書き終えたはいいが結構多文に矛盾点が多いと思いますが、気にしないでいただけると幸いです。
ではどうぞ!
第一話
葵「現状日本の正式国名は?」
京「大日本皇国だ。そして自衛隊も正式に軍となった」
葵「ほぉ。で、トップは防衛相か、首相か?」
翡翠「表向きはね。軍事関係は九重元老院がメインね」
葵「管理局でいう三提督か?」
翡翠「たとえじゃなくまんまそれよ。いい人たち、とでもいいべきか、よく時世を判断できる人たちよ。陸海空の総帥、元帥、副元帥が一堂に会する会議の別称よ。まぁその人たちですら下の把握は難しいみたいよ」
よくよく聞くと、海軍のほうは提督、つまり艦娘たちを指揮する司令官が不足しており、志願制を導入。数は確保できても彼女たち目当てというものもいたりして、結構ざるのところがあるらしい。まぁ今では減少に至るらしいが。
京「ついたみたいだな」
目の前にあるのは木製で重工かつ、装飾鮮やかな扉。それを開ける音もまた緊張感を生むが、なんともあの方々を前にするよりかははるかに楽だ。
SIDE九重元老院 海軍総帥高野五十六
広い大会議室ぐらいの部屋に円卓が置かれ、九人の陸海空の上位三人が座っていた。そして、一人がしきりに上座のほうと、出入り口、周りを見渡していた。
彼の名前は高野五十六。現在海軍総帥の座に座るもの。事実海軍大臣といっても過言ではない。
隣にいる歴戦の雄は、あごひげをしきりに触っている老人が元帥の高杉英作。 そしてもう一人隣に座るが、副元帥の大石蔵良。
五十六(今回はなぜか久しぶり元老院が開かれるといわれてきたが、珍しく三部(陸海空)とも緊張しておる。なんでも日騎条約に従ってあちら側の人間をこちらに出向させるとのことらしいが・・・・。まぁ要因はもう一つあるのだろうが・・・・)
そういって一席だけ天幕が下ろされ姿が見えんようにできている重厚なつくりの席をちらほら見る五十六。
五十六(あの方が来られるほどの者か)
そうみていると、ついにその時が来た。重厚な音を立て扉が開かれると、そこに立っていたのはまだ成人したてのようにも見える男女。
しかし、見た目に反し彼らが反するオーラは幾戦の戦場を駆け抜けてきた戦士であった。
五十六(若いのにもかかわらずなんという雰囲気を出すのだ。他の奴らも若干圧されておる)
そういう彼も若干苦虫を噛み潰したような顔をした。
神無月「お初にお目にかかる。全騎士連合から派遣された神無月葵だ」
如月「右に同じく、如月京だ」
水無月「同じく水無月翡翠よ」
五十六(向こうは向こうで余裕綽々だな。あの女性将校なんか煙管なんか吸うほどか)
そして三人は自己紹介が終了すると、空いていた席に座る。
五十六「さて、そちらも自己紹介したことだし、こちらもするか」
そういって海軍側、つまり高野、高杉、大石がしたのち、空軍側も行い始めた。
三ツ田「三ツ田元、階級は総帥だ」
白髪に黒髪がまだいくつか混じった髪の男性、さらにその両隣となりも海陸よりもまだいくつか若い男性がついていた。
大西「大西良治だ。元帥をしている」
東「東(あずま)正明じゃ。階級副元帥」
そして陸軍は体もよい締まりようだった。
大高「大高弥三郎と申します。陸軍総帥を務めております」
桂「桂虎五郎。元帥」
熊谷「熊谷直。副元帥だ」
そして、五十六が口を開きはじめた。
五十六「さて、そちらの情報部にお渡しした資料のように現在こちらの日欧米を中心とした連合国軍は現在深海棲艦に制海権を奪われ、シーレーンは完全に崩壊しております」
そしてなぜそのようなことになったかの説明をし始めた。
神無月「では、現存する陸海空の艦娘を除く戦力は?」
大高「・・・・・うむ」
そういってそれぞれの総帥連中は大きく溜息を吐いた。
三ツ田「神無月殿。一つお伺いしたい。貴殿は情報で海軍がほぼ現代戦力を放棄したというのはご存知か?」
神無月「はい。深海棲艦の小回りでは艦艇は役に立たないためと」
そしてそれに返答したのが以外にも空軍、陸軍であった。
大西「現存する戦力は貴殿らが思っているよりもずっと退化している」
如月「退化? 進化ではなく?」
桂「弱みをあまり教えたくなかったのだが、直接こられてしまっては仕方がないので口を開くがGPSつまり、各国の軍事衛星も第三勢力が現れたと同時に破壊された」
その衝撃的な情報に三人も驚いていた。
如月「なぜそのような情報を黙っていた!?」
神無月「空軍は・・・では」
東「あぁ米国側もF-22は無論、こちらのADTも飛ばない。同然ドローンなどもだ。時代もレシプロ機、もしくはジェット戦闘機に突入したときの時代物になってしまった」
大西「ミサイルも熱源センサー等はまだ使えるが、衛星を利用した装置は使い物にならないため無線式、しかも距離はそんなに離れられない。不幸中の幸いは弾丸やエンジンは第二次大戦中と比べればはるかに優れているがな」
神無月「(それでも圧倒的に落ちる。つまりイージス艦もトマホーク、VLSの使用ができなくなっている。図体のでかい駆逐艦というわけか・・・・)陸軍は?」
大高「二軍と比べればまだかわいいほうです。単純にレーダー機能のみにはなりますが、それ以外は質を落とさなくて済みました。だが、目を潰されたことには変わりない」
全軍ともに近代戦の放棄を止む得なくされたということになった。
五十六「それだけではない」
神無月「どういう意味です?」
五十六「深海側か、第三側かはわからないが、あなた方は種子島をご存知ですな?」
種子島。つまりJAXAの宇宙センターである。
神無月「なるほど。そこからの攻撃か」
五十六「海側は――な。だが、各国もバカではない。内陸部、日本なら群馬、長野に新たに建築したが、航空爆撃機、さらには大気圏を突破前に確実に破壊される。施設自体はどこも健在だが、新たな目を作ろうにもあっけなく破壊される」
そのため現在戦力でどうにかするしかないというわけだ。
SIDEOUT
思っていたよりも状態が悪化していることに思わず驚いた。海上戦力は想像通りだったが、まさか衛星まで使えないとは。
葵「(イージス艦は無論、航空戦力も無駄、それどころか陸上の対空兵器も無意味か)京」
京「あぁ。話は分かった。で、実際俺たちはどこへ派遣されるんだ?」
そういって高野は席を立ち、日本領の地図を広げた。
高野「まず、北、南、南西を守っていただきたい」
翡翠「北? 北海道かい。でもあそこは「単冠だ」はぁ!?」
京「まて、単冠はたしか北方四島だろ!? あそこはロシアが占拠しているのじゃ・・・・まさか」
大高「その通り。ロシアが海を放棄した。もともと海上戦力が豊かとはいいがたい国だ。それに加えて深海棲艦と第三勢力の圧倒的な戦力差ともなれば千島と北方四島なんぞ放棄して保身に走ったわけだ。こんな形で日ロ平和条約が締結されるとはな」
馬鹿か。だがこちらから見ればありがたい話だ。
京「わかった。単冠には俺が行こう」
翡翠「じゃあ西には私か行きましょ」
となると残された南か。
三ツ田「ちなみにだが、お前らあっちでは階級は何だったんだ?」
一応私が准将、二人が大佐として置いた。
高野「うむ。まだ間に合うが、慣れるという意味でどうだ? 今から海軍学校に通ってみないか?」
確かに情報を得るためには必要か。
高野「ただし! 階級は少佐になるが」
まぁ構わんだろ。
それを了承し、我々は用意された宿舎に向かった。
とまぁそんなこんなで一年は経つ。
え? 早いって? いつものことだろ。学生時代といってもすでに経験済みのことや、旧海戦方法などの復習とそれを用いた近代海戦。
どれもが時代遅れといっても過言ではない。それを論破した時や、新たな戦法を導入した時の方法を教えた時の教官の顔と言ったら。
まぁそれで一年で飛び級し、さらに卒業だ。本来なら、一か月でもよかったんだがな。
高野「あっという間だな」
そして三人は海軍総帥室に呼び出された。目の前にいるのは総帥高野、隣には元帥の高杉、副元帥の大石がいた。
葵「で、我々は今後どのように動いたらいいんだ?」
高野「まぁそう焦るな。ある方よりお前さんらの階級章が渡される」
そういって隣の部屋をちらちらとみる高野。そっちに行けと?
二人とアイコンタクトをとり、その部屋への入り口を開ける。
そしてそこにいたのはまだ年端もいかないような感じの女の子。だが、巫女服に身を包み、そのオーラというか、まとう空気は只者ではない。そして、
葵(菊の家紋・・・・・なんとまぁ)
???「ようこそおいでくださいました。神無月様、いえ、月之宮様とおっしゃればよろしいでしょうか」
葵「ほぉ」
その言葉を聞いた京と、翡翠が己の得物を具現し、前に出た。
京「貴様! それをどこで!!?」
翡翠「応えようによってはあんたを殺さねばいけないんだけどねぇ?」
怒りをあらわに叫ぶ京、静かさの中に怒気を宿した声で静かに言う翡翠。だが、それよりも海軍の連中も後ろで拳銃を取り出すが、
???「控えよ。このお方に銃口を向けることならぬ」
高野「し、しか「下げよ!」・・・・御意」
さすが鶴の一声か。しかしまぁ、
葵「大きくなられましたな。三年ぶりですかな?」
???「はい」
そういってたれ布を上げると、そこからは吸い込まれそうなほど黒い瞳に、黒い宝石かと思わせるほど怖いほど美しい黒髪。しかしそれに反し、あどけなさも残す少女。
葵「お久しゅうございます。玖珂(くが)様」
玖「おやめください月之宮様。わたくしめごときに。我らが天照の祖であり、この国の祖であるあなた様にそのように言われると恥ずかしいです」
大石「・・・・・・は?」
高杉「祖だと・・・・・月之宮? ・・・・まさか」
高野「四聖神が一柱というのか!?」
まぁ予想外のことがあったため高野たちには一通り自分たちの素性を説明し、協力体制と同時にそちらの闇の排除を行うためと説明した。
高野「申し訳ありませんでした!」
葵「別に構わん。ちなみに何だが、なぜ玖珂が?」
玖珂。ここまで来たら説明は不要だろうが、この国において畏れ多い御方である。ちなみにお住まいは首都東京であり御城にお住まいだ。
玖珂「はい。これをあなた様方に」
そういって渡されたのは海軍の制服と階級章。だがよくよく見ると。
翡翠「桜じゃないのかい?」
そう。従来旧帝国軍でも自衛隊でも、そして現存の海軍でも階級章は日本では主に桜の花をあしらっている。だがこれは、
京「菊。なるほどな」
玖珂「はい。あなた様方は海軍の中でも特別な組織、わたしくし、帝の直下部隊として存在します。ですので一回り上の階級の権限を与えられます。少佐なら少将まで行けます」
そして彼女は笑顔で、我々の発言はわたくしの発言とも付け加えた。
玖珂「表面上はどこの鎮守府とも装飾は変わりありませんが、権限、発言力等は帝の発言です。ですので桜ではなく、菊を採用させていただきました」
皇室をバックにつければ何かと便利だな。あとはもう一つほしいな。
葵「一つ注文を付けてもいいでしょうか?」
高野「おいおい、これ以上さらに注文を付けるのか!?」
葵「簡単です。錦を三ついただけないでしょうか?」
高野・大石・高杉「「はぁ?!」」」
葵「一つ言っておきます。それは常時掲げるのではなく、念には念をという考えです。恐らく」
そういうと、高野もピンときたのか。
高野「なるほど、そういうことか」
大石「総長。何か思い当たる節でも?」
高野「いや、たしかにこの方々に対しては持っていたほうがいいかもなと思ってな。というのも―――」
簡単に説明すると、錦というのはその旗イコール帝を意味する。その旗を掲げている勢力、または組織に敵対するということは帝に弓引くことになる。つまり、
高杉「海軍の闇部分が知らずに騎士団に弓引くということは、騎士団と日本を敵に回すということか」
大石「それも朝敵という最悪のレッテルを張ってだ」
高野「は、ははっ。あなたも人が悪い」
葵「だから念には念をといったではありませんか」
その後、帝は新しく赴任する大使との面会があるとのことでこの場を去った。そしてこれから赴任する泊地について、そして現状の説明、初期艦を選ぶようになった。といっても直接会うのではなく、あくまでも書類上にはなるが。
葵「全員駆逐艦だが・・・・・ある意味犯罪だよな」
翡翠と京に聞こえるように言った。なにせ全員が全員小学生中高学年程度の少女なのだ。
書類にあった名前を見ると、吹雪型一番艦『吹雪』、同五番艦『叢雲』、綾波型九番艦『漣』、暁型四番艦『雷』、白露型六番艦『五月雨』の五人だった。
その書類を見た、翡翠はまるで品定めをするように見ていた。
京「・・・・・あれは得物を狙っている眼だな」
葵「仕方ないだろ。この仕事はあいつにとっては天職だ」
その目を見た瞬間大石副元帥がこちらに来て、あの目についてやはり気になるところがあったみたいだ。
大石「少しいいか?」
葵「あのバカの目ですか?」
大石「あ、あぁ。艦娘とはいえ人だ。だが、まるで」
まぁ言わんとしていることはわかる。そのため、まぁ、何だ。つまり。
葵「翡翠はレズといいますか、ユリといいますか。かわいいものがあったらぺろりと食べちゃう癖がありまして」
大石「・・・・そっちか。彼女はそっちだったのか・・・・」
京「狙ってました?」
大石「いやそれはないな。私にも妻がいる。そうではなく、これから恐らく艦娘も多くなる。その辺で危惧してな」
葵「大丈夫でしょう。彼女も相手が嫌がることはしません。これは保証します。ただ」
京「合意のもとだと底知らずになりますが」
そして数分後、
京「ふむ。雷だな」
ほぉそっちに行ったか。てっきり漣に行くと思ったが。
京「葵の言いたいこともわかるが、あの話を聞くとな」
彼が言うあの話とは旧帝国軍の工藤俊作中佐のスラバヤ沖のことだろ。
京「彼女がもしあの雷なら、敵をも助けるという意味も理解してくれると思う」
なるほどな。
翡翠「私は叢雲にするよ」
京・葵「「え!?」」
翡翠「なんだいその声は?!」
葵「いや、だってな」
京「あ、あぁ」
翡翠の性格だ。てっきり五月雨か漣にすると思ってたが・・・・。ちょっと変わった性格ということはそれに付け込んで漣を翡翠のペースに合わせるという手もあるし、五月雨はどじっこという。つまり翡翠にとってかっこうの獲物だ。それが、ツンデレ? の叢雲を選ぶとは。
翡翠「私にデレさせればいい」
その話を聞いて私と京の背筋がぞくっとした。
京「ち、ちなみに葵はどうするんだ? といってもお前のことだ」
葵「あぁむろん吹雪だ」
まじめで努力家。それを聞いたとき、この子だと思った。
その後、もう一つプレゼントがあるといって高野は軍港に向かった。そこにあったのは、
葵「おいおい、これって」
京「イージス艦」
翡翠「それもこれって最新鋭じゃないかい」
しののめ型ミサイル護衛艦一番艦しののめ、二番艦なぐも、三番艦やくもの三隻であった。
大石「今すぐというわけにはいかんが、武装などを整えたのちに各泊地に派遣する予定だ」
京「いいのかこれ!?」
高野「使い道がない以上どうすることもできん。だが、あなた方ならこれを有効に使ってやれると思ってな」
そういって護衛艦を見る高野の目にはどこかさみし気に移った。それは自分らが前線に出ることを許されず、代わりに前線に出るのが、まだ年端もいかない女性に任せるしかないという責任と罪悪感からであった。
葵「ありがたくいただこう。で、我々はどうすればいいんだ?」
高杉「それならもうすぐ来るだろう」
そういって高杉元帥の目を追うと、そこには三機のC-1がいた。
高杉「こう言っては何だが、安全高度をとり離着陸でき、かつ今すぐ用意できるのがあれだけでな」
葵「まぁ用意しただけでもありがたいか」
三人はそれぞれの行き先のに乗り目的地に向かう。
そして、それぞれを乗せた機体は徐々に陸との距離を開け三人の目的地に向け飛び立った。
兵器やそれらのシステムに関してはそれほど詳しくはないです。自分なりの解釈です。