知世の野望 ~The Magic of Happiness~ 作:(略して)将軍
最初の方の話も、また見直したらおかしいとこあったので少しずつ直していってます。
ああ、作るものが多すぎて……
「……では、改めて自己紹介するわ。
私の名はレミリア・スカーレット、幻想郷の霧の湖にある紅魔館の主よ。」
拠点の一軒家で奈緒子ちゃん達と共に居たお客様・レミリアさんは、凛とした表情で優雅に自己紹介をしてくださいました。
「これはご丁寧にどうもありがとうございます、大道寺知世と申します。
……あの、奈緒子ちゃん、すずかちゃん、私達が不在の間になにかありました?」
失礼の無い様に、レミリアさんに挨拶をかえしてから、私は奈緒子ちゃんとすずかちゃんの様子が、なんだかおかしいのを不思議に思ったので、何かあったのか尋ねてみたところ……
「え……!? あ、ううん! あんまり大したことはなかったよ!!」
奈緒子ちゃんは、いい事があった時のさくらちゃんみたいに、目をキラキラさせて喜びを表現しており……
「あ……私の方も大したことは無いです……」
「すずか……?」
逆に、すずかちゃんは委縮したかのように小さくなっています。
「……あんた、まさかアイツにいじめられたんじゃないわよね?」
「う、ううん!! 別にそう言うのじゃなくて……」
アリサちゃんは、すずかちゃんが何かされたのではないかと推察して、横目でレミリアさんを警戒しするように睨み……
表でこちらを見守っている子達も、なんだか落ち着かない様子で、中には奇妙な物を身につけたり、どこかに買い物に行っていたのか、ビニール袋を片手に急いで駆けてくる子まで居ました。
その子は別の子に持っていた袋を渡すと、よほど急いでいたのか荒くなった呼吸を整えようとし、袋を受け取った子は、何故か中からポテトチップスと思われる袋を取り出すと、すぐさまそれを開けようとしていました。
ですが、レミリアさんの横に座っていたメイドさんが、その光景を目にした瞬間……
「え……!?」
「……失礼、申し訳ありませんが、お嬢様はコレの匂いが大変苦手なので、こちらを開封するのは、私達が居ない時におねがいします。」
メイドさんがレミリアさんの横から、姿が消えたかと思うと、彼女はいつの間にか先ほどの子達の所に居り、ポテトチップスの袋を取り上げて、ここで開けないよう彼らに注意していました。
「い、いつの間に……」
「うふふ……恐れられてるわね、私。
アレは匂いだけでも苦手だけど、慌てて対策されるほどに素直に恐れられると、気分がいいわ。」
その光景を見て、レミリアさんは機嫌を悪くするわけでもなく、却って彼らの行動を見て妖しい微笑みを浮かべていました。
「……さすが、吸血鬼のメイドさん。
やっぱりあの人もただものじゃないんだね……」
奈緒子ちゃんは、驚きながらも感心していますが、何故かすずかちゃんはそれを聞いて、こっそりと頷いているようにも見えました。
「それで、レミリアさんはどのようなご用件でこちらへ?」
「……ちょっと、新しい服が欲しくてね。」
「……服?」
私の問いに対する答えに、周囲の皆はレミリアさんの真意がつかめない様子でしたが彼女は、そのまま話をつづけました。
「つい先日の事、ウチの周辺でいつも遊んでいる妖精が、見た事のない雰囲気の服を身につけていたのを見かけてね……
色々と素晴らしい意匠の服だったから、どこで手に入れたかと尋ねたら、ちょっと苦労したけど、外から来た子から貰ったって聞いたのよ。」
「あ、ひょっとしてチルノさん……」
コクエン君の事件で、チルノさんに力を貸してもらうために、対価として渡した私の手製の服……
どうやら、チルノさんは気に入ってくれているみたいです。
「そこから、色々と調べさせてもらったんだけど、あの服は貴方がつくったもので、間違いないわね?」
「……はい、相違ありませんわ。」
私がそう答えると、彼女は喜んでいる風に目を細め……
「どう? 私にも服を仕立ててもらえないかしら?
……八雲紫から、約定と対価の話は聞いているわ。
私の対価は、貴方達への協力……悪い話ではないと思うけど?」
掌を上にした手を私達の方に差し出すと、そう提案してきました。
レミリアさんの詳しい実力は分かりませんが、先ほど力を見せたメイドさんを従えている点や、この威厳とも言うべき雰囲気から察するところ、彼女はかなりの力を持った方のようです。
正直、今はさくらちゃんを救出するのに人手が欲しいですし、すぐさまお願いしたいところではあるのですが……
「力を貸してくださるのならば、こちらからお願いしたいですわ。
ただ、ちゃんとしたものを作るとなると、寸法から取らねばいけませんし、仕立てるのにも時間がかかりますから、それなりに時間がかかってしまいますが……」
「構わないわ、私も永く生きている身だもの、仕立てを待つのは気にならな……ん?」
そんなものは気にもしないとばかりに、機嫌のいい顔をしていた所に、彼女はなにかに気付いたのか、外の方に目を向けると……
「あ、お嬢様! そんな所に居たんですかー!!」
「美鈴!? 貴方なんでここに……」
彼女の視線の先には、中国の人民服を彷彿とさせるような緑色の服と帽子を被った、赤毛の少女がいらっしゃいました。
どうやら、レミリアさんのお知り合いのようですが……
「レミリアさん、あの方は……?」
「……っと失礼、彼女はウチの門番の紅美鈴(ホン・メイリン)よ。
今日は留守を任せておいたのだけど……」
「すいません、ちょっと屋敷の方で事件が起こってしまって……
あ、咲夜さん、一枚いただきますね。」
「あ、ちょっと……!」
少し不機嫌そうな顔になったレミリアさんとは対照的に、美鈴さんは困った様子を見せながらも、笑顔を崩さず咲夜さんの持っていた袋からポテトチップスを一枚取って口に放り込みました。
「あれ? この味と匂いは……」
……あの袋、何時の間に開けてしまったのでしょうか?
「事件……? 塔の事件があるから、今はどこも異変を起こさないはずだけど、身の程をわきまえない妖精でも迷い込んできたのかしら?
……あと、こっちに近寄るんじゃないわよ。」
レミリアさんは不機嫌そうに顔をしかめながら、美鈴さんにそう言い放ちました。
「すいません、まさか味付けがこれだとは思わなくて……
……それがですね、紅魔館に妖精じゃなくて人間が入り込んできちゃったんですよ、それも外来人……」
「外来人……ですって?」
美鈴さんの話を聞いて、顔が険しくなるレミリアさん。
確か、外来人というのは幻想郷の外から入り込んだ人の事だったはず……
「これも、塔の事件が影響してるんですかね……?
更に変わった事に、迷い込んだのは猫の耳みたいな髪型をした水着を着た女の子でして……」
「水着ねぇ……私にはわからない感覚だけど……」
レミリアさんは、侵入者の恰好には興味がない様子でしたが……
「ちょっと待ってください! その子はひょっとして……」
「知世ちゃん?」
美鈴さんの口にした特徴には、私に思い切り心当たりがあったので、少し思案した後レミリアさんの方を向き、お願いをする事にしました。
「……レミリアさん、申し訳ないのですが、レミリアさんのお屋敷でその女の子と合わせていただけないでしょうか?」
「あら、ずいぶんと度胸のある発言ね
うら若き乙女が、吸血鬼の屋敷に自ら乗り込もうだなんて……」
私のその発言を聞くと、レミリアさんは怪しい笑顔でそう言いましたが、更に興味深そうに私を見つめると……
「……いいわ、なにか考えがあるみたいだし、ご招待するわ、大道寺知世さん……」
私を、屋敷へと招待してくださいました。
「知世さん、私も一緒に……」
私の事を心配してくれたのか、アリサちゃんは同行を申し出てくれましたが……
「いえ、アリサちゃんは協力してくださる方達をまとめて、いつでもシュリさんのお城に乗り込めるよう準備を進めててください。
恐らく、あちらでも一悶着ありそうですから……」
万が一、なのはちゃん達の方で何かあったら、そちらも何とかしなければいけないので、彼女にはそちらの方をおまかせする事にしました。
「それじゃあ、早速案内させてもらうけどその前に……
咲夜! 美鈴!!」
「はい!」
「なんでしょうか、お嬢様?」
堂々としたレミリアさんに名前を呼ばれた二人が、凛として返事を返すと……
「……あなた達は、口をよーくゆすいで来なさい、臭いがしなくなるまで帰ってくるんじゃないわよ。
あと食べちゃった分はちゃんと払っておきなさい」
「はい……申し訳ありません」
「たはは……なにせ味がアレでしたからね……」
咲夜さんは申し訳なさそうに、美鈴さんは困った顔で頬をかきながら、レミリアさんの言いつけに答えたのでした。
咲夜さんも、ついうっかりつまんでしまったのですね……
異変の影響で、新たなる侵入経路が追加されました。
これが、後々どういう事態を巻き起こしていくのか……
そして、たまにいますよね、オカルト系が出てくるとブルック初対面時のウソップの如く
魔除けグッズフル装備するキャラ
にんにくはお手頃なものが無かったので、ポテトチップスで代用する事になりました(何