インフィニット・デカレンジャー~クールで熱い戦士たち~ 作:憲彦
完成した簪の専用機、果たして期待の性能はいかに?
例のごとく今回もゆっくりしていってね。
一夏
「これでよしと。」
司
「ここで出来る最終チェックをしたらアリーナに行こう。」
司の言葉に簪は機体システムの最終チェックを行い、ついでに最適化処理と初期化も済ませた。
鈴
「色々と終わったわね。アリーナにいきましょ。」
最適化処理と初期化が終わるのを確認すると、待機状態にしてアリーナに向かった。
火力が異常に高いオールラウンダー。その実力はどれ程の物なのか。製作に関わった者なら気になって仕方無い。
アリーナにて、簪が打鉄弐式を纏い一夏がデカブレイクに変身して立っていた。
司
「一夏!今回は機体の性能を見るだけだ!攻撃はするなよ!」
一夏
「ロジャー!分かってます!」
簪
「じゃあ行くよ!」
そう言うと、簪は一夏に狙いを定めてミサイルを一気に放った。
一夏
「竜巻拳!トルネードフィスト!!」
日本署で行ったシミュレーションの様にトルネードフィストを使って迫り来るミサイルを落とそうとした。
一夏
「ゲッ!?危な!!」
ミサイルの数は148発。シミュレーションよりも100発多い。一撃で半分を落とせる筈がない。
一夏
「高速拳!ライトニングフィスト!」
トルネードフィストで破壊出来なかった分は避けたが、あのミサイルは簪の操作次第でいくらでも方向が変わる。
避けた筈のミサイルが背後から迫って来た。遠距離系の技を出せば巻き添えを食らう。避ければまた操作されて自分に向かってくる。
そこで一夏は1つずつ破壊して自分へのダメージを最小限にしようとした。
だが、
簪
「狙いはOK」
一夏がミサイルに手こずってる間に、束お手製の大火力武器で一夏に狙いを付けていた。
そして、ミサイルを全て破壊したタイミングで撃ちだした。
一夏
「ハッ!?防御拳!バリヤーフィスト!!」
とっさにバリヤーフィストを展開して受け止めたが、ISのコア1個をまるまる使っているビーム砲。その火力の前ではSPDの装備でも抑えきる事は出来なかった。
一夏
「グワァ!!」
大抵の攻撃を受け止めるバリヤーフィストでも受けきれず吹っ飛ばされてしまった。
デカスーツも限界ダメージで解除された。
鈴
「マジ?」
オルコット
「何ですの?……あの火力……?」
司
「あぁ…………」
見ていた3人は顔を引きつらせていた。
SPDの、しかも特キョウのデカスーツを纏っている一夏を一撃で吹っ飛ばし、更にデカスーツをも解除させたのだ。ミサイルの数もそうだがビーム砲もシャレにならないレベルで危険だ。
簪
「一夏大丈夫?加減はしたんだけど…………」
あれで加減していた様だ。
一夏
「あれで加減してたの!?」
加減してデカスーツを解除させる威力。マックスの威力で撃ったら絶対防御があったとしても危険だろう。
その後、簪は一夏を抱えて司達の所に戻ってきた。
鈴
「どうだった?一夏。」
一夏
「死ぬかと思った。割りとガチで。」
オルコット
「見ている此方もヒヤヒヤしましたよ…………」
見ている人をもヒヤヒヤさせる数と威力。絶対に敵には回したくないと思ったことだろう。
司
「補充したら次は俺とだ。他の武装も見てみよう。」
簪
「はい!」
もろもろ補充後、再びアリーナに立ち軽く模擬戦をすることになった。相手は司だ。
司
「いつでも良いぞ。」
ディーソードベガを構えて言った。
簪
(正面からまともに行ったら勝てない…………。なら!)
試合が始まると、簪は司の上に急上昇した。
そして、
簪
「当たれ!!」
上空からミサイルの雨を振らせた。
ただし、普通に降らせるだけではない。いくつかのミサイルは着弾する前に春雷でいくつか爆発させて、司の視界を奪った。
その後も簪は移動しながら、司の上、横、背後、ありとあらゆる方向からありったけのミサイルを放った。
そして距離を取り、ビーム砲のチャージを始めた。
ミサイルの爆発が止むと、煙の中に司は立っていた。
ここまでは簪の計算通りだ。煙が晴れ、司の位置を確認すると、躊躇なくビーム砲を撃った。
司
「グッ!!ハァァ!!!」
力任せに強引にビーム砲を弾き、簪へと斬りかかった。
しかしそれも予想済。日本刀を展開して、司の攻撃を受け止め、残っているミサイルを0距離で放ち、春雷も撃ち込んだ。
確かな手応えを感じた。
しかし、次の瞬間
司
「デリャァ!!!」
煙から司が飛び出し、簪の刀を弾き飛ばして首筋にディーソードベガを当てた。
簪
「当たった筈なのにどうして?」
司
「俺のデカスーツは通常のヤツよりも防御力や色々な出力が上げられている。あの位の攻撃なら何とか受けきれる……。しかし、手は悪くなかった。視界を奪うなら煙幕弾でも混ぜてみたらどうだ?今回よりも確実に視界を奪うことが出来るぞ。それに、相手が俺じゃなかったらビーム砲を撃った時点でお前の勝ちは確定していた。」
煙幕弾を混ぜると言うアドバイスを伝え、変身を解いた。
簪
「次は絶対に勝ちます。今よりももっと強くなって、必ず超えて見せます!!」
この試合が簪に新な目標を与え、更に強くなる決心を固めさせた。
次の日からは司の稽古に自主練、そして自分の機体の性能を更に上げるため、自分に1番良い状態にカスタムするのに励んでいた。
簪
「ミサイルをもう200発追加して、煙幕も少し…………煙幕にはジャミングを起こす仕掛けもしておいて…………。後は春雷の出力を少し上げてビーム砲も調整…………。操縦者自信にダメージが行くようにしたいからミサイルにデスソースを仕込んでっと。臭いでやられる様にしたいから他にも香辛料を混ぜた特製ソースと粉末タイプの物を仕込んで…………。」
簪の目から光が消えて真っ黒に輝いていた。
更に恐ろしい魔改造が加わりそうだ…………。
簪がどんどん危ない方向に向かってる気がする…………。付き合う一夏君は大丈夫なのかな?
ドS街道まっしぐらな簪にご期待ください。
と言うわけでドSなISの初運転でした。
次回はクラス対抗戦。そして鈴の真の姿が!
次回もお楽しみに!!
感想もよろしくお願いします。