知世の野望 ~The Magic of Happiness~   作:(略して)将軍

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フェレット少年と怪獣少女

ジュエルシードの回収を手伝うと決めてからちょっと後

 

 

お茶とお菓子の用意をしてきて

なのはちゃん達に、お茶を振舞いながら

色々なお話をしてたんだけど……

 

 

「……そう言えば、さくらさんって念話は使わないんですか?」

 

 

「ほえ、ネンワ……?」

 

 

何の気なしにユーノ君が言ってきた念話と言うのが

なんの事だかさっぱりわからなくって、頭の上にハテナマークが浮かんだけれど、

そうしたらケロちゃんが……

 

 

「あー、遠い所にいる相手に、魔力で言葉を飛ばすアレやろ?

 そういや、さくらは連絡は電話使うとるさかい

 その手の術を教えた事なかったな」

 

 

なんて言ってきて……

どうやら、念話って言うのは、テレパシーみたいな物みたい。

 

 

割と簡単な魔法らしくって、私が使えないって言ったら

ユーノ君は、ものすごく意外そうな顔をしていた。

 

 

「……でも、普通にお話しするならパソコンや電話で十分だし、

 これまでも、あんまり使う必要のある場面はなかったかな?」

 

 

「それはそうなんですけど……」

 

 

……でも、声を出さないでお話しできるって事は

ケロちゃんが何かをやりそうなときに、

皆に知られずに注意したりするのにはいいかも……

 

 

 

 

そういうわけで……

 

 

―――もしもし、聞こえますか?

 

 

私は、ユーノ君やなのはちゃん達に、念話の使い方を教えてもらった。

 

 

ケロちゃんも、使える様ではあったけれど、

教え方が、かなり適当だったので当てにはできない

 

「せやかて……この術教えるほどのもんでもないから

 却ってどうして教えたらいいのか、わからへんねや」

 

 

……ケロちゃんの言い分はさておき

 

普段は、カードを使った魔法しか使ってないから、

最初の方は、二人の声が上手く聞こえなかったんだけど……

 

 

「あ……すごい、本当になのはちゃんの声が聞こえる」

 

 

一通り教えてもらって、やり方を何度か繰り返すうちに、

目を瞑って集中すれば、声が聞こえる様になった

 

 

―――さくら、ようやくできるようになったんか

    全く、相変わらず不器用やなぁ

 

 

―――本来、魔力を持っていれば誰にでも使える程度の魔法だから

    ……さくらさんほどの魔力の持ち主なら、簡単に出来ると思ったんですけど……

 

 

―――まぁ、さくらは色んな意味で特別やからなぁ

    普段使う魔法は、基本的にカードを使うとるし、細かい事をするんは、結構不器用やさかい

 

 

むぅ……ケロちゃんったらみんなの前でなんてことを……!

 

 

―――じゃあ、次はさくらさんから僕達に

    念話で話しかけてもらえますか?

 

 

 

すると、ユーノ君から、今度は念話で語り掛ける用に促されたので

早速やってみる事に……また失敗しなきゃいいけど

 

 

「うん、それじゃあやってみる……」

 

 

これから送るという事を、口で知らせてから、もう一度、集中するために目をつむると

目いっぱい集中して、教えてもらった通りに、頭の中でみんなに語り掛けてみた

 

 

(もしもし、三人とも聞こえる?)

 

 

でも、どうしたのか、いつまでたっても返事が返ってこなかった

自分では、うまくできたと思ったんだけど……

 

(あれ? もしかしてまた失敗しちゃったのかな?

 もしもし、もしもーーー……)

 

 

気を取り直して、再度念話で語り掛けると……

 

 

「さくら! ストップ!! やめぃッ!!」

 

 

「ほえっ!?」

 

 

 

聞こえてきたのは、頭の中に響くケロちゃんからの念話……

じゃなくて、耳元に聞こえてきた、ケロちゃんの怒鳴り声……

 

 

「ケロちゃん!! 何するのよ!!」

 

 

いきなり耳元で怒鳴られたので、なんだか耳がジンジンする

ケロちゃんったら、いったい何のつもりなの……!?

 

 

「なにするっちゅうんはこっちのセリフや!!

 あれを見てみぃ!!」

 

 

 

そう言われて、ケロちゃんの指差す方向には

口を手で押さえて、驚いた顔をしている知世ちゃんと……

 

知世ちゃんの視線の先で、目を回してひっくり返っていた、なのはちゃん達二人の姿でした……

 

 

「え!? ど……どういう事!?」

 

 

「どういう事もあるかい!! この程度の魔法に、めいっぱい魔力使いよって……

 さくらの念話、とんでもない爆音になって届きよったんや!」

 

 

「ば……爆音!?」

 

 

もしかして、それでなのはちゃん達がひっくり返っちゃったの!?

 

 

「そんな!? 私、そんなに魔力を使った覚えないのに……」

 

「お二人とも、大丈夫ですか?」

 

 

知世ちゃんは、心配そうに二人に近づくと、そのまま体を揺さぶりはじめる。

……本当に悪い事をしちゃった、後でちゃんと謝らないと……

 

 

……あれ、ふたり……?

 

 

えーっと、倒れてる片方の子は、なのはちゃんだよね……

知世ちゃんは、そこに居るから、もう一人ひっくり返ってる子は……

 

……誰だろう、この金髪の男の子?

 

 

―――

 

 

な……なんだ今のは……?

さくらさんが念話を発信した瞬間に、物凄い衝撃が、頭の中を駆け巡って行った……

 

 

「あ、頭の中がくらくらするぅ……」

 

 

まだ衝撃が抜けないので、そちらの方を向けないけれど

となりから、なのはの混乱してるような声が聞こえる……

……まさか、今のはさくらさんの念話!?

 

 

あまりにも強力すぎて、何を言ってるのか全然分からなかった……

 

 

……いや、そもそもこんな威力のあるもの、念話として扱っていいモノだろうか?

実戦で使っても、効果がありそうな威力だったぞ……

 

 

念話の衝撃の為か、僕自身は仰向けになっており、

ようやく少し動けるようになったので、なのはの方に顔を向けてみると、

なのはも、僕と同じように倒れてしまっていた。

 

 

「お二人とも、大丈夫ですか?」

 

 

知世さんが、そう言って心配そうに

なのはの体をゆすってくれていたけれど……

 

 

「は……はい、大丈夫れ~す……」

 

 

聞こえてきたなのはの声は、どう聴いても、大丈夫そうに見えないくらい揺らいでいた

 

 

……僕も、まだ頭の中がくらくらするけれど

なんとか起き上がれる程度には回復したので、上体を起こし……

 

 

「ええ、なんとか……」

 

 

知世さんに無事な事を伝えた瞬間、奇妙な違和感を感じた。

 

 

……あれ? なんだか視線が高くなってる?

それに、みんなの向ける視線が、なんだかおかしいような……

 

 

「ほ、ほえ……?」

 

 

さくらさんは初対面の相手を見るような顔だし、

知世さんとケルベロスは、少し驚いたような顔で、

なのはに至っては……放心と言っていいくらいの、ぽけっとした顔をしていた。

 

 

……いったい何が……と思って、少し考えてみると、僕は先程、上体を起こした事を思い出した。

 

 

フェレットの姿じゃ、そんな事できるはずがない

 

 

まさかと思って、今度は自分の手を眺めてみると、

そこにあったのは毛に包まれた肉球……ではなく、五本の指の生えた人間の手で、

それをすぐさま、自分の顔に当ててみると、その感触は毛皮ではなく人の肌だった。

 

 

え……これって……

 

 

「す……すいません! 鏡ありませんか!?」

 

 

「ほえ、鏡? だったら、そこに……」

 

 

まだ少し呆けていたさくらさんの指差した方向には、

小さな鏡スタンドがあり、立ち上がって、急いで鏡の中を確認してみると

そこには、久しぶりに見かける顔が見えた。

 

 

「……人間に戻ってる? 嘘、なんで……」

 

 

怪我の影響か、思う様に魔力が回復しないから

この姿に戻れるのは、まだしばらく先だと思っていたのに……

 

 

……っていうか、魔力自体も完全に回復してる!?

これ、いったいどういう事……?

 

 

「その声、やっぱりユーノ君!? ええっ、人間だったの!?」

 

 

そんな僕の驚きを吹き飛ばすように、これまで呆けていたなのはが驚きの声をあげた。

……いや、ちょっとなのは、知ってるはずだよね?

 

 

「いや、だって初めて会った時はこの姿で

 魔力の回復の為に、フェレットの姿になってるって言った筈……」

 

 

「ううん! それ初耳!

 始めてあった時から、ユーノ君フェレットだったよ!!」

 

 

え……そうだったっけ……?

 

 

……考えてみたら、あの時は怪我を負って、

意識が朦朧としてたから、そこは勘違いしてたかもしれないけど……

 

 

「……でもなのは、僕が元の世界で発掘をしてたり

 最初は僕一人でジュエルシード集めてたのは話したよね?」

 

 

「うん、そっちは覚えてるけど……」

 

 

それでも、まだ納得いかない顔をしているなのは。

このどうにもかみ合わない雰囲気に、僕はまさかと思って

とある疑問をなのはへと投げかけると……

 

 

「……あの、まさかとは思うけど、スクライア族や、僕の居た世界の住人は

 全員フェレットで、その姿で遺跡発掘をやってるとか、思ってたりする?」

 

 

このまさかと自分でも思う、僕の問いに対する彼女の返答は

右上の方に逃げた視線と、気まずそうな表情が物語っていた……

 

 

いや、流石にそんな訳無いでしょ!

 

 

「なのはちゃん、お気づきでいらっしゃらなかったのですね」

 

 

「ほえ? 知世ちゃんは判ってたの?」

 

 

知世さんは、どうやら僕の事をわかっていたようで

驚いた様子は見られなかったけど、

さくらさんを見る限り、なのはと同じことを思っていたようだ

 

 

「ガクッ……こら! さくらも分からんかったんかい!!

 全く、さくらカードを使いこなせても、それ以外はまだまだ未熟やなぁ……」

 

 

続いて、ケルベロスがずっこける様な動作をした直後に、さくらさんにツッコミを入れた。

 

 

「……でも、ケロちゃんも知世さんも、よくユーノ君の事わかりましたね?」

 

 

「アホ、ワイを誰や思うとんねん

 仮の姿っちゅう事位、初対面の時からわかっとったわ」

 

 

そう言えば、ケルベロスも今の姿と、大きな獣の姿に自由に変身することができるんだっけ……

 

 

「私は、先ほどのユーノ君の話を聞いていて

 多分、人間だけど何かの理由でフェレットになっているものだとは思ってました

 なんというか、癖とかものすごく人間っぽかったですし」

 

 

……そして、話だけで判った知世さんも、別の意味ですごい

魔力の件を抜きにしても、3つ違いとはとても思えない雰囲気を持ってるし

 

そんな二人の答えを聞くと、なのはは、恥ずかしそうに頭を掻き始めた。

 

 

「えーと……確かに、発掘や、輸送の話に関しては

 なんか、ちょっとおかしいとは思ってたけど

 魔法の世界の出身なら、そういう事もあるかなぁって……」

 

 

……なのは、いったい僕達の世界にどんなイメージを持ってるのさ?

 

 

「まぁ、魔法少女のマスコットキャラならば

 そう言った不思議な動物さんがいると思うのは、割と、普通の女の子の反応だと思いますわ

 

 魔法少女物の作品って、大体そんな感じですから」

 

……魔法少女と言うものに関しては、

なのはがそれっぽい事を言っていたのは覚えてるけど……

 

それだけで済まされてしまうものなのだろうか?

 

 

……後で、この世界の魔法や魔法少女について

よーく調べておいた方がいいかも……

 

 

 

 

「うるせーぞ、いったい何をそんなに騒いで……」

 

 

そんな事を考えていると、突然部屋のドアが開いて

さくらさんのお兄さん、桃矢さんが顔を出してきた。

 

 

最初は、なんだか呆れたような顔をしていたけど、

部屋の中を見渡して、あるものに目が向いたとたん、徐々にその視線が鋭くなっていく。

 

 

その視線の先にあったのは……

 

 

「……そこの金髪、いつの間に来たんだ?」

 

 

ギク……

 

本来、ここに居るはずのない僕だった。

 

さっきまでいなかった、この姿の僕が居たのだから、怪しまれるのは当然だろう……

 

桃矢さんの鋭い視線と、どう言い訳したものかという考えで、

頭の中が真っ白になり、問いに答えられないでいると……

 

 

「……すいません、この子は私の友達のユーノ君です

 一緒に友枝町に来たんですけど、さくらさんを手分けして探そうって事になって……

 ついさっき、改めて連絡がついたから、お邪魔させてもらったんです」

 

 

「う……うん! そうそう!

 私となのはちゃんが玄関までお迎えに行ったの」

 

 

なのはとさくらさんが、とっさに誤魔化してくれた

その表情は、ちょっとぎこちなかったけれど……

 

すいません、ボクの為に嘘をつかせてしまって……

 

 

「……一緒にいたイタチはどうした?」

 

 

ギクギク……

こうして人の姿のぼくが居るという事は

当然の事ながら、フェレットの姿のぼくが居る訳がない

無論、その為にこの場で変身する訳にもいかないし……

 

 

―――サッサッ……

 

「……?」

 

 

焦る中、なにかを払うような音が聞こえてきたのでそちらを横目で見ると

なにやら、細い尻尾の様なものが、ベッドの下で揺れていた。

見ようによっては、フェレットの尾に見えない事も……

 

 

「ユー……あの子なら、さっきベッドの下に潜り込んじゃって……

 お兄ちゃんがいきなりドア開けるから、驚いちゃったんだよ、きっと……」

 

 

それを確認すると、さくらさんが、更にウソで誤魔化してくれた

どうやら、ベッドの下に居るのはケルベロスのようだ。

 

 

……本当に、迷惑おかけして申し訳ありません。

 

 

「それにしては、階段あがる音は聞こえ無かったけどな

 ユキの奴も、なんか音がしたら気付いただろうし」

 

 

ギクギクギク……

 

 

これは……どうやって誤魔化したらいいんだろう?

なのはとさくらさんの顔は、困った顔で見つめ合っていた

……多分、僕も同じような顔をしているはず……

 

 

そして、知世さんは……なんですか、その楽しそうな顔

知世さん、僕等の困惑を余所に、この状況を楽しんでませんか……!?

 

 

だけど、結局この心配は無用な物だった。

桃矢さんは、部屋の全員の顔を見回した後、なんだか、ちょっと意地わるそうな顔をして……

 

 

「……まぁ、普段から怪獣(さくら)がドタンバタン音立ててるから

 そんだけ大人しそうなヤツが音立てたんじゃわからねぇよな」

 

 

「なんですってぇっ!?」

 

 

そう言うと、今度はさくらさんがこれまでに見せなかった怒りの形相になってしまった。

なのはも、さくらさんが怒った事にちょっと驚いている。

 

 

「……気を付けろよ、うっかり怪獣に踏みつぶされたら

 あのフェレット、ペッタンコになっちまうからな」

 

 

桃矢さんはそう言うと、してやったりという表情でドアを閉めてしまい

それに少し遅れる形で、さくらさんの投げた枕がドアにぶつかり、そのまま、床へと落ちる。

 

 

「……どうなってるの?」

 

 

すると、我に返ったのか、さくらさんは恥ずかしそうな顔をして、

今度は何でもないと言わんばかりの、両手で何かを取り消すようなジェスチャーを必死にしていた。

 

 

今の言葉、そんなに怒るところあったかな……?

 

 

「さくらちゃん、お兄様からよく怪獣とからかわれているので

 その言葉には、強く反応してしまうのですわ

 前にケロちゃんと喧嘩した時も、散々言われたとか」

 

 

すると、知世さんがさくらさんの怒りに関して詳しい説明を教えてくれた

 

 

「さくらさん、全然そんな感じには見えないよねぇ」

 

 

「うん……それにケルベロス、そのセリフで

 さくらさんとケンカしたことあるんだ……」

 

 

「……気ぃつけぃ、ああなったさくらはめっちゃ恐ろしいさかい」

 

 

ケルベロスは、少し震えてみたいだけれど、

さくらさんはようやく落ち着いたのか、元通りの表情へと戻っていた。

まだ、完全に機嫌は直ってないらしく、文句は終わっていなかったけど。

 

「お兄ちゃんったら、本当にイジワルなんだから

 いつだって怪獣怪獣って言って来るし

 それ以外にも、事あるごとに……」

 

 

……正直、ちょっと不愛想でぶっきらぼうな感じだけど、

あの森で僕達を助けてくれたし、その後のやり取りでも優しいものを感じられた。

 

 

「……さくらちゃんだって、そこはちゃんとわかっていますわ

 さくらちゃんのお兄様も、さくらちゃんを大切に思ってるからこそ

 ついついイジワルしたくなってしまうのですわ」

 

 

 

そう言うものなのかな……

兄弟が居ないボクにはちょっとわからないや

 

 

……ん、なんだろう

今の話を聞いたなのは、少しだけ寂しげな表情をしてたような?

 

 

「……ほな、話を戻して……

 とりあえず、さくらの念話は基本使わん様にしとこ

 あんなん使うとったら、こっちの身が持たんし、色々と、不具合も出てくるさかいな」

 

 

 

声の元を見ると、ケルベロスがベッドの下から這い出て来ていた

まぁ、どういう訳か、あの念話のおかげで、僕はこの姿に戻れたわけだけど

あれを念話として使われたら、こっちの身が持たなくなってしまう……。

 

 

「それに、普段は普通の電話を使うのがよろしいかと

 ……魔法の通信というのも素敵ですけれど

 私だけ仲間はずれなのは流石に寂しいですわ」

 

 

そういって、知世さんは切なそうな顔をしてしまった。

 

……正直、安全を考えると知世さんにはジュエルシード回収には参加せず、

待っていてもらった方がいいのかもしれないけれど……

 

 

何故だろう、なぜかその一言が言い出せない……

そんな事を言い出したら、何かとんでもない事が起こってしまいそうで……

 

 

 

「まぁ、ワイが要ればなんとかなるさかい、今はそれで十分やろ

 今後は、お互いが何かを見つけ次第、連絡し合うようにしよか」

 

 

海鳴市と友枝町は、少し距離があるけど

魔法を使って飛んでいけば、行き来にはそれほど時間がかからないはずだし

連絡手段も、念話が使えなくても色々と手段がある

 

 

もし、あの子と遭遇して争奪戦になったとしても、こうやって、僕の魔力も元に戻った事だし

無茶をせずに時間を稼げば、合流するだけの時間は持つはずだ

 

 

「……それと、時間のある時にワイから二人に

 色々と魔力の使い方の手ほどきを教えたるわ

 ワイ、海鳴市の方には用事で寄る事が多いさかいな」

 

 

「ケロちゃんが?」

 

 

「二人とも、十分な才能とセンスは持っとるけど

 どっちもまだ小さいから、経験だけはないやろうからな

 安心せぇ、十分に伸びる余地はあるで」

 

 

ケルベロスの知っている魔法かぁ……

 

 

確かに、こちら側の世界の魔法には興味はあるし、

これ以上なのはに負担をかけさせないよう、

僕も、何か手助けできることがあれば、積極的にやっていきたいと思う。

 

 

どこまでできるか、正直分からないけど……

 

 

 

「それじゃあ……これからよろしくね、なのはちゃん」

 

 

「こちらこそ、さくらさん」

 

 

そう言って、握手し合うなのはとさくらさん。

その横では、知世さんが二人の様子をビデオに撮影していた。

 

 

いったい、いつの間に……

 

 

 




……という訳で、ユーノがかなり早い時期で元の姿に戻り
さくらが新スキル『念話(?)』を習得しました

この作品中のさくらは、他の作品で覚えられそうな技があった場合
その中から一番簡単なもの(状況による)を習得できますが
必ずと言っていいほど、発動効果が原形をとどめてなくて
更にとんでもな効力を持つようになっております

とは言え、覚えられそうな技術なんてあんまりありませんけどね
この念話(?)の本当の効力は、またいずれはっきされるかもしれません

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