インフィニット・デカレンジャー~クールで熱い戦士たち~ 作:憲彦
デカスーツを纏った3人は、それぞれ建物内を周り、支給された爆薬をセットしていた。
しかし、妙なことに道中敵に会うことが少なかった。本来ならもっと出てきても良いはずなのだが、2、3人位しか現れなかった。
「おかしい。少なすぎる。」
警戒しながらも、爆薬のセットは終わったので、来た道を戻ることにした。
「司!そっちも終わったのか?」
「ああ。しかし敵が殆ど出てこなかった。そっちはどうだ?」
「俺の通った道もだ。2、3人位しか出てこなかった。」
「……。まぁいい。爆薬を仕掛けるのも終わったし、ここから一度出るぞ。」
建物を破壊するために真耶に連絡をとって合流使用としたが……。
『ザー……ザーザー』
「ん?真耶?聞こえるか?」
『ザーザーザー』
「おーい!真ー耶ー!」
呼び掛けてみるが、ライセンスから流れるのは砂嵐の様なノイズしか流れない。
「「!?」」
この事で2人の頭の中には嫌なことがよぎった。SPライセンスが故障したとは考えにくい。通信を妨害する何が流れている訳でもない。となると、理由は1つ。
その事に気が付くと、真耶の向かった方向に走っていった。
(頼む!ハズレていてくれ!!)
頭によぎった最悪の予感。それがハズレている事を願いながら、全力で真耶の元に向かった。
「真耶!!!」
駆け付けた2人が最初に見たもの。それは、爆弾が爆発した明かりと、爆発の中心でデカスーツが強制解除され、倒れる真耶の姿だった。
「ッ!?真耶……!オイ!!真耶!!」
倒れる真耶を受け止め、意識の薄くなっている彼女に呼び掛けた。
「真耶!!大丈夫か!?」
「うっ……。すみま……せん。失敗……しちゃいました……。後は…………。」
その言葉を最後に、何も言わなくなった。
「真耶……真耶!真耶ァァァァ!!!」
「クッ!!」
「ハハハハ!!おいおい!!人が1人死んだぐらいでそんなに騒ぐなよ。すぐにその弱いSPDと同じところに送ってやるからよ。ハハハハ!!!!」
「ッ!?弱いSPDだと……。真耶の事か?」
「は?」
「真耶の事かァァ!!!!エマジェンシー!!!」
仲間を馬鹿にされたことに激怒した司は、デカスーツを纏い、テロリストの中に突っ込んでいった。
相手からの攻撃を受けるが、そんなこと気にせずに敵が間合いに入ると、逮捕命令を無視して斬り付けた。
「よせ司!デリートの許可は出ていない!!」
「黙れ!!コイツらは!コイツらは全員デリートだ!!!!」
激情にかられ、本来出されていた指令を無視し、テロリストのデリートを始めた。
「怯むな!!どうせコイツらも同じだ!!殺せ!!!」
「嘗めるな!!ハァ!!!」
撃たれる銃弾をディーソードベガで斬り落とし、テロリストも容赦なく、無慈悲に殺していった。
たった数分。この短い時間で、100人近くいたテロリストの全員は司の手によってデリートされた。
その後、敵アジトは爆破。真耶を日本署まで運んだ。
「これが司の過去さ。今考えるとアイツが自分の事を無視してまで前線に立ち続けるのは、この事が原因なのかもな……。」
「そんな過去が……。」
「その人もデカレンジャーなのですか?」
「ああ。初代デカブルー。俺達3人でよく任務に出ていたさ。あの任務の後、司はSPDを辞めようとしたんだ。強さを信用していたとは言え、単独行動させた自分の責任だと言ってな。」
真耶を死なせたのは自分の責任だと言い、辞表を出したそうだ。だが、当時のボス、現在の長官が辞表を破り捨て、「彼女を死なせた原因は私にある。お前が気に病む必要はない。」と司に伝え、辞めさせなかったのだと言う。
だが、逮捕命令無視で結構な問題になったが、IS所持と言う誤った情報の件と、相手側のSPD殺害等でお咎めなしとなった。
中途半端な上に設定に無理があるかも知れませんが、気にしないで下さい。
次回は墓参りの様子です。これを最後にこの作品は終了となります。
次回作は……。また懲りずにISが原作の二次創作にでもしましょうかね。オリ主なし、一夏・性格は巧だけど仮面ライダーデルタ。みたいな設定でなんか思い付いたので。
次回 約束
束の言っていた司が交わした真耶との約束が判明。
次回もお楽しみに!感想もよろしくね。