インフィニット・デカレンジャー~クールで熱い戦士たち~ 作:憲彦
※誰これ?になっても気にしないで下さい。
ネタが思い付かない時の作者のやること、それは大きく分けて3つ位しかない(作者の偏見)。1つは、何らかの原因でキャラの性別を変える『女体化物』。2つ目は全く持って季節外れな『季節ネタ』。そして最後に行われるのは、どっかのマンガ等を使った『パロディーネタ』である。
ただし、女体化ネタは危険が大きい。女体化した理由はすぐに判明しても、どうやったら治るかが決まりずらいし、何より容姿等も大幅に変えなくてはならない。夢落ちにすれば万事解決と思われるが、起きたあとの気まずさの表現方法が分からない。ハッキリと言って面倒だ。
パロディーネタもキャラの性格の問題でかなり難しい。やってしまったときに、「誰だこれ。こんなキャラなんていたか?」になってしまう可能性が高い。
そこで、皆の暇な時間のお友達である作者のすること。それは、「季節外れとパロディーをどうにかして混ぜる」だ。この上なく面倒で危険な感じもするが、これしかない。まあ、パロディーの元ネタマンガの季節が今と外れていれば良いだけだ。
さて、ここまでダラダラと長い話に付き合ってくれてありがとう。さっそく、とは言えないがはーじまーるよー。
「プレゼントの配布?」
雪も振り、都会でも軽く積もってくる12月25日。所謂クリスマスと言うヤツだ。司もこの日は仕事が早く終わったので、真耶とラウラを食事に誘おうとしていたのだが、思わないところで新しい仕事が入ってしまった。
「それは毎年広報部の仕事だろ。何で今年はこっちに回ってきたんだ?」
広報部。SPD内に設けられてる一般部門の仕事の1つである。編集能力とカメラ撮影能力があれば大体入ることが出来る部門だ。
因みに、一般職部門は全体的に給料が良い。実働部隊の次にだ。だが休みが少ない(休みはちゃんとある。)それに部署に寄って違いはあるが地味に仕事量が多い。
「それが今年は広報部でインフルエンザが大流行しちゃって、今も殆ど人が居ないんだ。いっくん達は町の中心部分でコスプレしながら配布してるけど、今年から始まる個人配布に割ける人員が居なくて……。」
「それで俺の所に来たと……。はぁ、まあ良い。住職書いてる紙とかあるだろ。見せろ。」
確かに今年のSPD日本署では、インフルエンザの大流行があった。いろんな部署が閉鎖するレベルのヤツがだ。それが広報部にも来たようだ。
「ありがとう!!じゃあこれ使って!!」
そう言うと、束は白衣のポケットから変わった配色のSPライセンスを出した。周りは緑で蓋の部分は赤色になっている。
そして、SPDの文字以外に『S.C』と入っている。
「何だこの奇抜なSPライセンス。」
「良いから使ってみて!」
束に言われるがままに使ってみると、普段のサイレン音の他にクリスマスでお馴染みの曲が流れた。
「うん!成功!!」
変身が完了すると、いつものデカスーツではなく、サンタの衣装になっていた。
別にデカメタルが貴重と言う訳では無いが、この使い方はどうかと思う。
「何だこれ……。」
「デカスーツ・サンタクロースVersionだよ!本物に見せるために、瞬間移動や飛行、視聴覚強化に、精神状態から相手の考えてることも読み取れる様にしておいたよ!!そろそろ最初の子供が来るから用意しておいてね!!」
最初の子供……。日本署に来る子供はIS学園の一部の者だけだが……。
「父様!!」
「司君~!!」
(子供ってコイツらかよ!?て言うか真耶子供じゃないよね!?絶対バレるよこれ!!)
『あっ、』
真耶とラウラがサンタ(司)に気付いた。
『さ、さ、サンタさん!?』
(え?)
サンタ(司)を見付けると、目を輝かせながら抱き付いてきた。どうやら本物だと思っている様だ。
「2人に紹介するよ!サンタさんでーす!!2人にプレゼント持ってきてくれたんだって!」
(何コイツ悪ノリしてるの!?プレゼントって何!?)
「袋のなかだよ(ボソ」
「……。は、はーい!プレゼントだよー!」
ラウラにはでっかいウサギのぬいぐるみを、真耶には同じく大きめのクマのぬいぐるみが渡された。(何でこの2つかは気にしないで下さい。)
「わーい!!欲しかったぬいぐるみだー!!」
「ありがとうございます!(まさかこの歳でも貰えるなんて!!うれしい!!)」
2人ともスゴく喜んでいた。この光景を見ていた司は良心が少し傷付いたので、瞬間移動機能を使って配る住職まで飛んでいった。
「サンタさん今年は来てくれるかな~?」
「えぇ~サンタなんて居ないよ~!」
「それはどうかしらね~。」
と、クリスマスパーティーをしている家族の会話が聞こえてきた。視聴覚強化をしているので大体の会話は聞こえてくる。
ピンポーン!
「おっ!誰か来たよ。サンタさんかもな!」
「そんなわけ無いでしょ。どうせ宅配か何か……!」
子供が玄関のドアを開けると、サンタクロースが立っていた。
「さ!サンタさん!?てな分けないか。両親に頼まれたんですよね。お仕事ご苦労様です。早くプレゼント下さい。」
(全く、可愛くない子供だな。家の娘はもっと可愛らしい反応をしたぞ。)
心の中で愚痴りながら、子供の頭の上にプレゼントを置き、瞬間移動で目の前から消えた。
「え?ウオォ!!サンタさんが来た!!?」
サンタの瞬間移動で本物だと思った子供は、興奮しながら自分の両親に伝えた。最初からこんな反応をすれば良いのに。
次は女の子の家だ。先程と同じ様に玄関のインターフォンを鳴らして入ろうとしたが、子供に先手を打たれ、押せない状況になった。
「ねぇ、パパ!サンタさんって煙突から入ってくるんだよね!サンタさんが来たら抱っこしてもらおう!」
「ん~どうかな?煙突からじゃあ危ないし……。」
「えぇ~。絶対そうだよ!サンタさんがピンポン鳴らして入ってきたら、軽蔑を露にしちゃうよ!」
「ちょっ!どこでそんな言葉覚えたの!?」
子供の夢をぶち壊す訳には行かない。多生の危険はあるが、煙突から中に入ることにした。
ズドーーン!!
(着地ミスった。)
煙突から出てくると、内部に溜まっていた埃やクモの巣を身体中に着けていた。そんなサンダを見た女の子は、
「あ、ありがとうございます。」
(おい、軽蔑を露にするな。)
「ほ、ほら抱っこしてもらうんじゃないのか?」
「イエ。もう大丈夫です。ありがとうございました。」
この家での役目も終わったので、早くここから出ていった。この辺にはまともな感性を持った子供は居ないのか。と思いながらだ。
次の家には煙突が無いので普通に玄関から入ろうとすると、出てきた子供が異常なくらいに怯えていた。
「だ、誰ですか……?」
「誰って、見てわかるだろ。」
「い、いえ。お母さんなら留守ですよ!」
「まさか、サンタクロースを知らないのか?」
「だ、誰ですか?サンタクロースって……はっ!(三田、殺ーす)ひっ!違います!ボク幹太です!」
「惜しいじゃないか。」
プレゼントを置くと、これ以上はマジで大事になりかねないので、空を飛んで最後の家には向かっていった。
(全く、サンタの事も、サンタが家に来ることもちゃんと伝えておけ。親。)
最後の家に入ろうとすると、外まで聞こえるくらいの夫婦喧嘩の真っ最中だった。
「ちょっと!いきなり会社ってどう言うこと!?パーティーはどうするの!?」
「仕方ないだろ!トラブルがあったんだ!!」
「この子が可哀想だとは思わないの!?」
どうやら夫の会社で何かがトラブルにあったそうだ。
(とても入って行ける雰囲気ではないな。ここに置いておくか。)
プレゼントを玄関のドア付近に置いて、立ち去ろうとしたとき、束の付けた精神を読むことの出来る機械が動いた。
(サンタさん、プレゼントは要らないので家族全員でクリスマスパーティーが出来るようにしてください!お願いします!!)
それは男の子の願いだった。
(……。1年の内、364日休んでる人に何を求めているんだ。全く。)
そう言って、プレゼントを玄関のドア付近に置いて、立ち去った。
「今度埋め合わせするから!」
「そう言う事じゃないでしょ!!」
ピピピピピ!
「もしもし!え?トラブルが解決!?サンタ!?」
「っ!?見てみて!サンタさんが来てくれたんだよ!!やったー!!」
サンタがすぐに解決してくれたようだ。
「全く、サンタがこれほどまでに大変だとはな。1年の内、364日休んで当然か。」
最後はサンタらしく、飛んで日本署まで帰っていった。
こんな感じで季節外れネタを斉木楠雄のΨ難のパロディーをやってみました。
書き方変えたら一気に難しくなった気がする。
次回は何にするか……。見てみたいパロディーやストーリーがあったら感想欄にでも書いてみてください。やってみます。
それでは、次回もお楽しみに!感想もよろしくね。