家という内容で希望ヶ峰学園に選ばれたっす」
???「冒険家か・・・。あ、すみません!ボクは”超高校級の小説家”の、名前は
鏡崎「主にミステリ小説を書いているんだけど、ファンタジーとかも書くんだ。知らない?」
天海「すみません。国内にいる事が少ないので、本屋とかにはあまり寄らないんすよ」
鏡崎「そっか・・・」
鏡崎「・・・・・・・」
天海「・・・・・・・」
鏡崎「・・・・・・・」
天海「・・・鏡崎君?」
鏡崎「あ、すみません!ボク、人とのコミュニケーションというか、会話が苦手で・・・。それに考え事をすると周りが見えなくなって・・・」
普通に話せているように感じるのは俺だけなんすかね・・・。
ブブッ
ポケットの中が震えた。どうやらそれは鏡崎君も同じだったらしく、驚いていた。ポケットの中には手のひらサイズの端末が入っていた。画面に自分の名前が映しだされ、そして通信簿というばしょに鏡崎君のプロフィールが追加されていた。
天海「なんすかね・・・これ」
鏡崎「うん・・・」
端末からは特に情報が得られなかったので、ポケットにしまう。
ここにいる人物と会えば、このプロフィールが追加されるみたいだ。
鏡崎「天海君、この後どうする?」
天海「そうっすね・・・とりあえず見て回ってみるっす。もしかしたら他にも人がいるかもしれないですし」
鏡崎「・・・・・・」
天海「どうかしたんすか?」
鏡崎君は俺の方をじっと見る。
鏡崎「ボクもついていっていいかな?」
頬を掻きながら鏡崎君は言う。
確かに彼の言う事には一理ある。もしもの事が、あるかもしれない。
天海「いいっすよ。さぁ、行きましょう」
俺の後を親鳥に続く子鳥の様について来る。なんだか妹の事を思い出してしまう。
廊下は一周できる形でいくつも細かい部屋はあったが、誰もいなかった。階段は上に上がるための物しかなかったから、ここは1階か地下だっていう事だ解る。
白く、無機質な鉄の廊下と扉。ハッチの様なドアノブ。重々しい機械音が鳴る最下層。
鏡崎「ねぇ、あれは何だろう」
大きなモニターが廊下の一角に備え付けてあった。また、そことは違う門には監視カメラが2台設置されていた。
天海「モニターは分かりませんが、監視カメラは俺等を監視している可能性はあるっすね」
鏡崎「えぇ!?じゃあ、脱出したのばれているんじゃあ・・・」
天海「もし、脱出が相手に不都合であれば、今頃、捕まっているっすよ」
俺は階段を見つめて一つ息を吐いた。